――連載第二回の今回のテーマは、「部長のシゴトとは」です! 雲の上の人が、実際にどんなシゴトをしているのか、いろいろと聞いてきました。やっぱりレベルが高いっす!
予算をつくる。掃除をする。そして店長にアドバイス
赤星:第二回のテーマは、「部長のシゴトとは」ということなんですが、これはどういった業務を担当される役職になってくるんですか? まずは予算をつくられたりとかですかね。
佐藤:そうですね。自分が受け持っているお店の予算を考えたり。
赤星:そこから進捗を管理しながら、売上が達成できていないところは、店長さんとまたコミュニケーションをして、対策を一緒に考えたり。
佐藤:そうですね。女の子が足りないのか、お客さんが足りないのか、はたまたそれ以前に店の雰囲気が悪いのか、いろんな理由があると思うんですけど。
佐藤:そうですね。そういうふうになっていますけど、でも実際には、朝5時半に起きて、6時半にお店に行って、掃除機をかけてたりするんですよ(笑)。
赤星:えっ!? 部長のお立場なのに、朝6時半から掃除機をかけているんですか?
佐藤:はい。最初は人手不足だったからというのはあるんですけど、でもそのお店の雰囲気とか、人間関係とか、見えてくるんですよ。
赤星:部長になっても、実際に現場に入っていくというのが大事なんですね……。
ところで、前回のインタビューでは、数字は結果であって、店長のときは数字で話をしたことはあまりなかったというお話だったんですけど、部長のお立場だと、どうしても数字を上げていく必要がありますよね。
ここはどんなやりとりを店長としていくんですか。店長さんも実力があって店長になっているのだと思いますし、頑張っていらっしゃるとも思うんですけども……。
佐藤:そうですね。でも、往々にして思うのが、頑張っているんだけど、頑張っているところを間違っているというか。そういうのはありますよね。
赤星:例えば、どういうイメージになるんでしょうね。女の子が足りないだと、女性求人の広告の打ち出し方とか? そういうところもチェックされたり。
佐藤:もちろんそういったところもチェックしますよ。
どういうふうに出して、どんな対応をしているのかというのもチェックします。そこから、それに対して、こうしていったらいんじゃないかというアドバイスはしますけど。
佐藤:そうですね。
部長に言われたからやったというとなると、自分に責任が伴わないじゃないですか。こうした方がいいと、本人が心から思って初めて、結果が出るんじゃないかと思うんですよね。
それに、自分が結果を出して初めて自信にもなるし、いい経験が積み重なっていくわけですから。
ただ、そこまで待つのは結構もどかしいですけど(笑)。
赤星:やっぱり目の前の数字じゃなくて、店長さんの成長を見ていらっしゃる感じがしますね。ここでも、“店づくりとはスタッフづくり”ですね!
エリア最下位のお店が1年で1位に! そのヒミツとは

赤星:いま横浜エリアの部長として、3年目ということなんですが、一番やりがいを感じられたエピソードがあれば、教えていただきたいです!
※注:佐藤さんは2016年夏、札幌支社長から横浜本社部長に異動された
赤星:それだと、記事的に困ります……!
例えば、横浜に着任されたときに部下になった店長さんが、これだけ成長して、これだけの業績を上げたとか。部下が業績を上げるのが、部長の成果とも捉えられますよね。
佐藤:それは確かにありますよね。僕が来たときはもう横浜でも最下位だった店が、横浜で一番の店になったというのはあります。
ただ、僕は何もしていなくて、店長が頑張っただけだと思うんだけど(笑)。
佐藤:『eroina』(エロいーな)というのは、そうですね。もともと『Renaissance』(ルネッサンス)だったお店をリニューアルしたんですけど。
そこから1年かけてようやく1位になりました。
赤星:最下位が1位ですか! すごいですね! 右肩上がりに回復した要因って、何だったんですか。ここは読者も気になるポイントかと。
佐藤:それは一番は、スタッフのモチベーションですよね。
佐藤:明らかにスタッフのまとまりも変わりましたし、個々の役割というのがすごく明確になったと思いますし。
赤星:やっぱり業績がイケていないときのお店の特徴とかってあるんですか?
佐藤:そうですね。悪い店というのは、スタッフ同士で悪口ばかり言っているんですよ、実際。店長の悪口もそうだし(笑)。雰囲気ってありますよね。
赤星:では、旧『Renaissance』も、スタートのときはそういう状態だったと。
佐藤:はい。店舗ミーティングに出たりするとわかるんですよ。最初はこれ、どうやったらいいんだろうと思いましたもん(笑)。
赤星:(机のうえじゃなくて、ホント現場に入って、お店をチェックしているんだなぁ……)
そんななかでの、“きっかけづくり”なんですが、どんなものだったんですか?
佐藤:旧『Renaissance』、いまの『eroina』に関しては、店名を変えてコンセプトを明確にして、スタッフがそれに向かって1つになったんじゃないですかね、多分。
佐藤:はい、そうです。
そのときはもう店長自身が、ちょっとどうしていいか分からないという状態だったんです。
スタッフもバラバラだし、女の子というのも、横浜は20何年やっていますから、良くも悪くも長く勤めてくれている女の子とかがいっぱいいるわけですよ。
そうすると、店長のいうことを聞かない女の子がいっぱいいるんですね。
それで、半ば強引にではないんですけど、持っていきましたから。何か自信があったんですよ、そのときは(笑)。
いまいる女の子、スタッフ、店長をもう一度輝かせる

赤星:『eroina』の名前だったりコンセプトだったりがどんなふうに生まれたのか、教えていただきたいです!
佐藤:前はナースのお店なのか、コスプレのお店なのか、よく分からなかったんですよね。中途半端な感じだったんです。
だからただ単に、イエスグループのヘルスの原点というか、ざっくり言うと恋人ムードというか、キスとか密着感とかいうのをもう一回やろうという。
赤星:サービスですね! サービスをしっかりやろうという。
佐藤:そうです。それだったら、今いる女の子たちもできますし、もう一回ここをちゃんとやろうっていう話を、女の子たちともしていきました。
赤星:では、『eroina』の名前の由来というのは?
佐藤:『eroina』というのは、「エロいイイ女」というのと、イタリア語の「ヒロイン」という意味の単語を重ねているんですよね。
女の子一人ひとりがヒロイン=主人公なんですよというメッセージを込めてつけた名前です。
赤星:偶然なんでしょうけど、旧店名の『Renaissance』というのは、(原点に返っての)“再生”という意味ですよね。そのお店を立て直すのに、やはりグループの原点に立ち返ったというお話し、感じさせるものがありますね。
赤星:それに、主人公っていう視点がユニークだなって思ったですけど、これはどうやって発想したんですか?
佐藤:そうですね。
長く勤めてくれている子がいっぱいいるなかで、そういう女の子たちをもう一回輝かせるためにはどうしたらいいんだろうということを考えたんですよね。
自分で指名を取って稼げる子はいいですけど、長くはいるんだけど、お客様があまり付かない、自分でも努力しようと思っても、もう分からないという子がいっぱいいて。
新しい子を集めようとかという発想よりは、今いる子たちをどうやって活かすかということを考えましたね。

赤星:リニューアル後の経過はどんな感じだったんですか?
佐藤:そうですね。いつの間にかお店としてのまとまりが出ていました。
これをやったから、急に変わってきたなみたいなのはなかったんですけど、それぞれがそれぞれの役割を自分たちでやるようになっていたので。
でもここだけの話し、実はリニューアルして最初の半年ぐらいは、ちょっとイライラしていたんですよ。自分の思ったとおりにならなくて(笑)。
赤星:部長のお立場で“待つ”っていうのは、相当な忍耐力が必要なんでしょうね……。
ところで、最下位クラスだったお店が、トップクラスにまで再生したというお話なんですが、横浜8店舗の平均レベルではなく1位になったというのは、どういうところに秘密があったんでしょう?
佐藤:やっぱりそれは、女の子の募集が当たったのが大きかったかもしれないですね。
佐藤:それは現場の主任さんでした。
そこに関しては、僕は一切手を付けていないですから。
赤星:『eroina』さんの記事って、『Fenixzine』の姉妹サイトである『みっけStory』にあるんですよ。
佐藤:はい、そうですね。あそこから大分よくなってきたんですよ。
赤星:本当ですか。めちゃくちゃ嬉しいんですけど(笑)。帰って、『みっけ』のメンバーに報告します!
読者の皆さん! 女性求人は『みっけ』ですよ、『みっけ』!

――連載最終回の次回は、「出世のヒミツ」がテーマです! 読者の皆さんがイチバン気になるポイントですよね。そして、業界歴23年目の佐藤さんからの含蓄に満ちたメッセージ。ぜひお付き合いくださーい!
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「出会いを大事に! 人に揉まれて、深みのある人に成長してほしい」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#3~
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「店づくりとはスタッフづくり。任せる、引き出す、気付かせる」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#1~

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佐藤和志
1971年、広島県出身。高校卒業後、測量士として働いたのち、半年間インドに渡る。その後イエスグループに入社し、札幌支社長を経て、現在横浜エリア部長。「札幌防犯健全協力会」の立ち上げや、「セックスワークサミット」への定期参加など、社会的な活動にも力を入れている。オフィスでは、奥さん差し入れのキャラクタースリッパを愛用。お酒が大好きな47歳。
『イエスグループ横浜』:公式サイト