【緊急取材】風俗業界の新しい働き方#1 私たちははこうして、コロナを乗り越えた

2020年09月29日

by新海 亨新海 亨編集長

世界中で大きな影響を与えている新型コロナウィルス。

飲食業界やサービス業などを中心に日本経済全体が落ち込み、風俗業界においてもその影響は計り知れない。

今回はFENIX JOB掲載中の店舗担当者の方にオンラインで取材を行った。未知のウィルスとの戦いは、店舗運営にどんな影響を与えたのか。営業の方法や経営面に関する部分を中心に話を伺った。

利用客5割減を乗り越えたのは、常連のお客様の支えとキャストの頑張りがあったから

まず話をしてくれたのは福岡県・博多でソープランドを店舗展開をする『今ドキグループ』の岩田さん。

中州のソープ街では緊急事態宣言時もほとんどのお店が営業を続けていたという。(東京・吉原エリアのソープなどは早急に休業をする店舗が多かった)背景としては、県からの休業補償が見込めなかったことが大きい。

「街からは本当に人が消えました。ただ、自粛中(4-5月)でも、本指名の女性で遊んで頂いていた常連さんはよく足を運んでくれました」

(『今ドキグループ』岩田さん)

常連客の来店はあったものの、全体の集客は通常時の50%減。女性の出勤率も通常の30-40%減と落ち込んだという。デリヘルなどに比べて固定費が大きくかかるソープや店舗型ヘルスの業態は厳しい状態が続いていたことが予想される。

厳しい状態の中でも、新規、既存のお客様含めて来店を促すようなスタンプラリーの企画を行ったり、在籍してくれている女性とコミュケーションを今まで以上にこまめに連絡をとり出勤を促したり、状況が好転することを待ったという。

ピンチこそ団結してチャレンジ! 新たな企画と実行力で困難を切り抜ける

東京都市部を中心にオナクラを展開する『かりんとグループ』の木村統括は緊急事態宣言以降、新しい取り組みを始めた。

「これまでやってこなかった深夜の出張デリバリーと自宅派遣をはじめた。やれることはなんでもやろうと」

(『かりんとグループ』木村統括)

短時間、低単価のオナクラの場合、効率よく回転数をあげることが重要である。

通常は近場のホテルやレンタルルームなどへの派遣がほぼすべてだったが、コロナの影響により派遣エリアの繁華街から人が消え、なにか手を打たなくてはと、スタッフ、在籍キャストで話合い、出張デリバリーと自宅派遣を行うことに決めたという。

急場ではあったが、『玄関手コキ』(自宅派遣で玄関でプレイが完結する)などヒット企画も生まれ、課題は多いものの手ごたえを感じたという。

「コロナでどうにかしなきゃっていろいろ考えましたけど、本当だったら(コロナ関係なく)同じくらい考えてなければいけないですよね。」と木村統括は戒めのように語ってくれた。

苦悩の上での決断。デリヘルでは異例の休業に踏み切った真意

自粛要請による休業補償の対象とならなかった無店舗型のデリバリーヘルス。そんな中で休業に踏み切ったのは、『贅沢なひと時』の浅野代表だ。

「いろいろな考えがある中で、僕らはこれが(休業に踏み切ったという選択が)正解だったと言えるようにしなければならない」

(『贅沢なひと時』浅野代表)

都内のほとんどのデリヘル店が営業を続ける中で、『贅沢なひと時』が休業に踏み切った理由として、7〜8割のキャストが風俗以外の仕事と兼業していたため、女性から要望が大きかったこと。

万が一、コロナ感染者が出てしまった場合の信用問題などを考慮して、4月20日から5月6日まで店舗を休業した。

自粛期間中、在籍女性には写メ日記などの更新を依頼し、これまでの出勤に応じて補償金を支払った。スタッフには各自ビジネス書籍などを読んでレポート提出を条件に、給与の全額支給を約束したという。

多くの風俗店が営業を続ける中、自分たちの選択が正しかったのか、浅野代表は自問自答したと言う。

「ぼくらの判断(休業)が正解だったかどうかは受け取ったお客さんや在籍女性の捉え方次第。でも、そう(正解だったと)言ってもらえるようにしなければならないですよね」何事にも全力で立ち向かう浅野代表らしい判断だったのではないだろうか。

コロナ禍でも業績が150%アップのライブチャット業界

軒並み苦戦が続く風俗業界の中で、顕著に好調な業種もあった。動画配信などを行うライブチャット業である。

東京・神奈川を中心にコンテンツの企画、運営を行う『チャットレディグループ』の石井さんに話を伺った。

「女性の採用数は通常時の1.5倍くらい、利用ユーザーもそれと同じくらい増えましたね」

(『チャットレディグループ』石井さん)

オンラインで対面接触がない、ライブチャットには多くの求人応募が集まったという。

風俗やキャバクラなどで働いていた女性が濃厚接触を恐れて応募したのではないかと予想してしまうが、飲食店の休業により働けなくなった学生バイトの女性や、一般のOLたちも一定数おり、業界業種に関係なく幅広い層の女性から応募があったそうだ。

緊急事態宣言が解除され、外出自粛が明けたあとも、オンライン飲み会やZoomキャバなどが広がった影響からか、ライブチャットの需要も伸び続けているという。

「本当になかなかないチャンスだと思うんですよ。この勢いに応じて、エリア展開、事業拡大を目指して行きますし、その準備中です」と石井さんは力強く語ってくれた。

コロナ禍により、働き方はもとより生活様式一式が大きく変わった。急激な変化を求めらる中で、日本全国の様々な風俗店が工夫をこらしながら生き残りをかけている。

次回は、コロナの影響で大きく反響が落ちていると言われる女性キャスト求人と、新しい人材採用に力を入れる店舗が増える店舗スタッフ求人について掘り下げて行きたい。

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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