風俗業界の上司部下が語る。「風俗業界で働くということ」 FuuTube・アキバマサト×風俗プレナー・大崎柳也 #3
2017年02月20日
『FuuTube』代表のアキバマサトさんと風俗プレナー大崎柳也さんによる対談の3回目。
今回はより具体的なテーマとして、「東証一部上場企業と風俗業界で1,000万円稼ぐのは、どちらが難しいのか?」をおふたりに伺った。
そして、対談の最後にはおふたりから、「風俗業界の向こう10年について」と、今後の業界を担う店舗スタッフに向けたメッセージをいただいた。
風俗はただチャンスを得られるだけ、リトライできるだけ
――おふたりに伺いたいのですが、一部上場企業で出世して1,000万円稼ぐのと、風俗業界で成功して1,000万円を稼ぐのだったら、どちらが難しいと思いますか?
大崎:どうなんでしょうか。簡単か簡単でないかで言ったら、風俗業界で1,000万円稼ぐほうが簡単なんじゃないでしょうか。
アキバ:……いやあ、どうかな。すいません。そこは異議を唱えたいな(笑)。
アキバ:単純にリトライできるだけだと思うんだよね。風俗業界って。本当にそこの違いだけだと思う。
アキバ:そもそも一部上場企業に入社できないんだよ。風俗店に勤めている、ほとんどの人が。一部上場企業で年収1000万円のチャンスを得られる人って、ちゃんとした大学を出て、入社選考をパスした人だけじゃない。
そこにたどり着くのと、風俗業界で働き始めるの、どちらが大変かだったら、もちろん後者の方が断然、超絶簡単だよ、絶対。
アキバ:でも、その(一部上場企業に)入れなかった人たちが20歳とか30歳を超えて、リトライできるって話だけだと思うんだよね。
学歴とかがなくて、上場企業で働く機会が得られなかった人が1,000万稼ぐチャンスを得られるってだけの話。あくまでもチャンスを得れるってだけ。
難しさでいったら上場企業で出世するのも、風俗業界で成功するのもそんなに変わらないと思う。
大崎:逆に、風俗業界で成功している人は一般企業でもある程度、実績を残せますかね?
アキバ:ビジネスって意味では同じようにできるんじゃないかな。ただ、小さいころから勉強する環境が整っていて、ちゃんとした大学を出てっていう過程は踏まないといけないと思うけど。
すべて、たらればの話になってしまうから断言はできないけれど。少なくとも自分の経験上、上場企業で出世するより簡単だとは思わないな。この風俗業界で成功するっていうのは。
大崎:確かにそうですね。風俗業界と言っても別に犯罪行為で大金を稼いでいるわけでは決してありませんからね。
一般企業と同じように法令順守の中で結果を求めていくとなると、ビジネスとして難易度の差はないかもしれないですね。
――それでも風俗業界で働くひとつのメリットとして“高収入”というワードがよく挙がりますが。
大崎:そうですね。確かにすごい悪い言い方ですけど、この業界をなめているなって、私も感じることがあります。「ちょっと頑張れば、すぐ稼げるようになるでしょ?」みたいな人は少なくない。
もちろん、市場規模から考えるとチャンスはあるんですよ。でも、ちょっと頑張っただけじゃ結果はついてこない。簡単に言ってしまえば、「そこまで頑張れるの?」って話ですよね。
アキバ:確かにそうだね。
大崎:あとはテーマとは少しズレてしまうかもしれませんけど、風俗業界に限らず、その業界に合う合わないってありますよね。
アキバ:ある。相性はある。
大崎:どんなに仕事ができる人でもこの業界に入って大成できるかって言ったら別の話だと思うんですよ。その見極めはできるだけ早くしたほうがいいかなって思います。
目的意識がなく、ダラダラとこの業界にいても良いことは少ないので。その辺の見極めは早くしたほうがいいですよね。
アキバマサトと大崎柳也が考える10年後の風俗業界とは?
アキバ:10年後ですか……。やっぱり技術革新が起こっていくんじゃないですかね。今だったらVRとかが騒がれ始めてるから、そういった技術が風俗業界でも大きな役割を果たしていくと思いますね。
大崎:アキバさんと言えば、動画が普及していない時代に『FuuTube』を立ち上げられた方なので、ここには一番に切り込んで行くんだろうなって予想しているんですけど。実際何か考えられたりしているんですか?
アキバ:うん。まあVRはやりたいなって思ってるよ。本当にVRは絶対来るから、風俗においても生かそうと極秘プロジェクトを進めているところ……。今いろいろと準備中だから(笑)。今春以降にお知らせできると思います。
――アキバさんが手がけるVR事業はすごく気になりますね。ただ、私はVRのような技術が発展することによって、風俗業界が衰退してしまうのではないかと考えてしまうのですが。
大崎:事実は同じだとしても物事をどうとらえるかですよね。もちろんVRによって風俗で働く女性の需要が低くなる可能性はあります。でも、それを経営者がチャンスとみるか否かの話で。
デリヘルができたからと言って、店舗型の風俗店がすべて潰れたかといったら、そうではないですよね。生き残っているところはあるわけですし。
言い訳しようと思えばいくらでもできる。それをチャンスととらえるどうかなんですよ。
アキバ:たぶん、10年後には、今のVRよりもっと現実に近いことを体験できる技術ができているはずだよね。
本当に接触がいらなくなるくらいに。でも、そうすると人類滅亡する……。ダーウィンが言ってたじゃん。「強いものが生き残るんじゃない、変化に対応できたものが生き残るんだ」って。
――まさに、そのとおりですね。では、これから活躍する風俗店スタッフに向けてメッセージをお願いします。
大崎:私はコンサルタントと平行して、風俗業界の健全化という取り組みをしています。今、この業界で働いている人が少しでも働きやすくなるように、環境が少しでも良くなるように。
「みんなでもうけて、みんなで幸せになろう」ってことを言い続けているんですよ。ビジネスとして本当に魅力的な業界だと思うし、ぜひみんなで盛り上げていきたいなと考えています。
アキバ:かっこいいね(笑)。俺も最近感じているんですけど、何か意識高い系の人がこの業界増えてきたなって。キャストとして働く女性も、店舗スタッフも含めて。
自分は『FuuTube』とか見てもらえればわかると思うんですけど、ふざけちゃうタイプだから、そういう(業界を変えたいという意識が高い)人たちとはかかわりがない人種ではあるんだけど(笑)。
でも、すごく転換期にあるってことは言えるよね。何て言うか、“シノギ”じゃなくて“ビジネス”になってきている!みたいな。
今はアダルトの映像関係の仕事をしているけど、風俗に対してやっぱり愛着があるから。次の世代が新しい風俗業界を作っていってほしいですよね。
――風俗業界で長く活躍されてきたお二人から、ポジティブな意見を伺えてとてもうれしいです。本日はどうもありがとうございました。
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アキバマサト
1973年、横浜市出身。高校卒業後、ミュージシャンを経て風俗業界入りし、20年以上のキャリアを持つ。体験男優としての顔は一部に過ぎず、実は大手グループの代表経験もある敏腕ビジネスパーソン。仕事観、人間観、人生観の有無を大事にする。尊敬する人は、やはり実業家だった父とX JAPANのYOSHIKI。非常に繊細なO型。 Fuutube:公式サイト
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大崎柳也(おおさきりゅうや)
1978年、群馬県出身。大学卒業後、設計事務所勤務を経て、著名大手グループを2グループ経験。2012年より風俗コンサルタントとして活動する。業界と警察関係機関が協力して設立した団体の幹部を務め、セミナー登壇やメディアへの露出も多い。かかわる人すべてが幸せになるための「健全化」を活動理念に掲げ、“適正価格・適正サービス”の推進や、社会貢献を通して業界イメージ向上を目指す。好きな時間の過ごし方は、コーヒーを片手に読書。
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