遊び方、男の磨き方を伝えたい! 風俗情報媒体の“未来” ~『俺の旅』生駒 明×『kaku-butsu』岩清水 大河 編集長対談#3~

2017年09月07日

by赤星 アキラ赤星 アキラ編集者

『俺の旅』生駒編集長と『kaku-butsu』岩清水編集長による対談企画の最終回。

オフラインの風俗ツアーから、未来におけるAIアプリの開発、風俗と男の魅力の関係まで、存分に語り倒してもらった。

カタログではなく、教養としても面白い媒体をつくりたい


赤星:風俗の情報媒体って、ユーザーとお店ないしはキャストさんをマッチングさせることが第一の目的としてありますが、『俺の旅』も『kaku-butsu』も、それ以外の企画も面白いですよね。

生駒:『俺の旅』にかわいい女の子を載せて、それを見た人がお店に遊びにいくという流れはありますけれど、それ以外にもマンガで風俗の仕組みをわかりやすく学ぶとか、風俗を学問としてとらえて奥の深さを紹介したり。教養書にもなるという雑誌を目指しています。

今までの風俗雑誌は、風俗広告誌、カタログだったんですね。つまり女の子とお店の広告がたくさん載っている。

それは1つのジャンルとしてありですが、『俺の旅』は読み手の知的レベルを高めるという意味で、教養書、啓蒙書の役割も出していきたいなと。そういう本は少ないですから。

赤星:おっしゃるとおりですね。

生駒:だから編集長の私としては、常に学問が欠かせないと。自分が学ばないでどうするんだよという話です(笑)。広い視野を持つことですね。現場に出ること、人に会うこと、これらは欠かせないですね。

赤星:遊び方の提案も媒体の大事なポイントだと思うんですよ。『俺の旅web』では編集長ブログを書かれているし、グルメ特集もありますよね。札幌のススキノに行ってうまいラーメンとか、定食とか、中洲でうまい肉とか、もつ鍋を食べて、遊ぶんですよね。旅をして、ご当地のうまいものを食べて、いい女を抱くみたいな遊び方を提案する。だから『俺の旅』なんですよね。

一方で『kaku-butsu』は、みんな気になるんだけどできないこと、本気でバカをするというスタンスですよね。

岩清水:実は『俺の旅』にインスパイアされている部分も少なからずあります。『kaku-butsu』でも「余韻飯」というコーナーがありまして、風俗を楽しんだ後に、その余韻に浸りながらご飯を食べるというグルメ企画。割と人気なんですよ。

赤星:風俗の「後」なんですね。

岩清水:一応、「後」でやっています。『kaku-butsu』も関東だけでなく関西方面の情報を載せるようにしましたけど、やっぱり『俺の旅』のいいところは全国を対象にしているところ。これ見ながら僕も、「ああ、大阪行きたいなあ」とか思いますもん。

編集長といっしょに風俗に行って、食事も楽しめるツアー?

赤星:リアルでイベントを企画したら面白そうですねた。とえば、東京の五反田でうまい飯を食べて、お店にみんなで行くとか。

岩清水:実はすでに「編集長と行くどこどこの旅」とか、風俗の後に居酒屋で反省会をするみたいなイベントもやっています(笑)。

赤星:遊びの提案もそうなんですけど、『kaku-butsu』では調査団員になるための講習をオープンにしましたね。

岩清水:はい、必須の8時間講習ですね。それを受けないと、団員になれないという。

赤星:それも解放されていますよね。

岩清水:無料で誰でも受けられます。団員になれない方が99%という狭き門ですが、未だに「適当にやっているんだろう」という誤解もあるので、うちのシステムをわかってもらうだけでも価値があるかなと。

赤星:風俗って、男と女、人間と人間ありきの商売ですよね。コミュニケーションの精度、品質によって、同じ金額でもサービスが大きく変わるはずなんですよね。女の子とのコミュニケーションの取り方を身につけることで、遊び方が広がり、満足度も上がる。媒体の大事な1つの機能であるとういことは、両媒体を拝見していて思いますよね。

岩清水:風俗とか大人の遊びって、大人になっても楽しい青春ですよね。友達と行くのも楽しいし、旅をするのも楽しいし、とりあえずジジイになっても楽しいものですよね。遠足ですね、大人の遠足(笑)。

赤星:人生を豊かにするというか。

生駒:やっぱりときめきますよ。

赤星:私、生駒編集長と岩清水編集長のツアーに参加したいですね(笑)。いっしょに食事に行けるなんて豪華ですよね。

生駒:そういうハガキはいっぱい来ています。

岩清水:生駒編集長と行きたい人はたくさんいると思いますよ。

赤星:ここにもマネタイズの可能性があるかもしれませんね(笑)。

未来の風俗情報媒体! AIを使っておすすめのお店をレコメンド


赤星:未来の風俗情報媒体の1つの形として、AIアプリ的なものがあるかと思います。たとえば新橋のサラリーマンが山手線で帰宅をするとき、五反田でよく風俗に通っているとします。

「給料日が近づくと風俗に行く」という行動パターンがあれば、AIが学習して、自分の性癖もアプリに入っていて、その性癖に見合った五反田の15,000円~20,000円の価格帯で、今すぐ遊べる女の子がどんどんレコメンドされてくるという。

岩清水:まさにそれは『kaku-butsu』が取り組んでいるところですね! ムラムラスイッチみたいなものを考えています(笑)。

生駒:なるほど、おもしろいですね(笑)。

岩清水:オンにすると、たとえば新宿にいるなら「あなたはこれぐらいの価格帯のこういう感じの女の子が好きでしょう?」とレコメンドしてきて、「今空いている女の子はこの子です」という情報が届くような形にまで持って行きたいと思っています。

AI化はこれから進めていきます。『kaku-butsu』は常に新しくいないと『kaku-butsu』らしくないので、形はどんどん変わっていくものだと思っています。

生駒:一方で、そのAIについていけない人がいっぱいいるんですよ。勢いでお店に入っちゃう人とか、その辺の情報に疎い人とか。ウェブに触れたことがない人が地方にはたくさんいるんですよ。その人たちのニーズに応えたいですね。

赤星:地方はそうですね。東京の感覚と違いますね。

生駒:そう、違うんですよ、感覚が。AIまで行くとついていけない人がいる。僕らの業界でさえいると思うんですね。アナログの雑誌はやっぱりこれからも残るでしょう。

風俗は「男の魅力」を引き上げる遊び


赤星:風俗業界の1つの課題として、ゆとり世代以下の若い子たちの草食化とか、セックスレス化とか、あるいはVR(バーチャルリアリティ)なんかも出てきて、生身の女性を抱くことに対するモチベーションがどんどん低下していますよね。

これって業界として危機的な流れだと思うんですが、そういう人たちに風俗の楽しさを伝えるとか、業界を盛り上げるとか、そういった視点での見解やコメントをお願いします。

生駒:うちは若者を応援していまして、基本的に若者の辛さというのはよくわかるんですよね、私個人として。

お金が回らない、就職先もないと。自分がそうだったからよくわかるんですけど、どこにでもチャンスはあるし、いつの時代も大変だし、やりようによっては残っていけると、読者に伝えたいですね。
時代のせいにせず、自分の力で自分の運命を切り開いていくと。それは必ずできます。

赤星:ちょっと前の岩清水さんのように、風俗で遊ぶという選択肢を持っていない若者にもコメントをお願いします。

生駒:『俺の旅』は、風俗に行かない人が読んでも面白い本です。実際、行ったことがない人がけっこう買ってくれているんです。

女の子が読んでも面白い。その辺を目指しまして、読んで風俗にいきたくなったという人も多いんですね。

赤星:実際の読者層としてはアッパーな世代の方が多いという話ですけど、若者にも読んでほしいですよね。

生駒:いろんな生き方があって、幸せもいろいろなんだということも紹介したいですね。結婚して、子供を作るのが普通で、それ以外は全部不幸みたいな型にハマった思考ではなく、いろんな世界があることを伝えたい。

岩清水:本来、風俗って知的レベルの高い遊びだと思うんですよ。女の子に横暴な態度で接するって、もう「終わっている」んです。

それはやっぱり男としてのスキルのなさ。そんな男はモテないし、いいサービスも受けられない。最初に出会ったときに、まず愛想をよくして、ちゃんと靴をそろえて、っていうちょっとしたことで女の子の印象が変わって、サービスがよくなることもあるんです。

それができる男こそ仕事もできるし、男としての魅力も高いんです。男の魅力を上げるということでも、風俗はやっぱり役立つというか、勉強になりますよね!

生駒:まさに自分磨きですね。風俗に行けば行くほど汚れるどころか、行けば行くほど洗われるみたいな(笑)。

世の中にはきれいなところもあれば、汚いところもある。清濁あわせのむのも度量だと思うし、器量だと思うんですね。やっぱりそういったものを受け入れることが大事ですね。

媒体も風俗店も、やっぱり大事なのは「質」


赤星:では最後に、業界を盛り上げるという切り口でコメントをお願いします。

岩清水:『kaku-butsu』はいい女の子だけ紹介しているんですけど、本当に人生のことを考えると、ダメな女の子も抱いた方がいいんですよ。結局、最終的には男の器が広がりますよね。

ダメな女の子相手にいちいちイライラしていたら、やっていけないじゃないですか。

僕は風俗行くようになって男としての器が広がりました。風俗には1回は行った方がいいよ、ということは伝えたいですね。『kaku-butsu』で面白いことをするというのは、その入り口なんです。

ただマニアックに、風俗が好きな人だけのために情報を伝えていては裾野が広がらないですから。ちょっとした好奇心で入り口は広がるものだと思うので、その入り口作りを続けていきます。

『kaku-butsu』は、好奇心から始まる成長を意識しています。そのパイオニアがやっぱり『俺の旅』だと思うんです。僕は読者として。

生駒:最終的に大事なのは風俗媒体もお店も質を上げること。これが第一ですね。

赤星:シンプルですね、ものすごく。

生駒:本質ですよ。結局そこなんです。どんなに不景気だろうが、時代がマイナスだろうが、いい女の子、いいお店だったら、お客さんは来ますから。

出版業界も同じで、どんなに不景気だといわれても、いい本は売れますし、ベストセラーがありますから。結局、大事なのは本質。

赤星:環境のせいにするのではなくて、ユーザーが求めていることを愚直に誠実にやっていくことなんだと。それがやっぱり業界が盛り上がる一番の近道ということですね。

生駒:もう一度原点に返りましょうと。

岩清水:本当に大事なことですね。

赤星:お二人のお話、とても勉強になりました。本日はお忙しいところありがとうございました!

生駒明

生駒 明

1973年生まれ。新潟大学人文学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、ミリオン出版入社。編集長として10年以上『俺の旅』をトップレベルの情報誌として世に出し続ける。近年は業界活動も積極化させており、2016年3月には「セックスワークサミット」にも登壇した。
編集長ブログを連日更新中 『俺の旅web』こちらも是非。

岩清水

岩清水 大河

19◯◯年生まれ。テレビやラジオの放送作家として活躍。『kaku-butsu』発足当初からkaku-butsuに掲載されるニュース系の記事を一手に担う。もともとは風俗ノンユーザーであったが、ユーザーと一緒に風俗へイク企画を主催するほどに。(サンプル的text)『kaku-butsu』

執筆者プロフィール

赤星 アキラ

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元証券マン。リーマンショックを経て、ハタラクとジンセイをひたすら考え続ける。2015年春、縁あって風俗業界に転じ、FENIXプロジェクトを企画。Fenixzineを風俗でハタラク男性のプラットフォームにしていきたい。好きな音楽はV2。福岡市出身。

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