「自己責任でどうぞ! チャンスがゴロゴロ転がっているのが風俗業界」 ~デッドボールグループ総監督・篠原政見のリアリズム#4~

2016年09月05日

by赤星 アキラ赤星 アキラ編集長
総監督_aikyati

――連載最終回は、成功するための運の考え方と今後の目標、『Fenixzine』読者へのメッセージを語ってもらった。

ラッキーを呼び寄せる環境・ラッキーに気付ける感性

他人が見てラッキーだなって見えるところって、実はその人が作り上げたものなんです。それを見過ごしてる人は、一生成功できないと思います。

よくデキない人って、「あいつラッキーだな」って言いたがるじゃないですか。それは、現実から目を背けてしまってるんだと思います。ラッキーを呼び寄せる環境を作ることが、一番経営者として大事なんです。

呼び寄せ方は、私は地道な努力だと思います。

やることやって、手を尽くしたと思ってからのもうひと踏ん張り。地道な努力と汗をかくことを避けない姿勢。

それでも報われないことのほうが大半ですけど。10アクションを起こして、ひとつか、ふたつ当たりが出れば大成功ですよ。

あとはやりっぱなしではなく、必ずP(プラン)D(ドゥー)C(チェック)A(アクト)のサイクルで自分の仕事を追っていく。そこで、そのやり方を続けるのか、再構築するのか、止めるのかのを判断する。

一度決めたやり方でも、うまくいかないときは、プライドとかすべて捨て去って違う方向性を探る。

一度言ったことを変えるって恥ずかしいかもしれないけど、うまくいかなかったなら、それを認めて恥をかく。私のこの7年間なんて恥のかきっぱなしですよ!!

人にバカだと言われても自分の思い描く最終的な目標を達成するためなら、その過程でバカにされることなんて小さいことだと思います。「最後は見返してやる」って思いで、今も続けています。それを続けて初めてラッキーが舞い込んでくると思います。

あとはラッキーが舞い込んだときに気付く感性ですね。

総監督

例えば、たまたまうまくいったから言うけど、坂爪さんが『デッドボール』を批判しているのをTwitterで見つけて、「この人に会ってみようかな」って思う感性ですかね。

会って話したら、目指すところは違えど、互いの思惑や目標から妥協点を見い出せる。批判されて、「こいつ嫌い!」で終わらないことですよね。なにかしら可能性があるかもしれないから。

これも私が「本を出したい」とTwitterで言って、実際に出版までこぎ着けて、坂爪さんがその本を読んだから、この流れができたと思っています。どれかひとつでも欠けてたら、今の『風テラス』も存在しません。

私が福祉的な視点で女性を見ることもなければ、社会派路線なんて想像もできなかったことで、この方向性でマスコミに好意的に捉えられることもなかったでしょう。

以前勤めた会社の代表からは、すごい影響受けてますよ。顔も見たことありませんが(笑)。

今の自分の仕事への姿勢は、その方の影響が大きいですね。ちなみにその会社ですが、働いている当時は大嫌いでした(笑)。しかし、今となってはものすごく感謝してます。

あ、まねしすぎると『デッドボール』の従業員が、お店のことを嫌いになるから、ほどほどにしよっと(爆)。

今後の目標と新ブランド出店に見る意外な戦略

売上を増やすってことですよね。売上を増やして、個人の収入も上げて。やっぱり、数字で目標を立ててますよ。

金銭的な欲って、到達がないと思ってるんですよ。最初は1,000万円欲しいなと思って、実際手にすると、あんまり大したことねえなって思う。

次は3,000万円。けど、3,000万円に到達したら税金で持っていかれて大して残らない。次は5,000万円、1億円を目指そうかってなってくると思うんで。

でも、10年後には仕事辞めたいな。52~3歳で仕事を辞めて、プラプラしていたいです。特に仕事が好きなわけではないし、もしかしたら辞めるために仕事をしているのかもしれない。

そのために、まずは会社を存続させること。さらに言うと、10年後にもっと成長した会社にして、後輩に引き継げる環境を作ることが長期的な目標かな。

風俗店というだけで疑いの目を向けられがちなので、法令順守とか納税の義務を果たすとか、基本的部分も大切にしながら。

ちなみに昨年の税務調査で、普通の会社でも難しいと言われる“是認通知書”をもらうことができました。その辺りのまじめさは、『デッドボール』の伝統となるようやってきたいです。

(2016年2月オープンの新ブランド『性感アロマ回春マッサージ池袋』について)

『回春性感マッサージ倶楽部』さんっていう、全国展開しているお店があるんです。「あそこ、すごいな」って思って、始めようと。

第一人者なんて、そうそうなれないですよ。うまくいっているところをまねするのが、一番得策なんじゃないかなと私は思っていて。そこは恥ずかしいとか、なにもなく。世の中、全部まねですからね。

液晶テレビが出たら、こぞって液晶テレビを出しますし、4Kテレビが出たら、こぞって4Kテレビを出す。「うまくいってんな、流行っているな」って思ったら、そのノウハウをまねするのは間違いではないと思いますよ。

でも、まだ『性感アロマ回春マッサージ池袋』は、まったく上手くいってませんよ。パクり方が中途半端なんでしょうね(笑)。まねが一番手っ取り早くても劣化コピーではうまくいくはずないですよね!!

性感アロマ回春

――これまで業界の「常識」を覆す独自色の強いやり方で成功してきた篠原さん。

しかし、今後のやり方として語られたのは、意外にも“フォロワー”として確実に利益を上げていく戦略だった。『デッドボール』の基盤が強固だからこそ採れる選択肢。

ここにも透徹したリアリズムが貫かれている。

チャンスがゴロゴロ転がっているのが風俗業界

総監督

風俗って、お金をもうけるチャンスがゴロゴロ転がってるんです。

  • お金をもうけたい
  • 自分に自信がある
  • 今の労力を会社が評価してくれないと思う

そういう人は、風俗業界に来ればいいと思いますよ、自己責任で。

でも、今の会社に不満を抱いてたとしても、周りが評価してくれないと思ってる人は、もう一度冷静に自分を見つめる必要がありますけどね。大半の場合、“本人の甘さ”がうまくいかない原因ですから。

それでも自信があるのならお話しすると、一般社会では大したことなくても、この世界ではかなりチャンスがあると思います。

例えば、『風テラス』がいい例だと思います。“まじめそうな学生”が席を譲っても、普通じゃないですか。でも、“悪そうなやつ”が席を譲ったら、感動を呼ぶじゃないですか。それと同じだと思うんですよ。

『風テラス』なんてね。福祉の人が何万人って普通にやってることを、風俗業界の私がちょっとやるだけで、あんなにニュースになる。

そういう世界なので、やはりチャンスは多いと思います。

ただし、それをモノにできる人はごく一部かもしれませんが。やはり風俗の世界でも、“働き蟻の法則(2-6-2の法則)”が当てはまると思いますので。まして経営者となって勝ち上がる率は、さらに厳しいでしょう。

働き蟻の法則

最後にひとつ、大事なことを言わせてください。

世間から見たらやはり、風俗業界は一段低く見られる業界です。お金は稼げても、失うものも多くあります。それを現実として理解できる人は足を踏み入れてもいいかもしれませんが、お勧めはしませんよ。

――語気を強めて覚悟を求めるその姿勢は、後進を思いやるリアリストなりの愛情の現れなのかもしれない。

最後に、「デブ・ブス・ババア」を集めた地雷店で成功した名経営者は、本当はどんな女性がタイプなのだろうか。質問をぶつけてみた。

好きな女性のタイプですか。そうですね。

とりあえず連れて歩いて、100人男がいたら100人いい女だって言う女性です。性格が悪くても、ルックスがいいほうがマシです。まあ、両方いい方がいいですけど。

芸能人で言うと、テレビに出てる人って大体きれいじゃないですか。女優レベルだったら大体いいですよ。大体いいですよって、えらい“上から”ですけどね(笑)。

――その透徹したリアリズムを体現したかのように、終始表情を崩さず取材に応じてくれた篠原さん。オンナの話題になったその瞬間、口元が緩んだのが、印象的だった。

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「風俗ってブスばっかり! だから“イケる”と思った」 ~デッドボールグループ総監督・篠原政見のリアリズム#1~

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篠原 政見

1972年、長崎県生まれ。高校卒業後、一部上場企業に就職。37歳の時、「年収を3倍にする」と決意し、風俗業界に参入した。好きな女性のタイプは、100人男がいたら100人いい女だという女性。最近、YouTubeにハマっている。著書に『なぜ「地雷専門店」は成功したのか?』(東邦出版、2014年)。
デッドボールグループ:公式サイト

執筆者プロフィール

赤星 アキラ

赤星 アキラ編集長記事一覧

元証券マン。リーマンショックを経て、ハタラクとジンセイをひたすら考え続ける。昨春、縁あって風俗業界に転じ、FENIXプロジェクトを企画。Fenixzineを風俗でハタラク男性のプラットフォームにしていきたい。好きな音楽はV2。福岡市出身。

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