【Webデザイナー】鷹野翔平さんのインタビュー記事
2016年入社
鷹野翔平 (27歳)
Webデザイナー
前職:Webデザイナー
2018.9.18
“やったもん勝ち”のこの業界。だからこそ、日々を楽しまないと
この記事のポイント!
- “交渉しない人”が多すぎる。「はい、やります」だけで楽しいのか
- どうせなら、売り上げの計測まで行いたい
- 正解は褒められ、不正解でもとがめられない。⇒やったもん勝ち
“守りに入る”Web業界が嫌になり、業界自体を変えた
僕、15歳のときから働いてるんですよ。……違う違う(笑)。家が貧しいとかじゃなくて、趣味の延長です。前向きなやつ。
中学のときにネットゲームにハマって、そのゲームのファンサイトを自分で作りたくなっちゃって、コーディングを勉強したんです。
Webの収入でたぶん、月に25~30万くらい稼いでましたよ。でも実はそのときって、あんまりお金を得たっていう実感はないんですね。「儲ける」っていう感覚じゃないんです。得たお金はサイトの保守とかゲームに消えてしまうし。
仕事とも思っていなかった気がします。「おもしろい。楽しい」で作ってました。
趣味が高じて、高校には行かず16歳でWeb制作会社に入りました。学校の成績は悪くなかったんですけど、勉強が好きじゃなくて。これをあと7年、8年やるのはイヤだなって。
入った会社は、当時ではめずらしいフレックス制のある企業だったんで、自由にスケジュールを組んで仕事をしていました。そのなかに友だちと遊ぶ時間も入れたりして。
それから後は、Web系の会社をだいたい3年から3年半くらいの周期で転々としていた感じですね。
Web制作会社って、3年くらい勤めると雰囲気が変わっちゃうんですよ。せっかくおもしろいことをして、みんなが驚くようなことができていたとしても、だいたいが大きい会社に買われて“守りに入る”みたいにして変わっちゃう。その度に、嫌気が差して転職していた感じです。
刺激が欲しかったんですね。おもしろいことをしたかった。それで2年半ぐらい前ですか。風俗店のサイトをいくつか覗いたときに、「ここならおもしろいことやれるな」「自由にアイデア出せるな」って感じたんですね。
だから僕は「この業界で、自分の力をどこまで発揮できるか」って、ワクワクしながら入ってきたんですよ。
“自分の仕事は何なのか”を忘れない
デリヘルという業態を選んだ理由は“集客の100%がネット”だからです。僕の武器がいちばん活かせるし、ゼッタイおもしろいと思いました。
ところが、はじめはWebデザインをしていたんですけど、入って3週目くらいのときですかね。「免許あるよね? 悪いけど行ってくれる?」って女の子の送迎を頼まれて。
イヤとは言わなかったですね。意外ですか?(笑)。たぶん、Webの仕事をしているうちに、ぜんぶが「おもしろそう」になっちゃったんですね。それからは本職とあわせて、一般スタッフの仕事もしました。
ただ、ここはこれから入る方のアドバイスになればと思うんですけど、“自分の仕事は何なのか”は忘れちゃダメですよ。
もちろんお店が忙しいときに手伝うのは良いんです。スタッフの仕事だって、やってみれば楽しいですしね。
でも僕はあくまでWebデザイナー、Webディレクターなんです。他のことで“本来の仕事”ができないようだと、最後に困るのは、自分以上にお店なんですよ。
「はい、やります」だけで楽しいか。“交渉しない人”が多すぎる
そのころ「いいですよ」って、僕、何でも引き受けていたんですね。そしたら、大事な仕事の本線とは違う依頼がすごく入ってきたり、自分のやるべきメインの仕事が滞るようになってしまった。
「あれできてる?」
「いえ、まだです。昨日ずっと受付と送迎です」
「今日までじゃなかった?」
「……」
こんなことが度々あったんで、交渉したんですよ。上司や経営者に。「もっとWebに徹する時間をください。目先の仕事だけ見てたら、たいへんなことになります」って。
この会社は聞いてくれましたね。筋が通っていて、お店の利益になることだったら、聞いてくれます。僕には、言った以上“結果”という形で責任を取るっていう覚悟もありましたから。
確かにウチが良い会社だったっていうのはあると思います。正しいことなら「やってみろ」って言ってくれますから。それと昔から“集客にはWebが鍵なんだ”っていう先進性もすごくありました。
ただね、僕、この業界で働いている方は、上の方と交渉しなさすぎる気がするんですよ。別の同業他社からやって来る方には、特にそれを感じます。
原因? 言ってもムダって思い込んじゃってるのかなあ……。でもね、下がいなきゃ上も成り立たないんですよ。仕事だって、何でも「はい、やります」だけだったら、イヤになっちゃうでしょう?
待遇だって労働時間についてだって、一般企業と同じように交渉して良いんですよ。ただし、理由をしっかり伝えること。「この時間だと、効率悪いです」「この方が結果出ます」 それでダメだっていうお店はないはず……っていうか、ないべきなんですよ。
どうせなら、売り上げの計測まで行いたい
実際僕の場合、交渉の結果はすごく良いカタチで現れました。思った通りのWebサイトが作れたし、適材適所という感じで、店内の人の動線も向上したんです。「言って良かった」って、すごく思えましたね。
相変わらず僕は何でもやっちゃいますけど(笑)、メインとしてはWebディレクターという感じですかね。入社して半年くらい経ったころから、広告のミーティングに参加するようになって、売り上げを気にするようになりました。
電話取ったりっていうのにも抵抗がなくなったのは、そのころからですね。広告を作るってなったときに、電話口のお客さまっていうのは、ニーズを知るうえではいちばんなんですよ。バナーにもWebにも、活かせることがたくさんあった。
価格、電話の応対、女の子の質、店の手配の速さ、客層……。売り上げを上げるためにどこを攻めていけば良いのか、お客様はたくさんのヒントをくれます。「電話取らなきゃはじまらないんだな」とも思いましたし、「電話おもしれー」とも思いましたね(笑)。
Webって“作ったら作ったっきり”ってけっこう多いんですよ。でも僕は「こうやれば売り上げが上がるだろう」と作ってみて、実際どのくらい上がったかの計測までやりたいんですよね。
上がらなかったら、「また作ろう」ってやり直して、良い発見があったら、別のコンテンツで使ってみる……。
こういう繰り返しがおもしろいんです。もちろん結果が出たときは、尚おもしろい(笑)。
正解は褒められ、不正解でもとがめられない。⇒やったもん勝ち
1日はあっという間に過ぎますね。気がついたら2年半という感じ。数え上げたらキリがないくらい毎日色んなことがあるので、ぜんぜん飽きないです。
この業界のWebは一般の業界よりも遅れていると思っていて、その意味で言うと、この会社は他より少し先取りしている感じですかね。だからやれることもまだまだあって、楽しいです。
これからの目標? Web広告のところはぜんぶ自分がやるっていうのは、変わらないと思います。お店が増えても、自分が関わっていたい。
この業界は、何をやってもそれが正解だったら褒められます。不正解でも別にとがめられないですよ(笑)。だからやったもん勝ちなんです。
僕みたいにちょっと不真面目で(笑)、イヤ、ほんとです。少し肩の力を抜いているぐらいでちょうど良いんじゃないかな。僕が求められているのは、“作った広告でどれだけ人が集まるか”。そこだけですから。
結果が出ないこともあって、正直ここまでやり込んでいても、何が正解なのかまだわからない。でもだからこそおもしろいし、続けられるんです。
(インタビュー:松坂治良)
取材後記
プロフィール
鷹野翔平
Webデザイナー
(前職:Webデザイナー)