「風俗業界から新しいカルチャーを生み出したい」 ~『kaku-butsu』の真髄教えます・金丸伸吾 代表#3~

2017年08月16日

by新海 亨新海 亨編集長

――もとは『kaku-butsu』の調査団員のひとりだった金丸代表。以前はフリーのコンサルタントとして活動していたが、なぜコンサルタントの職を投げ打ってこの世界にやってきたのか。

アダルト業界に新しいカルチャーを打ち立てたいという、将来の希望について伺った。

風俗の世界にも「恵比寿マスカッツ」のようなスターが必要

やっぱりこの業界にスターが必要だと思っています。

料金がべらぼうに高くてもいいんですよ。「スターの料金がバカ高い」という状態を作りたいんです。

風俗ってどうしても時間給で、そこの上下はあまりないじゃないですか。キャバクラみたいに時間内にシャンパン入れてくれたらいくら、ということがない。結局女性の単価を上げていくしか道がないんです。

その単価のすごく高い子、つまり、スターを作りたい。「うちのお店には実は芸能人が在籍しています」、みたいな話はあるかもしれないけど、表立っては言えないですよね。

それってやっぱりスターが存在しないということがすごく大きくて。これまで、有名なAV女優が在籍している店舗というのはありましたが、そうじゃなくて風俗の世界からスターになる子が生まれて、彼女の予約は半年先まで埋まっているとか。

それこそ『kaku-butsu』のプレミアム会員の中でもトップの人しか入れないとか、そのくらいのスターを作りたいですよね。シンボリックな存在としてのスターが業界を牽引していく。

その成功例がAV業界でいう「恵比寿マスカッツ」みたいな存在なんですけど、あそこまでどう持っていくかですよね。アイドルグループを作るとか、やり方はいろいろあるでしょうけど。

世間の注目が集まる存在を作っていきたいですよ。風俗を利用する人はもちろん、しない人にも認知してもらえるような。

そういう人が生まれやすい土台というか、ベースを『kaku-butsu』が作っていきたいと思っています。

そうなれば、今よりもっと風俗業界が盛り上がることは間違いないですから。

アダルト業界はノーガードの殴り合いができる世界(笑)

――最後に人間、金丸伸吾について語っていただいた。

ずっとフリーでコンサルタントの仕事をしてきた中で、ビジネスとしてエロ業界というのは非常に面白いだろうなと前から思っていたんですよ。

表現が合っているかどうかは微妙なところなんですけど、他の業界と比べてノーガードの殴り合いができるだろうなと(笑)。

それはプロモーションとかマーケティングとか、それ以外の経営戦略上のところでも。

実は、私が今こういう立場にいるのは、『kaku-butsu』の調査団員募集に応募したのが始まりなんです。そこから段々と企画とかに携わらせてもらっていった感じなんです。

やってみる価値があるだろうと。しかもSODという資金力のある会社が新規にスタートするということだったので、これは多分デカくできるなという自信がありました。

僕は瞬間的なブームではない、カルチャーを作りたいんです。

今は他のコンサルの仕事はほとんどできなくなりましたね(笑)。他の仕事を抑えてまで『kaku-butsu』を続けているのは、この“カルチャーを作りたい”、という思いがあるからなんです。

風俗やエロに限らず、ブームは作ることはできるんですよ。でも、カルチャーを作るのはすごく難しい仕事だと思うんです。だから僕はカルチャーを作りたい。

それができるのは、本当にタイミングだったり、メンバーだったり、潮の流れみたいなものが影響するので難しいのはわかってます。

ここでいうカルチャーとは、最初にお話したとおり「風俗業界がまっとうなビジネスである」というカルチャーのことです。

今までのように、「ダマした」とか「ダマされた」とかのネガティブなイメージが払拭された業界。健全に良いものは良いとみんながわかる。そういうカルチャーを作り上げたい。

そのための調査機関として、我々の『kaku-butsu』があって、業界健全化というものを進めていきたいと思っています。

あとはまあ、風俗が好きなんですよ、なんだかんだで(笑)。

女の子が好きなのは当然のことですし、いい子が多いですよね。風俗の女の子の最大の素晴らしさは、人の痛みを理解していることだと思うんです。

自分がなんかしらの痛みを経験して生きている子じゃないと、多分ここには入ってこないと思うので。疲れているときとか、嫌なことがあったときとか、辛いときとか、そういうネガティブなときに痛みを知っている女の子たちが接してくれるとすごく癒されたりする。

そういう意味ではポテンシャルの非常に高い女性たちなんですが、中にはそれに気付かずに自己評価が低いままの子もいる。

それは、非常にもったいないと思っています。だから彼女たちがより高いフィールドで、より自分に自信を持ちながら、一瞬でもこの世界に入って、卒業するなら卒業していけばいい。

もし、ここに骨を埋めるなら、骨を埋める形で生きていけるような世界になれば、この業界はもっと素晴らしくなるかなと思っています。

――もとは『kaku-butsu』のひとりの調査団員として、この世界でのキャリアをスタートさせた金丸代表。

その魅力に見せられた彼は、他に例をみないキャストの“格付け”サイトを作り上げた。

そんな金丸代表が目指すのは「風俗業界におけるシンボリックな存在の誕生」と「安心して遊べるというカルチャー」。

この2つを成し得るために、日々奮闘している。それは一朝一夕でできることではないが、決して不可能なことではない。

関西進出やソープへの調査開始。さらには、業界最大級のユーザー参加型イベント『ガールズコレクション』を開催するなど、成長を止めない『kaku-butsu』、そして金丸代表の今後に注目していきたい。

はじめから読む>>「風俗はすでにマニアックな趣味となっている」~『kaku-butsu』の真髄教えます 金丸伸吾代表#1~

金丸 伸吾

1981年生まれ。五反田生まれ。新大久保育ち。大手企業のコンサルティングを勤め、多くの企業経営改善に携わる。2012年の『kaku-butsu』発足当初から調査団員として企画に参加。その後、運営や媒体戦略に携わり、現在は代表として、風俗業界の“健全化”と“新しいカルチャー確立”のために尽力する。好きになタイプは身長163cmの女性。尊敬する人物は高橋がなりとウィンストン・チャーチル。『kaku-butsu』:公式サイト

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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