「ワンマンとの決別! おもてなしの心を生むマネジメントとは」 ~スターグループ『ノーハンドで楽しませる人妻』井上店長~

2018年05月06日

by赤星 アキラ赤星 アキラ編集部

――年度初め、世の中は新しい気持ちで溢れている。新しい会社、新しいシゴト、新しいジンセイ。そんななかふと思い返す。“風俗でハタラク”を選んだあのときの夢、目標、なりたかったジブンを――。

新年度・最初のシリーズは、ジンセイのいろいろを経て風俗業界に辿りつき、いまは“スター店長”として活躍する若手ホープに光を当てる。どん底を経て這い上がり、いま輝けているその理由とは――。

連載第一回目にご登場頂くのは、スターグループ『ノーハンドで楽しませる人妻』の井上店長(33)だ。井上さんはこれまで、東京・渋谷店を皮切りに、5店舗の店長を歴任。低迷していた店舗のV字回復を成功させるグループの「再生請負人」として活躍する。

『Fenixzine』新海は急遽、取材のため大阪へと直行した。

再発覚した父の大借金……。これが僕のどん底だった


僕、中学を卒業して15のときから働いているんです。実は父の借金が結構あって……。それで建築系の会社を皮切りに、いろいろやってきました。

最初に風俗で働いたのは21歳のときですね。上京してたんですけど、お金が尽きちゃって、関西に帰る電車賃を稼ごうって入ったのがピンサロのお店だったんです。

お店は結構楽しくて7年ぐらいいたんですけど、でもずっと心のどっかで、父に言えない仕事だっていうのがあったんですよ。

それで思い切って辞めて、前職は家電量販店の販売員をしていたんです。ちょっとアレですけど、おじいちゃん相手に、「動画見ますか?」って、スペックの高いパソコンを売ったりして(汗)

そんなとき、実はまた父の借金が発覚したんですよ! 実家にウン百万ほどあると……(笑)

街金なので、利息ばっかり返って、元金が全然減らないっていう前と同じパターンのやつでした。一度は僕が返し終えてたんですけど、またかと(笑)

そんなもうガーン! ってなっているタイミングで、知人からいまの会社をご紹介頂いて。それで、もう稼がないといけないし、じゃあやろう! って。

これが僕のどん底からのスタートです(笑)

焦点はいかに“おもてなし”の質を上げられるか

東京の池袋で社員になって、五反田で副店長になったんですよ。それから、渋谷で店長です。そのあと、新宿→品川→横浜ときて、関西に戻っていまここ(梅田)ですね。

もう今は年収も1,000万近いので、父の借金ももうすぐ返せるってところまで来ました(笑)

僕の店舗運営ですけど、風俗って女性がいるからこそ成り立つじゃないですか。でも、そこからのプラスαがないと生き残れないっていうのもまた現実だと思うんです。

じゃあ、そのプラスαが何なのかって考えると、女性がお客様に対してどれだけプレイの質を上げられるかが焦点なんですよ。『ノーハンドで楽しませる人妻』って、わかりやすく言うと奉仕、“おもてなし”なんですけど、そこの質を高いところでやるっていうことですね。

そうなると、お仕事の考え方とか、プレイの内容を女性にしっかり浸透させていくために、やるべきことって一つしかなくて。女性とのコミニュケーション、女性との信頼づくりですね。

風俗でハタラク女性って、何かしら問題を抱えているひとが大半なので、自分が出来る範囲になりますけど、その問題を解決出来るように提案して、不安を取り除いて、お仕事に集中してもらえる環境を常に作り上げていくってことですね。

例えば講習だと、動画もあるんですけど、僕は自分で口頭だけの講習をするようにしているんです。やっぱり動画だけだと、その女性が一番心配してるところが解消されないんですよ。

でも、一緒に話をしながら講習をしていくと、一人ひとりに合わせて不安を取り除くことが出来るんですね。「こうなったらどうするんですか」とか、「ネガティブなことになったときどう対応するんですか」とか、聞いてもらえるので。

あとはアフターケアですよね。

じゃあ、女性が接客から帰ってきて、ちょっと様子が違ったりとかすると、みんなのいる待機所で話すんじゃなくて、ちょっと呼び出して、個室でちゃんと一対一で話したりとか。とにかく一人ひとりとじっくり話をするっていうところがイチバンなんです。

放任主義だから逆に「スタッフの受付力」が上がる

次に大事なのは、女性からしたら稼いでナンボなんで、稼いでもらうってことですね。母子家庭の女性も居ますし、死活問題になってくるところなので。

そこで大事になるのが、スタッフの受付です。落とすものは落としちゃいますけど、基本落とさないというか。ここはスタッフを教育するところですね。

うちの場合、事務所がオープンスペースになっていて、待機場のすぐ後ろに受付があるんですね。だから、スタッフがお客様に何を話しているのか、女性に全部聞こえるんです。わざとそうしているんですけど。

女性からすると、他の女性が動いているのに自分が動いていないと、「私、ハブられてるんじゃないかな」とか、不安な気持ちにさせてしまいますよね。それに、自分がどういうふうにオススメされているのか、ちゃんと分かったほうが安心というのもあります。

ここからが、女性との信頼づくりの話に繋がるんですけど、結局何かっていうと、受付で成約出来るかなんですよ。もうスタッフの誰が成約させているかってわかりますし、その成約したものを女性のところに行って「○○さん、お仕事です」って伝えるので。

じゃあスタッフの教育はって話なんですけど、基本的に僕は放任主義なので、まずは出来なくても一回メインでやってもらうんですよ、1週間。そうしたら2週間ぐらいは受付はサブでそれ以外の仕事をしてもらって、間を空けるんですよね。

そうすると、「ああこういうトークで女性をアピールするんだな」っていうのが、結構落ち着いて聞けるんですよね。で、次にまたメインをさせるんです。そしたら不思議と、出来るんですよね。そしたら、女性からも信頼されていくっていう(笑)

このやり方でたくさんのスタッフが出来るようになっていったので、これもう成功パターンだって思ってやっています(笑)

ワンマンとの決別! おもてなしの心を生むマネジメントとは


実はまだ店長としての経験が浅かった頃、今に繋がる失敗をしたことがあるんです。

あるとき、ひとりの女性が「辞めたい」って言ってきたんですね。

それで、辞めたい理由を聞いてみると、「家庭の事情です」って言うんです。でも僕は、事情が事情だったので、必死に止めることもしないで、すんなり受け入れてしまったんですよ。

でも、それを聞いたスタッフの一人が、「自分も話してみていいですか」って言ってきて、一時間ほどその女性と話し込んだんですね。そうしたら、その女性は、「大丈夫です。また頑張ります」って言うんですよ!

僕はもう、本当に訳が分からず状態だったんですけど、そのスタッフが勇気を出して言ってきてくれたんですよ。「店長が威圧的で話をしづらいし、話したいことも話せないとのことでした」って。

そこで僕は気付いたんですね……。

自分では全く意識せずに話していたものが、お店の空気を威圧的なものにしてしまって、女性を知らぬ間に追い込んでしまっていたんだって。

その時の僕は、店長として完全にワンマンだったんです。思い返すと、その余裕のなさが、言葉とか態度とかに出てしまっていたんでしょうね。

勇気を出して名乗り出てきてくれたそのスタッフには、本当に感謝です。

それからはもう基本的に放任主義というか、あまり上下関係にこだわらないようにして、スタッフに任せるようにしたんですよ。そうしたら、スタッフ全員が自発的になって、女性もいついてくれやすくなりましたね。

僕も女性とのコミュニケーションに充てられる時間が増えましたし。

お客様へのおもてなしの心だったり、女性との信頼づくりって、店長が苛立っていたらゼッタイ生まれませんよね。ものすごくこのときの経験はいまに活きています。

オヤジって凄かったんだなって、店長になったからわかった

これからのことですね……。

僕はどんどん店舗を動いていきたい人なので、スタッフ教育に力を入れていますね。僕がどかないと、そこにスタッフが上がれないというのもありますし。なので、スタッフに言うんですよ。僕はすぐにどきますって。

そうすると、これまでの店舗もそうですけど、そこからどんどん次の人が店長になっていくんですよ。どんどんどんどん。そうやって僕、全国いろんなところを移動していきたいんですよね。飽きっぽいっていうのもあるので(笑)

あとは僕、あまり会社のなかで上がりたいとか給料上げたいとかは考えていなくて、どちらかというと実家のことが頭にあるんです。

実は僕の父って和食屋さんをやっているんですけど、やっぱりもう70歳近いので、僕が父の借金を返し終えたら、弟にそのお金を仕送りして、継いでいって欲しいと思っているんですよ。

弟はいま家族もいるので別の仕事をしているんですけど、本当は料理が好きで、自分の給料が確保できるんだったら家業をやりたいって気持ちでいるんです。

なので、僕がそこを出してあげたいって。

僕、自分も含めた4人兄弟を育て上げた父を尊敬しているんです。

これは今の会社に入って、店長を経験させてもらって気付いたことなんですけど、どれだけ売上を立てて回していくことが大変かっていうことが、身に染みて分かったんですね。まして父は、地方のお客さんも多くはないところでやってきていて。

ああ、オヤジ凄かったんだなって……。

だから来年には、父にはゆっくりしてもらって、弟に頑張ってもらえるような感じに出来ればって思っているんです。いまはそんな感じですね(笑)

(インタビュー:新海亨)

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執筆者プロフィール

赤星 アキラ

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元証券マン。リーマンショックを経て、ハタラクとジンセイをひたすら考え続ける。2015年春、縁あって風俗業界に転じ、FENIXプロジェクトを企画。Fenixzineを風俗でハタラク男性のプラットフォームにしていきたい。好きな音楽はV2。福岡市出身。

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