「挫折から学んだ仕事観―“人”、何をおいても人。」 ~シンデレラFCグループ『グランエステ東京』開発者・伊藤龍治さん#2~

2017年06月22日

by赤星 アキラ赤星 アキラ編集長

――連載第2回の今回は、伊藤さんの来歴について紐解きつつ、現在の仕事観を培ったある挫折経験について、語って頂いた。

“人より稼ぎたい”というのがシゴトのモチーフ

これまで割と恵まれてきた人生だなとは思っています。

業界に入る前は一般の企業に勤めていたんですね。その中でも、割と責任ある仕事を任せてもらえたり、いわゆる目立つ位置というのは経験してきました。

実は、当社への転職の動機も、純粋に“人より稼ぎたかった”という、ただただそれだけなんですけども、人の上に立ちたい、人より目立ちたい、人より稼ぎたい、そういう気質は、幼い頃から持っていました。

私、大学を中退して、社会に出ているんです。

大学には入ったんですけど、とにかくアルバイトばかりしていたんですね。思春期の時期とかって、いろいろあるじゃないですか(笑)

そうこうしているうち、父親から、「お金が欲しいって、大学をなおざりにするんだったら、もういっそのこと働いてみればいいじゃないか」って言われたんです。

男同士だからできる会話ってありますよね。母親は猛反対したんですけど、それがきっかけで世の中に出ました。

それで、最初に就職したのは、フィットネスクラブです。もともと水泳の選手をやっていたんですよ。何かやろうと思ったときに、やはり自分の特技が仕事にできれば、ステキじゃないですか(笑)

早く店長になるんだ! 未経験から8ヶ月で掴んだ店長の役職

風俗業界に入ったのは、20代の後半に差し掛かったときです。

当時、早くに結婚もしていたので、ちょっと経済的に苦しかったんですね。それで、昼の仕事が終わった後、夜はデリヘルのドライバーをやっていたんですよ。副業をやって、ちょっと寝て、昼の勤めに出てというというのを半年ぐらい続けていた。

それが20代後半ぐらいだったんですけど、今の収入、どうしようかなと思ったときに、生い立ちからそうですけど、何だったら稼げるかなと思ったのが、風俗業界への転職を考えたキッカケでした。

風俗店の店長って、お金を持っていそうなイメージがあったんですね。それで、自分もなれるかなと思って、妻に相談をして。それで、前職の大手エステグループに入社しました。

転職して最初の頃は、右も左もわからなかったです。

配車という女性を迎えに行ったり、送ったりという業務があるんですですけど、地理もわからない、何一つわからない状態からのスタートでしたね。

でも、慣れるまでは大変でしたが、一回で覚えていくぞとか、稼ぐんだとか、早く店長になるんだとか、そういう意識のもと、毎日過ごしていました。

だから、日々いろいろなものを吸収できたし、そこから培ったものというのも多々あるし。大体入社して3カ月経過するぐらいのときには、もう一通りのことが何でもできるようになっていました。

それで、徐々に充実してきて、面白味が出てきたという流れのなかで、入社から8カ月目に店長の役職に上がったんです。

――日々強い気持ちで業務に取り組み、見事スピード出世を遂げた伊藤さん。しかし、店長就任後すぐ、現在の仕事観を形作ったある挫折経験をしたという。

挫折から学んだ仕事観―やはり“人”、何をおいても人

私、わずか数カ月の間に、男性スタッフを4、5人飛ばしてしまっているんですね。

もともとすごく体育会系というか軍隊気質を持っていて、割とトップダウンで物を落とす人間なんです。仕事というのはこういうものだからという、その一心だけで男性スタッフに当たっていた。

やっぱり、人としてできていなかったんですよ。

店長って、管理職じゃないですか。でも、スタッフの管理ができていなかったんですよね。一緒に働くスタッフの人生を背負っているという感覚もなかったですし、結果としてその方たちの人生を軽視してしまっていた。

何か縁あって一緒の会社にいるんだったら、お互い支え合わなきゃいけないし、大事にし合わないといけない。人に対する接し方が違ったというのは、今思い返しても感じますね。

そこで、自分で気付いてからは、スタッフへの接し方とか運営の仕方とか、パッと変えたんです。

一番は、自分の物差しで物を話さなくなりましたね。

仕事だからやるぞという、自分のスタンスを人に強要しても、自分とまったく同じ考え方や性格の人間だったら成功するかもしれないですけど、違うじゃないですか。

人にはやっぱりそれぞれ個性があるし、いいところもあれば、悪いところもある。じっくり時間をかけることによって、ものすごく光る人もいる。

それをできるだけ自分なりに判断をして、長所を伸ばすようにできるかどうかというところが、ビフォーアフターで一番変えたところですね。

――その後、スタッフの定着と共に、マンパワー向上。店舗は、毎月のように売上記録を更新していったという。伊藤さんは、この経験がベースになり、現在にも通じるある仕事観を持つようになる。

やはり“人”です。何をおいても人。

求人用のブログを書くときも、よく“人”という言葉を出すんですが、女性も人だし、お客様も人、スタッフも人なんですね。風俗の仕事は、特に人と密に関わる仕事です。

人に関わりきるというのが、私の大事にしている仕事観の一つですね。

――最終回の次回は、伊藤さんが『グランエステ東京』を立ち上げるまでの流れを追いつつ、重責と戦うためのヒントと、今後のビジョンについて、語って頂く。

伊藤龍治(いとうりゅうじ)

1988年生まれ。早稲田大学中退後、フィットネスクラブ運営企業を経て、風俗業界に転じる。2016年シンデレラFCグループ入社。現在、エステ事業責任者として、『グランエステ東京』『エステdeシンデレラ』『アロマピュアン』の各ブランドを展開中。生き方として“男の美学”を大事にする。愛読書は、乙武洋匡の『五体不満足』。
『グランエステ東京』:公式サイト

執筆者プロフィール

赤星 アキラ

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元証券マン。リーマンショックを経て、ハタラクとジンセイをひたすら考え続ける。昨春、縁あって風俗業界に転じ、FENIXプロジェクトを企画。Fenixzineを風俗でハタラク男性のプラットフォームにしていきたい。好きな音楽はV2。福岡市出身。

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