超高級風俗店グループを率いる若きリーダーの視線の先にある頂(いただき)とは?~マダム麗奈グループ常務取締役・大城氏♯2~

2017年07月13日

by旅寅旅寅ライター

『マダム麗奈』は風俗業界の中では良い、という見方ではなく、一般企業と同じ、もしくはそれ以上の見方をされる存在にしてゆきたい。

そうなれば、風俗業界の社会的地位の向上にも繋がる筈。

大城氏はこの仕事を始めて以降、自身が風俗業界に身を置いているということを周囲に隠したことがないという。

友人にも、親族にも、もちろん結婚した奥様にもだ。自分が風俗で働くことをまるで「人生の汚点」であるかのように隠す人も多い中、彼が作り上げようとしているものは「業界の誇り」である。

マダム麗奈を唯一無二の高みへと誘い、それを手始めに、身を置いていることを恥じることなく人に言えるような風俗産業を構築する。

そして自身が誇りを持って確立したその新しい風俗業界を、更に昇華させるための苗床となる「最高の組織」こそが、マダム麗奈グループであり、大城氏の目指すべき頂でもある。見据える先は、自身の手が離れた後にまで及んでいた。

次の世代へ。自身の意志を継ぐ、信頼できる後続たちへ――。

いつかそんな完璧な組織が完成するのを見届けたら、俺、あそこの役員だったんだよって言いたいですよね。それが今の自分の原動力かな?

彼が登ろうとしている未踏峰、未踏ルートがいかに険しいか、風俗業界を少しでも知っている者は、誰でも理解できるだろう。

ただ単に見栄えのいい女性を並べ、価格帯が高いお店を構築するのではなく、大城氏は業界イメージを根底から変えてしまうような「本物の高級店」を追求しようとしているのである。

さて、では前章からの続きを始めよう。2008年、電話番として内勤スタッフに加わった大城氏は、以降、紆余曲折と驚異的なステップアップを経て役員となり、2011年、マダム麗奈大阪店の責任者兼支配人に就任することとなった。

以降の話は、ご本人に預けることにしよう。

放たれた矢~託された大阪~

大阪に来るとなった時、多少の不安はありましたよ。市場でいうと「大阪は安くて何ぼ」というイメージはあるじゃないですか?でも、取り組んでみるとそれは杞憂に終わりましたね。

やっぱり分母(人口)に対しての富裕層の数という部分では、東京はサンカク(富裕者層[ピラミッドの頂点の意])が大きい。

でもね、大阪にもきちんとサンカクはあるわけで、私らはそこへとサービスを提供するだけなんです。これは東京や大阪に限った話ではなくて、日本中どこにでも、我々のお客様になってくださるいわゆる富裕層は存在していますから。存在している限り、需要はあり、供給は成り立つわけです。

大阪に赴任した理由ですか?

元々いた責任者が抜けられて私が後任になった形ですが、大阪店は当時、好調とは言い難い状況でしたので、絶対立て直す! と腹を括って赴きました。

そして店に入って気付いた不調の要素を、それこそ片っ端から取り除いていったんです。

まずは事務所。就任した当時はもう典型的な風俗マンションの一室でした。優秀な「人財」もそうじゃない「人材」も一緒くたに採用されていて、全員がタコ部屋みたいな和室の待機所にひしめいていましてね。

まずは入れ物からだとばかりに、今の事務所に移転したわけです。

え?家主さんの許可ですか?

無論、事業内容は「風俗」なわけですから、仲介業者を介して交渉しましたよ。確かに、派遣型風俗店が事務所を借りられるビルやマンションは限られています。

でも、うちは東京店も虎ノ門のオフィスビルです。オフィス街のビルで堂々と事業展開するのが当然のお店ですから。家主さんには、お店のコンセプトと、スタッフや女の子の質や身なりも、全部間違いがないことを説明しました。

「モデル派遣事務所と伝えても他のフロアの人たちは納得します」とまで言い切りましたから(笑)。その辺りは自負の問題ですね。

当初は当然ながら「風俗はNG」なビルだったんですけど、最終的には待機所のフロアも合わせて、使わせていただくことになりました。上も下も他の会社さんが入っていますけど、今のところ問題はゼロですね。

それから次に手を入れたのは、これも従業員や女の子が身を置く環境となる「車」です。送迎の車も当時は軽自動車ばかりだったんですが、大半を高級車に統一してもらうことにしました。

高級店らしく、というのももちろんなんですが、やはり働いてくれている皆のモチベーションに関わってくる部分は、即断、即座に改善するべきだと考えたわけです。

「気は心」とも言いますしね(笑)。

ただね、事務所と送迎車以外、例えばお店のシステム的な部分に関してなどは、ほんと、殆ど手をつけませんでした。

集客に関しても、私自身、最高の女の子たちが継続して働き続けてくれれば、お客様は途切れないというシンプルな考え方なんで、メディア戦略や広告内容も大きくは変えていません。新しくしたのは、それこそホームページくらいかな?

いや、別にね、手を抜いたわけじゃないですよ(笑)

不振を解消するべく、全ての面に対して策を講じても良かったんですがね、私はそこに、大きな問題を見出せなかったんですよ。

私の目は、大阪店の「人」に向いていました。状況を好転させる鍵は、内勤の男性スタッフだと確信していたのです。

(優れた「店」作りとは、優れた「人」作りと同じだ)

その後、すぐに本当の改革、「内勤スタッフ」の意識変革に取り組み始めました。そしてそれこそが、きっと私がこの業界でしたかったことの具現化だったんですね。

一流の追及~「人」を作る~

中身、つまりは「人」のことですが、それが一流じゃないと高級店として成立しないと思うので、もうそこは何の妥協もなく思いきりやらせていただきました。

私は個人的には、「まずは女性よりも、質の高い男性の内勤スタッフ」だと考えています。それがないと、せっかく来てくれた女の子も離れていってしまいますからね。そこから改革を始めたわけですね。

男性スタッフの身なり、言葉遣い、女の子に対するの接し方。

在籍する女性達は「ただの風俗嬢」じゃなく、スタッフよりも遥かに稼げる価値のある存在ですから、やっぱり勘違いな対応をしては話になりません。

とはいえ、正直それは平坦な道ではありませんでした。

風俗業界の内勤の男性スタッフは、経験者にしても、新しく入って来る人にしても、やっぱりまだ他の業界と比べれば、手のかかる人が多い傾向にあります。

そういう人たちに対して意識の底上げをはかるために、この業界の典型的な「タブー」を消滅させる――。

要は男性スタッフへの、女の子との距離感に関してのルールの徹底ですね。はっきり言って、他店よりかなり厳しいと思います。

“必要以上に女性に近づかない” マダム麗奈の一番大きな特徴ですね。例えば一例を挙げれば、LINEなんかを交換したら辞めていただくことになります。

女性が大勢いる業界だろうと何だろうと、決まりは決まり、仕事は仕事ですから、線引きはできて当たり前。

また、面接時などで女性を下着姿にすることはありません。女性の裸を見られるのは、高額な金額を払っていただいたお客様のみです。男性によるセクハラ講習なんてもってのほか。

その辺りの徹底ぶりは万全ですので、不届き者はまず生き残れません。下心を混同したいなら、他所へ行って下さい、ということです。

あとは、女の子に嘘をついたり、上辺だけの言葉を使わないようにすることも徹底させるようにしていますね。

詳しくはまた後ほど触れますが、マダム麗奈の女の子は接客のプロフェッショナルですから、取り繕ったことを口にしたところで絶対バレますので。

言いにくいこと、感じたこと、本当のこと――。

無論礼を失しては話になりませんが、うちで働く男性スタッフには、常にナチュラルでいる姿勢と、ありのままを話せる素直さが必要かもしれません。

いくら女の子を管理する立場になったとしても、この事業の主役は言うまでもなく「女性」なのです。勝てませんよね(笑)

――大阪店を任されて6年、一時は陰りを見せた業績を見事に回復、更に伸長させた大城氏。

一般的な価格帯からすれば、想像を絶するような高級店を、「マケさせてナンボ」の大阪で軌道に乗せたその手腕は見事という他なく、特に

「成功には質の良き人ありき」

というその姿勢のブレのなさは、話を聞いていて清々しいほどだ。

以降、東京店の責任者も兼務し、そちらの業績UPにも成功と、順風満帆なルートで自らに課した「頂」を目指す大城氏。

次回の最終章においては企業人としてではなく、「人間・大城」に迫る。

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大城

1980年、沖縄県出身。10代で上京後、大手パチンコ店勤務を経て、2008年『マダム麗奈』入社。“風俗店ではなく、マダム麗奈。風俗嬢ではなく、麗奈レディ。”というコピーが示す通り、手がけるブランドの社会化をライフワークに掲げる。仕事に求めるレベルのストイックさは、それ自体が“OSHIRO”というブランドといっても過言ではない。
『マダム麗奈』:公式サイト

執筆者プロフィール

旅寅

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大阪在住、43歳のお父さんライター。はてなブログ「夜行性サナトリウム」を2016年より運営。 同ブログ内で発表した複数の記事が、はてなブックマーク総合ランキングで1位を獲得したことにより、はてな有数の「バズライター」として知名度を上げ、本格的に執筆活動を開始。 同年、カクヨムにて発表した「造花」がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。著作に「日向のブライアン」がある。

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