モアグループの女性取締役に聞く! 「風俗業界でハタラク魅力ってなんですか?」

2019年10月11日

by徳山 央樹徳山 央樹編集者

10/26(土)に開催を迎える第二回風俗転職フェア

ありがたいことに求職者の方から申し込みが順調に増えており、前回の来場人数を超えた応募数が集まっております!

さて、転職フェアの特集記事第二弾は、企業の採用担当者へインタビュー。転職フェア責任者の新海が、参加を表明いただきました『モアグループ』の取締役・中村さんに、風俗業界入社の経緯とその魅力を伺いました。

モアグループ本部の男女比率はなんとほぼ半々。その背景には創業当時からの文化が背景にあるとのこと。

詳細は記事をご確認ください!

登場人物紹介

中村あき子

2006年モアグループ入社。同社のコンパニオン時代、事務職の経験を買われ経理として働くことに。様々な部署、新規事業立ち上げを経て、現在は取締役。静岡県出身41歳。

コンパニオンからスタッフとしての入社まで

――本日はよろしくお願い致します! 中村さんはどういった経緯で風俗業界で働くことになったのでしょうか?

中村:もともとは地元の一般企業で事務として働いていたんですけど、横浜に来て一人暮らしを始めた時にもう少し収入が必要になって、副業として風俗店のコンパニオンを始めたんです。コンパニオン経験は計3年くらいかな。

で、モアグループのとあるお店に在籍していた時に、経理部に欠員が出たみたいで「事務経験があるならウチで働きませんか?」って誘われたのがキッカケでした。2006年のことですね。

――コンパニオンを経由してのスタッフだったんですね。

中村:ええ。当時は派遣社員で、ちょうど契約更新の時期だったんですよ。コンパニオンの時からモアの雰囲気は好きだったし、話を聞いてみたら条件も良かったのでお世話になろうかなって。といっても今とは規模が大違いですけどね。経理でいうと今は16人ですけど、入社当初は2人でしたから。

――ということは13年で8倍になったんですか!? スゴい……。当時、風俗業界で女性内勤というのは珍しかったのでは?

中村:当時はかなり珍しかったと思います。別のお店でコンパニオンとして働いていた時も、女性スタッフというのは見たことがありませんでした。

でも、モアグループは違いましたね。もう一人の経理も女性でしたし、私の前任者も女性だったみたいです。あと、グループの1号店的なお店は店長が女性でしたから。

――え? そうなんですか?

中村:はい。その方はもう退社されたんですけど、私と同じく元コンパニオンで、オーナーが「受付やってみない?」って誘って、店長までステップアップしたと聞いてます。

そういったルーツがあるので、弊社は女性内勤スタッフはいて当たり前っていう雰囲気なんですよね。

モアグループ基幹システムの裏に中村さんアリ!

――現在、中村さんの役職は取締役ということですけど、一般の経理スタッフからどのようにステップアップをされたのでしょうか?

中村:う~ん、感覚としては上から言われたことをこなしていただけなんですよね(笑)。新規事業を始めるための調査であったり、海外オフィス検討のため現地まで行って情報収集をしたりと、言ってみれば会社の無茶ブリです(笑)。5、6年は風俗とは関係のない仕事をしていました。

でも、好奇心が強い性格なのでそういうのも楽しめたんですよ。大変ではありましたけどね……。

▲「対立が起きた時、とにかくお互いを前向きにさせることが自分の役目」と中村さんは語る

――人がいる以上対立は必ず起きますもんね。取締役というのは、主にどういった業務を行っているんですか?

中村:その風俗とは関係ない仕事をしていた時に、急にモアグループの本部の方へ異動して欲しいって言われたんです、専務という形で(笑)。

最初は困りましたね。「営業や売上的な面を作るのは私以上に得意な人がいる。自分には何が出来るだろう?」って。

最終的にたどり着いたのは人の面ですね。働きやすい組織作りだったり、みんなの意見を聞いて会社の現状を把握して問題をあぶり出すこと。これまでやってきた仕事はそういう部分が大きかったし、人と人との間に立てる緩衝材的な性格を買っていただけたのかなと思います。

そういうところでいくと、最近基幹システム制作のディレクションをしたのが大きな成果ですね。

――基幹システム……とは?

中村:店舗業務についてデジタル化があまり進んでいなかったんですよ。紙とペンで書いた伝票をもとにチマチマ入力作業が必要で、店舗によっては「店舗の締め作業だけで3時間掛かる」みたいな声も聞いていました。

そういった負担をどうにか減らすため、私が中心となって完全WEB化に踏み切ったんです。

全店舗の声を吸い上げて作業を可視化、めんどくさい部分や欲しい機能をヒアリング。試作が出来たら店舗に試してもらって、意見をシステム担当にフィードバックして……っていうのを2年かけて行いまして、昨年やっとリリースできたんです。

――2年……、聞いただけで吐きそうになる仕事ですね。

中村:はい、もっと規模が小さい時にやっていればよかったって思いました(笑)。でも、今ではグループになくてはならないシステムとなっていて、店舗ごとの傾向なんかもワンクリックで見られるようになったので、マーケティングにも活かせています。

風俗業界は、昨日まで何をしていたか関係ない

――中村さん自身のことが興味深く長々と聞いてしまいました。転職フェアと絡めた質問をさせて下さい。中村様が思う“風俗業界の魅力”というのはどこだと思いますか?

中村すごく懐の深いところじゃないですかね。店舗にもよりますけど服装髪型自由。元ニートでも40代のリストラ経験者でも問題なし。性のビジネスだけあって、セクシュアリティに関してもオープンにしやすい雰囲気だと思います。昨日まで何をしていたかが関係ないというのは、この業界ならではですよね。

――一度店を飛んだのに、再度戻ってきたというスタッフさんの話もよく聞きますね。

中村:はい。それでいて実力主義。どんな過去があったとしても、結果を出せば評価に繋がる。全ての人にチャンスがある。なかなかない業界だと思うんですよ!

――いや、本当にそうですよね。では、モアグループの魅力というのはどこでしょうか?

中村:さきほどの背景があるので、女性にとってすごく働きやすい環境ですよね。もちろん男性もですよ(笑)。本部スタッフでいうと男女比はほぼ半々。どの店舗にも必ずといっていいほど女性内勤スタッフがいます。最近はどんどん女性の役職者が増えてますね。

働く女性特有の悩みに“出産”と“育児”があるかと思うんですけど、産休が取りにくいなんてことはなく、むしろどんどんやってちょうだいという感じで。産休を2回とって2回復帰したスタッフもいるんですよ。

――女性の働き方が社会問題になっている中、それはすごいですね!

中村:本部は基本12時出勤の20時退社なんですけど、保育園の関係上9時出勤の17時退社と時短勤務になっているスタッフもいます。自然発生とはいえ、女性だからこその悩みに寄り添えている部分は自慢できますね。

▲女性スタッフと雑談する中村さん

コンパニオンの経験を“活かして”のスタッフはウェルカムです!

――コンパニオンさんの中には辞めた後の進路に悩む“セカンドキャリア問題”というのがあります。モアグループさん的には、コンパニオンからスタッフへ転身というのはウェルカムなんですか?

中村:それはもちろん、弊社にも多いですよ! 元コンパニオンゆえのメリットもデメリットもあると思っています。在籍のコンパニオンさんに共感できたり、相談に乗りやすいのは強みだと思いますが、ランカーの元コンパニオンさんにありがちなんですけど、「私はこれだけやってきた」という自信があると、在籍コンパニオンさんにとってプレッシャーになっちゃうこともあるんですよ。

――「私は〇〇だったから、あなたもこうするべき!」みたいなことですかね?

中村:そうですそうです! だから難しいですよね。自身の経験を基にしつつ、いかに相手に寄り添って考えられるか。結局この仕事は“人”なんですよ。人が人に人を派遣する三角形の商売ですから。どれだけ他人を思いやれるか、そこが第一だと思います。

だから、キャリアチェンジの理由として“コンパニオンで稼げなくなったから”ではなく、“コンパニオンの経験を活かして”スタッフになりたいっていう方に来てもらいたいですね。

――FENIX JOBで取材をしていると、男性の場合「借金があって~」とか「もともとブラック企業で~」みたいな、追い詰められて業界転職を選択したという方も多いんですけど、「コンパニオンの経験を活かして」という転身理由だと前向きじゃないですか。そういう意味で女性はすごく強いのかもしれませんね。

中村:そうだと思います。でも、風俗の事を何も知らなくて、給料と条件が良かったから内勤になったみたいな女性もいます。女性スタッフはコンパニオン経験が必須とかでは全くないですよ!

▲会社の資料をチェックする中村さん

次の目標は人事面の強化。長く働ける会社作りを

――モアグループさんの今後の野望みたいなものはありますか?

中村:やっと基幹システムの諸々が一段落したので、次の課題は人事面ですね。そこに力を入れているので、今回も風俗転職フェアに参加させていただくんですけど……。

優れた人材を採用するのも大事なんですけど、なにより社員が長く働ける会社にしていかないといけないなと思っていて。正直、退職率が低くはない業界じゃないですか。でも、一度でもウチを選んでくれたのであれば、長く勤めてもらいたい。

だから、「どうも仕事が合わないな」って思ったら、別の部署へ異動だったり、グループ内の他の会社(店舗)へ案内するとか、社内でのキャリアチェンジ制度みたいなものを浸透させたいなって思っているんです。

――入り口だけでなく社内改善もしていきたいっていうことですね。

中村:そうですね。それを突き詰めていくと、やっぱり会社で人材を育てるという意識が必要かなと。この意識がないと、どの業界でも今後生き残っていけないと思うんですけど、まだまだ整えなきゃいけないなという部分は多々あります。

労働環境もそうです。業界全体がそうなんですけど、まだ完全週休2日制にはできていないんです。そのためには、小さな問題を一つひとつ潰していかないといけなくて。長い時間をかけてでも働き方を改善しないと、やっぱり企業として成長できないと思うんですよ。

――いや、すばらしい取り組みだと思います。業界全体の問題ですからね。

転職フェア参加者へのメッセージ

――ありがとうございました。最後に何か転職フェア参加者にメッセージをお願い致しますっ!

中村:各社、公式WEBサイトに社員インタビューを載せたり、こうやって求人媒体に記事にしてもらっているんですけど、やはり百聞は一見に如かずだと思うんですよ。是非、転職フェアに来ていただいて働いているスタッフの生の声を聞いてほしいですね。

面接ではないので、聞きにくいこともフランクに聞けるイベントだと思うんですよ。お金のこと、休みのこと、待遇のこと。そういった質問にもバシバシ答えるつもりですので、ぜひ具体的な疑問を投げて下さい。

もしそれで興味を持ちましたら、モアグループは体験入社というのも行っています。入社を検討するのはそれからで構いませんので、色々な所で話を聞いた上で、弊社を選んで頂けたらありがたいですね!

――そうですね! 聞きにくい質問もガンガンしていただくためのイベントですから。ありがとうございました!

▲中村さん、ご協力いただきありがとうございました!

編集後記

「一号店の店長が女性だった」

モアグループの“女性が働きやすい雰囲気”にはそのような背景があったのですね。産休や時短勤務なども可能な、社員を大事にする雰囲気が感じられた取材になったと思います。

さて、改めて告知させていただきます!

風俗転職フェアは10月26日(土)に『フクラシア品川クリスタルスクエア』で開催です。

出展企業も確定し、前回よりも多い10社にご出展いただくことになりました。

なにかと見えづらい風俗業界を見える化するイベントにしたいと思っております!

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執筆者プロフィール

徳山 央樹

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FENIX ZINEではライターと編集を担当。インターネット好きが高じて、WEBメディアへの転職を決意。平日も休日もインターネットをしています。

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