どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座 ~デリヘル検定受けてみた~

2017年03月08日

by新海 亨新海 亨編集長

どSな敏腕弁護士ロウ子さんからの熱烈な指導を受け、風俗業界に関する法律知識をメキメキと身に着けたチン吉くん。

その知識の集大成を見せるべく、一般社団法人ホワイトハンズが主宰する『デリヘル検定』を受験することになった。

■登場人物

風俗業界_弁護士

どS敏腕弁護士 ロウ子

風俗業界の健全化と女性セックスワーカーの地位向上に熱意を捧げる敏腕弁護士。そのどSっぷりは、法曹界の重鎮たちが一目置くほど。常に尖がったハイヒールを履いていることで有名。とある理由から“チン吉”くんに風俗業界における法律知識を教えることになる

風俗業界一年生

どM風俗店舗スタッフ チン吉

大学卒業後、一般企業に就職するも仕事がつまらなすぎるという理由で退社。『Fenixzine』から風俗業界に興味をもち、満を持して飛び込んだ生粋のどM。最近の悩みは髪型が亀頭みたいなこと。とある理由から“ロウ子”さんに法律知識を学ぶことになるが、そんなことより、本当はムチで叩いてもらいたい

風俗業界の登竜門『デリヘル検定』とは?

風俗業界_弁護士
「チン吉くん。今まで法律の勉強を一緒にやってきたけど、日々の業務にかなり役立ってるんじゃない?」
風俗業界一年生
「そうですね! 同業者の中には法律の“ほ”の字も知らない人たちが違反で摘発されていたりするんですよ! 僕はロウ子さんに教わっているのでバッチリです!!」
風俗業界_弁護士
「ずいぶんと頼もしくなったわね。じゃあ、いい機会だから『デリヘル検定』っていうのを受けてみない?」
風俗業界一年生
「えっ? 『デリヘル検定』??」
(なんだろう、それ?? エッチな検定かな……)

デリヘル検定

デリバリーヘルス(派遣型性サービス)で働く人のための検定。デリヘルで安全に働くために、最低限必要になる法律や歴史の知識を身に着けることができる。これからデリヘルで働こうと思っている人、現在働いている人、これからデリヘルを開業しようと思っている人に向けた業界唯一の検定。
◆詳しくはこちら ⇒ デリヘル検定
風俗業界_弁護士
「煩悩の塊のチン吉くんだから、エッチな実技演習を想像しているかもしれないけれど、至って真面目な検定よ」
風俗業界一年生
「何言ってるんですか! ロウ子さん! そんないかがわしいこと考えるわけないじゃないですか!」
風俗業界_弁護士
「あら、ごめんなさい。それじゃあ早速今まで勉強してきたことを復習して試験対策よ!!」
風俗業界一年生
(この人はもしかしたら、透視能力があるのかもしれない……)


こうしてチン吉くんは『デリヘル検定』合格のため、ロウ子さんから風俗業界に関する法律の特別講義を受けることになった。

【Q1】風俗店における売春防止法について

【問】売春防止法の内容について、誤っている選択肢を1つ選びなさい。
1.売春防止法では、売春を違法とするが、売春者(売春する女性)と相手方(買春する男性)はどちらも処罰されず、売春をあっせんする性風俗の業者が処罰される。

2.売春防止法では売春女性は、処罰の対象ではなく、保護・支援の対象とされる

3.売春防止法では、単純売春(個人の自由意思に基づいて行う売春)に対して、罰則規定がある。

4.ソープランドにおける事実上の売春営業は、社会的に黙認されている。

風俗業界一年生
「簡単! 正解は3ですね!」
風俗業界_弁護士
「正解よ。すごいじゃない。売春防止法では単純売春に罰則規定を設けておらず、管理売春(売春行為のあっせん、場所の提供、勧誘等を行うこと)のみを処罰対象にしているのが特徴よ」
風俗業界一年生
「ただのどMじゃないんですよ、僕は。ふふふ。」

関連する記事 → どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~本番ダメ、ゼッタイ。~

【Q2】風俗店における刑法について

【問】刑法における強制わいせつ罪について、誤っている選択肢を1つ選びなさい。
1.強制わいせつ罪とは、暴行または脅迫の手段を用いて、性器への挿入行為を伴わない性的暴力を加えることを指す。

2.13歳未満の男女にわいせつな行為をした場合、相手の承諾があっても強制わいせつ罪になる。

3.強制わいせつ罪は親告罪ではない。

4.強制わいせつ罪は、6か月以上10年以下の懲役になる。

風俗業界一年生
「むむ…。これは1じゃないかな? 性器の挿入も強制わいせつ罪にあたるんじゃないでしょうか!!」
風俗業界_弁護士
「はい、不正解です」
風俗業界一年生
「ええ! 冷たい反応や……」
風俗業界_弁護士
「強制わいせつ罪は性器の挿入を伴わない性的暴力が処罰対象よ。挿入を伴った場合は強姦罪になるの」
風俗業界_弁護士
「ちなみにこの問題の正解は3。強制わいせつ罪は親告罪ね」(強姦罪も同様に親告罪)

親告罪……被害者からの訴えが無ければ、刑事事件にならない罪のこと

風俗業界一年生
「そうでしたね……(涙)。事件が公になると風俗で働いていることがバレてしまう可能性があるから親告罪なんですよね。思い出しました。」
風俗業界_弁護士
「被害者の不利益を考慮した法律ね。ただし、集団強姦などの重大犯罪については親告罪にならないから、その点は注意してね。」

関連する記事 → どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~風俗店に関わる刑法~

【Q3】風俗店における広告宣伝について

【問】派遣型性サービスの広告宣伝の注意点について、誤っている選択肢を1つ選びなさい。
1.ポスターを貼ったり、看板やプラカードを出したり、チラシを配ったりすることは一切できない。

2.送迎用の自動車に、店名やロゴマークの入ったステッカーを貼ることは、可能である。

3.広告の中に、性的な表現やヌード画像が入っていなくても、看板やチラシが人の目に触れていなくとも、「広告宣伝をした」という事実だけで違法になる。

4.派遣型制サービスの経営者が、雑誌から取材を受け、それが記事になった場合は、「宣伝広告をした」には該当しない。

風俗業界一年生
「これはわかりますよ! 2ですよね!」

風俗業界一年生
「ぼくの名案、『デリヘルドライバー広告スペシャル』がもろくも崩れ去ったのを覚えています。」
風俗業界_弁護士
「正解。ちょっと簡単だったかしらね。基本的にデリヘルの広告宣伝手段は下記のふたつよ。」

◆インターネット上で、ホームページを作成して宣伝する。
◆風俗専門誌や風俗紹介サイトに広告出稿する

風俗業界一年生
「あとは自伝を出版することは、宣伝にあたらないんですよね! いつか出したいなー『チン吉直伝! デリヘル経営スーパーメソッド』」
風俗業界_弁護士
「売れると……いいわね」

関連する記事 → どMな風俗業界1年生が学ぶ法律講座~デリヘルの広告宣伝について~

【Q4】風俗店における未成年の雇用について

【問】児童買春・児童ポルノ禁止法の内容について、誤っている選択肢を1つ選びなさい。
1.18歳未満の児童を買春した場合の罰則は、「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」である。

2.この法律の判定に伴い、児童を対象とした売春やそのあっせん、児童をモデルとした性的なビデオ動画や画像の撮影など、旧来の児童福祉法とは別に、新たに処罰されるようになった。

3.この法律において、『性器等』とは、性器と肛門を指す。

4.児童買春や児童ポルノから、18歳未満の児童の権利を守るために1999年に成立した法律である。

風俗業界一年生
3ですね! 『性器等』とは、性器と肛門だけではなく、“うなじ”も含まれますよね!」
風俗業界_弁護士
「問題としては正解だけど、自分の性癖に染まった間違った解釈をしているわね。“うなじ”は『性器等』の解釈に含まれていないわ」
風俗業界_弁護士
「正しくは、性器等と解釈されているのは『性器と肛門又は乳首』よ」
風俗業界一年生
「“うなじ”って『性器等』じゃないんですか!! おったまげーーーー!!!」
風俗業界_弁護士
「ちなみに、18歳未満の子どもをデリヘル嬢として働かせると1年以下の懲役、または100万円以下の罰金が科せられる重大な犯罪よ。面接にやってきたとしても絶対に働かせてはダメよ」

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果たしてチン吉くんは『デリヘル検定』に合格することができるのか!?

デリヘル検定_勉強

自らにムチを入れ、忙しい業務の合間を縫って勉強に励むチン吉くん。
週5で通っていた、大好きな熟女パブを週4に抑え、勉強の時間に当てた。

はたして、試験の結果は!? 『デリヘル検定』に合格することができたのか!?



デリヘル検定_合格

風俗業界一年生
「やりましたよーーーーーー!! ロウ子さん!!!
見事合格することができました」
風俗業界_弁護士
「やったわね! チン吉くん! あれだけ私が教えたのに3問間違えているところがあなたらしいけど……。それでもおめでとう!」
風俗業界一年生
「いやあ、何かこんな立派な賞状をもらえるとすごいうれしいですね。それに日々の業務に自信がついた気がします!」
風俗業界_弁護士
「いいこと言うわね。法律などの仕組みを理解すると、風俗業界でのトラブルを未然に防ぐことはもとより、今後の店舗運営なんかにも役立つときがくるはずよ」
風俗業界一年生
「そうですね! このうれしさを共有するために、熟女パブに行ってきまーす!」
風俗業界_弁護士
「……。」


どMな風俗業界一年生・チン吉くんの今後の活躍をご期待ください!

デリヘル検定

デリヘル検定 (一般社団法人ホワイトハンズ主宰)

「デリヘル検定」とは、デリバリーヘルス(派遣型性サービス)で働く人のための検定です。この検定を受検することで、デリヘルで安全に働くために、最低限必要になる法律や歴史の知識を身に着けることができます。これからデリヘルで働こうと思っている人、現在働いている人、これからデリヘルを開業しようと思っている人は、ぜひ、この検定に挑戦してみてください。
詳しくはこちら ⇒ デリヘル検定

お知らせ

デリヘル検定は、2016年度の受付を終了いたしました。
2017年春~夏以降、「風テラス」(風俗で働く人々を対象とした法律・福祉相談)の事例や、福祉的な観点を含めてリニューアルを予定。さらにパワーアップしてまいりますので、是非ご期待ください!

監修:一般社団法人ホワイトハンズ代表 坂爪真吾 / 徳田玲亜 弁護士

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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一般社団法人ホワイトハンズ様

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