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ジンセイの紆余曲折を経て、なぜ彼らは風俗業界で働く選択をしたのか。
風俗業界への転職を選択した彼らのジンセイ再生の秘訣に迫ります。

総合職(店長・幹部候補)】三堀辰雄さんのインタビュー記事

2016年入社

三堀辰雄 (37歳)

総合職(店長・幹部候補)

前職:営業職

2018.11.9

風俗業界は自分の居場所を見つけられる場所~現場で磨き上げた“本質を見極めるスキル”~

この記事のポイント!

  • 厳しい世界だからこそ飛び込んでみよう、と風俗業界へ
  • 周囲のフォローに助けられながら、自分に何がやれるのか考え続けた
  • 誰にも負けない長所を育ててスペシャリストになることが大事

“予測できない業界”で未知の仕事をしてみたかった

この仕事をする以前は、風俗と全く関係のない業界にいたんですよ。

学校を卒業後は営業職を長くやっていました。住宅関係の営業と、メーカー相手の法人営業です。その他、自営業も経験しています。自分で調剤薬局を5年間ほど。

調剤薬局を開業したのは、国からお金をもらう仕事なので手堅いと思ったからです。景気にあまり左右されない業界でしょう? 割と公務員的な考えだったんです。僕は薬剤師の免許を持っていませんから、資格がある人を雇っていました。

ところが、そのうちに父親が亡くなって……そのことをきっかけに、仕事について見つめ直すようになったんです。調剤薬局の仕事はやっていて楽しいものではなかったですし、「お金のためだけに働くのってどうなんだろう?」と考えるようになって。

そこで、何かいい仕事はないかと探しているうちに出会ったのが、風俗業界だったんです。それまで風俗で遊んだ経験はなかったんですが、そのうえでこの業界に決めたのは、厳しそうな世界だと思ったからなんです。

厳しい分、ノウハウを色々教えていただけそうなイメージがありました。どうせやるなら、ピチッとしたところがいいなと考えていましたから。前職が自営業だったせいか、規律通りに動けなくなっている気がしていたんですね。それで、厳しい世界で一度、自分を正そうと思ったんですよ。

風俗業界に怖いイメージや嫌悪感はありませんでした。むしろ、今まで経験したことのない世界で、自分は何ができるかという思いがありましたね。だからこそ、予測できない業界に入りたかった。

やってみれば何とかなる、死にはしないという考えが根底にあるんですね。興味を持つと、後先考えずにやりたくなっちゃうタイプなんです。それに、この業界は短期間で上を目指せるのも魅力でした。

風俗業界の待遇は、普通の会社と変わらない

現在入店2年目で、主任をしています。同年代と比べて給料はかなりいいと思います。それに、ここはボーナスも出るし、福利厚生もしっかりしています。社会保険にも入っていますから。普通の会社と変わらない印象です。

休日もしっかり取ることができます。なかには連休がないところもあるようですが、うちはちゃんと年間休日がもらえるんです。年2回ぐらい5~6連休を取れるタイミングがありますよ。週休みはシフト制ですが、休みたい時に合わせてもらえるので、融通は利きますね。

入社する前から「この店はちゃんとしてそうだな」という印象はありました。応募の際、色んなお店のホームページを見て10件に電話したんです。それで電話の受け答えが良かった店を3件に絞り、面接の日に「ちょっと時間に遅れます」という連絡をわざと入れたんです。ここが僕のいやらしい性格ですけど(笑)。

そこで対応が一番よかったのがこの店でした。「迷われたんですか? 今どちらにいらっしゃいますか? 何時になりますか? 合わせますよ」と、おざなりな対応ではなく、理由も聞いてくれて、「いい店だなあ」と。

だから、そういう意味では、ちゃんとした会社だなというのは、予測通りでしたね。むしろ、予測していたよりもはるかにしっかりしているというのが正直な感想です。

現場では周囲がフォローしてくれる。だから大きなトラブルに発展しない

実際に入社して、ありがたかったのは「何でも聞けよ」という社風ですね。分からないことは、くだらないことでも何でも聞ける。それも、うわべだけではなく本当に親身になって「何でも相談せぇよ」と気遣ってくれます。社内の風通しがよくて、とてもやりやすい。だから続けてこられたんだと思います。

入店初日はすごく足が痛かったんです。慣れない立ち仕事ですから。でも、先輩が「大丈夫か?」と声を掛けてくれた。「あれ?」って思いましたよ。正直、もっと体育会系なノリを想像していたので。気に掛けてくれているんだな、と思って嬉しかったですね。

気に掛けてくれると言えば、何かミスをしたとしても上の人がすぐフォローしてくれます。後輩の面倒見がいいんです。「適当にやっとけよ」ということがないので、まずトラブルにはなりません。例えば、接客態度で悪いところがあると、お客様の目の前ですぐ指摘されることもあります。とにかく対応が早くて、問題がその場で解決されるんです。

対応が早いのは、グループ全体の特徴だと思います。こういうのをやってみたいと何か提案したら「じゃあ今やろう」というスタンスなんですよ。先送りにされることが全くない。これはすごくいいところだなと思っています。

性にまつわる仕事だから、本質を見抜く能力が備わる

僕は今、店で3番手の役職に就任させてもらっていて、女の子と会話したり、男性スタッフの面倒を見たり、お客様の対応をしたりと、やることが増えてきました。その中で一番変わったのは、何が大事なのかを見極められるようになったことです。

例えば、女の子が「体調が悪い」と言って休んだとします。その場合、本当に体調不良なのか、それとも何か気になって悩んでいるのか、気付いてあげなくてはなりません。どうしても出勤率に関わってきますから。こういう本質的な部分を判断できるようになったのは、ありがたいと思います。

僕は、女の子とは包み隠さずに話をします。変にとりつくろったりせず、思ったことは素直に言う。女の子は1日に何人もの男性に接していますから、そうでないとバレますよ。それに、相手の身になって話を聞いてあげる。自分の話をするのは5%ぐらいで、残り95%は話を聞く。そういうスタンスでやっています。

お客様が何を求めているかも分かるようになりました。風俗店は1日100人以上接客することも珍しくありませんが、皆さん恥ずかしがって「こういうプレイがしたい」「こういう女の子が好きだ」と言わないんです。言ってくれるお客様は5人に1人ぐらい。それをどうやれば聞き出せるか、この業界独特の接客術が身についたと思います。

例えば「今のご料金はこちらになります」と料金説明した時点で、そのお客様がどのくらいの価格帯で遊ぶのか分かります。お客様の目の動きや反応を見れば、どんな女の子に興味があるか、Sっぽい子が好きかMっぽい子が好きか、どういうプレイを勧めれば喜んでもらえるのかも分かるんです。もはや一種の特殊能力ですね(笑)。

結構奥が深いのですが、コツはやっぱり”お客様目線になって話を聞く”ということに尽きます。お客様が話しやすいような聞き方でね。僕、今営業をやったら無双だと思いますよ(笑)。

自分の居場所を見つける意欲がある人は風俗業界に向いている

 

この店は、その人に合わせた長所を掘り出してくれるのがいいところです。店長がそういうスタンスなんですね。苦手なものもそれなりに克服しなくてはいけませんが、それよりもいい部分を伸ばせというスタンス。スペシャリストが一番強いという考え方なんですよ。

僕の場合、前職で営業をやっていて接客や女の子とのコミュニケーションが得意でしたが、人はそれぞれ、誰にも負けないものを一つは持っていると思うんです。

このお店ならきっと、自分の居場所が見つかります。このお店に入って自分に何ができるか、自分の居場所はどこなのかと考えられる人はパチッとハマりやすい気がしますね。やっぱり目的があって入ってくる人は長続きしますよ。

うちのグループは、そこらの会社よりちゃんとしていますよ。普通の会社で働きたいなと思っている人には、特に得られるものがあるし、働きやすい環境です。そういう方にチャレンジしていただけるように、僕ら自身がもっともっと努力しないとですね。

(インタビュー:徳山央樹)

取材後記

阿仁幸吉

執筆者

阿仁幸吉

インタビューさせていただいて、お話の端々から頭の回転の速さが感じられた三堀さん。色んなことに貪欲に挑戦し、培ってきた“見極める力”で、今後もさらなる活躍を見せてくださると思います。「何でも興味持つとやりたくなる。死にはしないという考えが根底にあるので」……目を輝かせてそう語ってくださった姿が印象的でした。

プロフィール

三堀辰雄

総合職(店長・幹部候補)

(前職:営業職)