みんなできっと、幸せに 総務・人事の宇佐美さん(シンデレラFCグループ)後編~ナイトワーク『ピックアップ スタッフ』~
2025年08月05日

――立ち読みでバックヤード業務を学び、コストカットで結果を出す。現場に入れば“電話を鳴らす”意識を徹底的に叩き込み、それを自らの血肉とする……。
中編では、宇佐美さんが『シンデレラFCグループ』でいかにして実力を開花せていったかを追った。15年以上勤められているのは、彼が常に新しい刺激を求め、企業風土もそれに応え続けてきたからだという。
そんな様々な仕事に携わる彼も、もともとの役割は総務・人事だ。現場も知った上で、スタッフの採用や育成には、どんな考えを持っているのだろう。
「ここは幸せになれる職場か」 相手の人生を思いやる
スタッフの採用面接は、入社後半年ぐらいしてからかな? 変わらずにずっと担当しています。一番大切にしているのは、ブラック企業時代に上司に教わった「相手の人生をちゃんと考えろ」という言葉。ブラック企業らしからぬ発言なんですが(笑)。
だから面接ではまず、「この人はウチに来たら幸せになれるか?」って考えます。
『シンデレラ』が欲しい人材でも、本人の努力がなければ不幸になるかもしれない。
「あなたの足りない部分はここで、ウチに入ってもそのままだと結果は出せない。でもこういう努力ができれば、きっと良い線行けます」
そんな話を正直にしますね。現場のスタッフで応募されても、話してみて「この人は総務の方が輝けそう」と思えば、そちらを提案することもあって。
つまり“この人にとっての幸せは、どのポジションなら得られるか”を判断するのが私の仕事。そして実は、私自身だって15年前、バイトじゃなくて正社員、店舗じゃなくて総務・人事って、先輩面接官に引っぱってもらったんですよね。
SNSのように。“ノリよくポジティブな繋がり”が理想
今後の目標は、『シンデレラ』を「みんなが生き生きとチャレンジできるグループ」にすること。
誰かが何かにトライしていたら、周りが冷めた目で見るんじゃなくて、「いいね。僕も!」って自然にバックアップし合えるような職場がベストですよね。ノウハウだって共有して、「あなたのおかげだよ。ありがとう」って感謝し合えるような……。
今私達はSNS集客に力を入れていますが、本来のSNS(ソーシャルネットワーク)の目的だって、“人と人を繋げる”ということでしょう。そういうノリの良さ、ポジティブな雰囲気が、組織を強くしていくと思うんです。
面接の時は目を輝せていた方が、入社後にくすぶっていくのを見るのは悲しい。だからこそ、みんなが常に前向きでいられる環境をつくるのが、人事部の使命だと考えています。
ポストもつくっちゃえ。少しの積極性が、出世に繋がる
「ポストが空いていない」とかもね。私思うんですよ。ポストつくっちゃえばいいじゃん(笑)。
前回もお話したように、ウチは本人に実力が付けば、どんどん仕事もくっつけてくれますから。で、「これやりますからお給料もアップして」って言っちゃえばいい。認められれば上がります。
組織的に“お気に入りの人が上に行く”って感じでもないですから。そんなことがあったら、人事部が「ダメですダメです」って止めます。成果で評価されなくちゃ。
そのためには“少しの積極性”がやっぱり重要。ぴょこんと、ちょっと頭を出せばいい。新しい提案をしたり、改善案を出したり……。
すぐに結果が出なくても、諦めないとなおベターですね。どんな仕事も、壁にぶつかってからが本当の勝負ですから。
完璧はないし、完璧な必要もない。反省があればいい
『シンデレラ』は、完璧な人なんて求めていません。
人間らしく一生懸命頑張るし、おもしろいことにはどんどん興味を持つ。ときには怠けることだって?(笑) いいんですそれでべつに。私とか周りが「コラコラー」って言うから。
それで怠けている自分に気づいたら、「いけないいけない」って戻ってきてくれればいいんです。
人生も一緒なんじゃないですかね。私だって女の子の家に転がり込んで甘えて、ニートしていた時期がありました。だけど飽きるんですよ。「こんなんじゃオレダメになる」って、いつか反省するもんです。
“勤勉”が強いと思う。頑張る人が報われる組織にしたい
私たまに「頭いいんでしょう」なんて言われますけど、とんでもない。頭よかったら早稲田辞めてないし、ダンサーなんて目指さない(笑)。人の100倍アホみたいなことしてきてますよ。
同じくらいムダなことや、地味な努力もいっぱいしました。それを楽しめるかどうかじゃないかな。うまく行ったら「よっしゃ!」って喜んで、ダメだったら本気で悔しがる。その熱量が、“閉塞感”だって打ち破るんだと思います。
勤勉なんて言葉は今の時代嫌われるかもしれないですけど……。結局はそこに行き着くのかなって。『シンデレラ』の面々を見ても、みんな真面目だもん。今日もどこかで、大真面目におバカなイベントとか店名も考えたりしてくれています(笑)。
頑張る人を笑わない。頑張る人がきっちり報われる。人間1人ひとりには限界がありますけど、みんなで協力し合えれば強い。せっかっく総務・人事という役割を与えられているので、組織と人をそんな風に導いていきたいですね。
- <取材を終えて>
アメリカ、早稲田、社交ダンス、ブラック企業……。一見バラバラに見える経験のすべてが、宇佐美さんの血肉となって今、総務・人事という仕事に注ぎ込まれているというのが印象だ。
人材採用に当たっての「相手の人生を考える」というポリシーも、一朝一夕では身に付くまい。また応募者の行く末に真剣に思いを馳せてきた結果、その先で組織としての会社の未来も描けるようになったのだろう。
実際『シンデレラFCグループ』で人に取材をすると、彼が語るように皆さんほんとにマジメだ。類が友を呼んできたからこそ、2003年から歴史を刻んでこれたに違いない。
最初の記事>>
どうしても、踊りたかった 総務・人事の宇佐美さん(シンデレラFCグループ)前編~ナイトワーク『ピックアップ スタッフ』~
人気企業・レア企業の求人を多数掲載
風俗業界の転職情報を探すなら