超高級風俗店グループを率いる若きリーダーの視線の先にある頂(いただき)とは?~マダム麗奈グループ常務取締役・大城氏♯3~

2017年07月20日

by旅寅旅寅ライター

この仕事をしていて、何人かの「成功者」の方にお話を伺ったことがある。

それら取材対象になるような方々が、すべて好印象だったかといえば決してそんなことはない。

尊大、傲慢、自信過剰。勘単に言ってしまえば、イケ好かない奴……。そんな経験をしたことがあるからこそ、一抹の不安を覚えていた。

今回の取材は、業界でも最高峰に位置するグループの、若き常務取締役である。私はある程度の覚悟を胸に、このインタビューに挑んだ。

しかし、それは杞憂だった。

インタビュー中、私が「業界の中での淘汰」や、「競争に勝ち、ライバル店がを消滅、高級市場を独占したら」など、少し尖った言葉を使う都度、大城氏はこう言うのだ。

「淘汰という言葉が当てはまるかどうかは分かりませんが……」

「競い合うライバル店を消滅させ、市場を独占……、とまで思っているわけではありませんが」

決して驕らず、謙虚で自然体。力は抜けていても、気は抜いていないという印象。「業界を変える」という未踏峰に挑みつつ、1つ1つの言葉の響きにさえ気配りができる細やかさを持つ男――。

(こういう上司を持ちたいものだ)

インタビューする相手にそんな印象を抱いたのは、大城氏が初めだ。最終回である今回は、そんな彼の人間性が顕著に表れた部分をお送りしたいと思う。

マダム麗奈の財産である、お客様、在籍女性、部下。そして最後には、未踏峰、未踏ルートの先の、ビジョンについて――。

マダム麗奈、驚愕のシステム

マダム麗奈で現在2万人強の会員さんがいらっしゃいますが、皆さん初回に遊ばれる時は、すんなりとはいかないんですよ。

お電話をいただいた新規のお客様の元には、自宅でもホテルでも、先ずは男性のスタッフを派遣します。

問題のありそうな方、泥酔している方などもおられますから、そういう場合はこちらからお断りをさせていただくケースもありますね。ただ、それをクリアしたら遊べるのかといえば、そうではありません。

自宅の場合は屋内を見させていただき、衛生面、あとセキュリティー面のチェックをさせていただきます。ホテルにおいても最近は盗聴や盗撮があるので、枕元に怪しいものがないかを必ずチェック。

それら一連を経て、店側が「このお方は間違いがない」という確信を得れば、初めて、システムや遊び方を説明させていただくのです。そしてそれに納得し、許諾書にサインをして下さった方のみ、会員になっていただく――。

チェックにお付き合いいただくお客様には大変申し訳ないのですが、このプロセスは、うちの女の子の安全面を考慮すれば省略できない類のものです。つまり、「万が一にも危険な目には合わせない」という意思表示とでもいいますかね。

最初に男性スタッフが1度姿を見せるだけでも、その後の女の子の安全度がグンと跳ね上がりますし、不意に差す「魔」への抑止力にもなりますから。

多分、マダム麗奈は日本で1番冷やかしやトラブルの少ないお店だと思います。

それは私に言わせれば、高級店を謳ううちの「当たり前」ですね。働く女性が120%安心できる環境の提供に関しては、今後も妥協するつもりは一切ありません。

え?そのプロセスに怒るお客様はいないのかって?そんな器の小さな方はうちの会員にはなれませんよ(笑)

うちの会員様は、稼ぎも器量も「特大」な人ばかり。

そういう凄い方々が存在しているからこそ、マダム麗奈があるのです。

マダム麗奈のライフライン~宝石たち~

至福の時間をプロデュースするのがまさに「至難」の、五感すべてが肥えた富裕客層に対し、最高の時間を提供し、且つ、リピート意欲さえ抱かせてしまう、マダム麗奈の女性たち。

うちを高級店足らしめているのは、そんな心身共に一流の「宝石たち」なんです。元一流企業のOL、元大学の講師をしていた看護師、会社経営している子……。

要は、高級クラブのママと同等か、それ以上の女性をイメージして下さればいいと思います。外見的な美しさもさることながら、人間性、社会性、知性も兼ね備えた女の子たちは、まさにグループの財産であり、ライフラインなのです。

でもね。とはいっても、私たち経営側は、実際にお客様のもとで接客をする
彼女たちを見ることはできないですからね。

私自身がアンテナを張って見ている部分は「素」の部分。

さりげなく靴を揃えられたり、上着を掛けられたり、あと、ドライバーさんの評判が良かったり、人に優しくできたり……。

LINEの返事1つにしても、事務的なものでなく、一言いつも添えてくるとかね。

やっぱりね、「仕事だから」と意識して「業務用の気遣い」をする子と、それが元々身についている子は全然違います。

心身共に一流といっても、基盤になるのは「ごく当たり前の社会性」ですから。そういう社会性の高い女の子を大切にし続けられるグループでありたいですね。

中には、採用した女の子で仮病を使って簡単に休んでしまうようなことを繰り返した末に、辞めてゆく子もいます。

何せ皆さん、面接は120点の自分で受けますから、そりゃあ本質を見抜けないこともある。

ただね、私が気に留めるのは、そういう常識のない人たちではない。

「調子が悪いのであれば頻繁に休んで下さっても全然構わないんですよ。ただ、今日あなたが急に休むことによって、その裏では私の大切な部下がお客様にお叱りを受け、頭を下げているということだけは、忘れないでいてあげて下さいね」

要はね、組織においての誰かの怠慢は、違う人の「痛み」を産む母体なんですよ。

男性スタッフがそこを理解するのは当たり前ですけど、在籍する女性にもその部分は理解して欲しいですね。

蒼天~マダム麗奈の未来~

――大城氏はプライベートにおいては既婚者だ。まだ2歳に満たない可愛い盛りのお子さんがいる。インタビューも終盤、お店のことばかり話す彼に、少し自身のことも話してもらうことにした。

「リッチ話」ですか?あははは(笑)。

年収?う~ん……4桁ですけど……、億にはまだまだだしなぁ……。

お金は……、欲しいっちゃ欲しいんですが、稼いでも、私自身はあまり物欲がある方でもないし、浪費癖もないんですよ。

え? 最近豪遊したエピソード?家族3人で東京ディズニーシーにあるホテルのスイートルームに2泊したくらいですかね。結構かかりましたよ(笑)。

あ、でもそれもね、いつも尽してくれている嫁を喜ばせたい……っていう感謝の気持ちを込めた企画であって、普段はそんな使い方しないですよ(笑)

金銭感覚って、そんなに劇的に変わるでもないですから。ま、聞いた人の度肝を抜くような年収になったら堂々と言うようにします(笑)

何にせよ、まだまだこれからなんですよ、私も、うちのグループもね。

――そう、大城氏は今、誰も頂を知らない未踏峰の山腹、未踏ルートの半ばにいる。彼がアルパイン・クライミングを休むのは、未知の景色を目にする時だ。その日まで、彼の歩みが止まることはない。

大城氏が驚くほど明確に描いている多くのビジョンをもって、今回の記事を〆ることにしよう。

先日ね、こんな人が面接に来たんです。

「自分は2年前までドイツでバレエダンサーをしていました。その後、MBAを取得しております。今は、有名企業もナイト業界に進出する時代ですが、御社のHPから、そういう大手の雰囲気を感じました。自分の能力を直ぐに活かしたいので、現場業務ではなく直接運営に携わらせてください。大きい仕事がしたいんです」

……お断りさせて頂きました。私は人材の価値は、経歴ではないと思っています。

どんなに華やかな経歴を持っていても、ワイングラス磨きから、事務所の掃除からやる覚悟が無い方に、うちの運営に関わらせるつもりはありません。

責任ある仕事を任せるか、任せないかは働きぶりを見てこちらが決める事ですから。その方の「能力がある自分には下働きは必要ない」という姿勢に、違和感を覚えたのです。

まずは現場から、スタッフや女性やお客様を見る気持ちが無い方には、愛情を持ったアイデアは生まれません。

実際、そのような物差しで人を選んでいると、今いるスタッフはもうほぼ風俗業界未経験者になりました。

ちなみに今の支配人も、入ってまだ数カ月の人間です。

つまりは、ちゃんと社会人として務まる経験と基盤と意欲がある人の「努力に報いる」環境だということ。

ここを更に強化し、「先ずは人ありき」というポリシーを継続し続けます。

そういう組織になれれば、『マダム麗奈』というブランドはもっともっと高みにいけると思っているんです。

まだまだ風俗ってだけで一般的には怖いとか、汚いみたいなイメージがあると思うんです。その社会的地位をもっと上げていきますよ。

うちの店名の由来となった『マダム・クロート』は、あのケネディ大統領も利用していたと本で読んだことがあります。そういう存在になりたいし、目指したいですね。

――風俗業界の社会的地位の向上。大城氏が未踏峰の山頂に到達する日は、今、風俗業界で働く多くの人々が、新しい未来と笑顔に辿り着く日でもある。頂の上の空は、きっと晴れ渡った蒼天であろう。

少年だった大城道郎氏が見上げた、沖縄の海や空よりも、もっともっと突き抜けるような蒼穹の空――。マダム麗奈のスタッフや女性たちが彼と一緒にその空を見上げる日が来たら、その時はまた、その記事を書いてみたいものである。(了)

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大城

1980年、沖縄県出身。10代で上京後、大手パチンコ店勤務を経て、2008年『マダム麗奈』入社。“風俗店ではなく、マダム麗奈。風俗嬢ではなく、麗奈レディ。”というコピーが示す通り、手がけるブランドの社会化をライフワークに掲げる。仕事に求めるレベルのストイックさは、それ自体が“OSHIRO”というブランドといっても過言ではない。

『マダム麗奈』:公式サイト

執筆者プロフィール

旅寅

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大阪在住、43歳のお父さんライター。はてなブログ「夜行性サナトリウム」を2016年より運営。 同ブログ内で発表した複数の記事が、はてなブックマーク総合ランキングで1位を獲得したことにより、はてな有数の「バズライター」として知名度を上げ、本格的に執筆活動を開始。 同年、カクヨムにて発表した「造花」がカクヨムエッセイコンテストの最終選考に残るなど、精力的に活動中。著作に「日向のブライアン」がある。

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