風俗業界の上司部下が語る。「出世するために必要なこと」  FuuTube・アキバマサト×風俗プレナー・大崎柳也 #2

2017年02月12日

by新海 亨新海 亨編集長

『FuuTube』代表のアキバマサトさんと風俗プレナー大崎柳也さんの対談。前回はおふたりの出会いと、当時の上司部下の関係性を大いに語っていただいた。

今回は、店舗型風俗店の大手グループでエリア代表を経験したおふたりによる対談、「風俗業で出世するために必要なこと」をテーマにお届けする。

1990年代の風俗業界で出世するために必要だったこととは?

――おふたりにとも店舗型風俗店の大手グループでエリア代表まで出世されておりますが、当時出世するために心がけていたことや何か必要なことはありましたか?

大崎:すいません。全然つまらない答えなんですけど、辞めないことですかね。

アキバ: (笑)。

大崎:自分の経験ベースでもそうですし、今でもコンサルタントとしていろいろな現場を立ち会っても聞くんですけど、我慢していれば周りがどんどん辞めていくんですよ。

アキバ:確かに自分が風俗業界に入った時も言われたね。我慢しろって。そうしたら周りは淘汰されていくからって。当時は本当にそんな感じだった。

大崎:お金持って飛ぶとか結構当たり前にありましたもんね。

アキバ:あったね。本当に多かった。ほぼ 100パーセント捕まってたけど……。

アキバ:今はそこまでではない印象だよね。特にデリヘルなんかは法令順守とか、コンプライアンス重視みたいなのが芽生えてきてるから。昔に比べれば本当にまともなったと思う。

誰でも出世はできる。それは評価者の理念を深く理解すること

アキバ:今に限ったことではないんですけど、誰でも出世できる方法があるんですよ。あるというか、それぞれの会社とか組織によって時間のかかり方は違いますけど、絶対評価される方法があるんです。

大崎:何でしょう。

アキバ:人が出世するときって、評価者が評価するんだよね。つまり上司とか、代表とか、社長とか、人間が。全うに清く生きてきた社員が神に認められて出世するわけじゃないじゃん。

だから、あんまりいい言い方ではないんだけど、出世するためには「その組織自体が評価する人、つまりは上の人の主張とか理念を深く理解すること」だと思うんだよね。

で、それを理解できないんだったら辞めて違うところで働けばいいと思うし、それこそ自分でそれを作ればいいわけだから。

アキバまったく100パーセント理解するってなかなか難しいと思うけど、斜め45度くらい同じなのであれば、同調するとか迎合するとかじゃなくて、理解する。それが大事だと思う。

大崎:なるほど、確かにそうですね。

自分たちの船長がどこに向かおうとしているのかを理解する

アキバ:例えて言うなら、船の船長がどこに向かおうとしているのかを理解することだよね。その目的地へ行き着くためにオールをこがないといけないのか、帆を張らないといけないかを考えて行動をする。

その行動が効果的であれば、あるほど評価されるし、出世していくと思うんだ。

その船長の行き着く先は、船長次第だろうけど。それはお互い様で、行き先が違うのであればさっきも言ったけど、その船から降りればいいと思うし。

――なるほど。「今日は100海里進みました!」と言って、ただやみくもに結果を出せばいいってものではないんですね。

大崎:結果を出したとしても上の望んでいることでなかったら意味ないですからね。

アキバ:すごい卑怯だなって思うんだけど、結果を出しても評価者は何とでも言えちゃうんだよね。「いやあ、この数字は違うんだ」とか。

逆に数字という結果を出していなくても、評価されることもある。それはもう上の判断だし、その結果、組織が衰退してしまうことだってあるわけだから。

――風俗業界どうこうって話ではないですね。どんな業種であっても同じですよね。

大崎:一般論ですよね。ビジネスとしてとらえれば風俗でも何でも一緒ですよ。

アキバ:でもそれがね、わかってない人が多すぎるんですよね。特にこの風俗業界って。なんか、瞬間的に俺できるんで認めてくださいって人が多いんだよ。

「半年で年収1,000万円!」。風俗業界=高収入なのか?

大崎:確かに勘違いしてしまっている人は多い気がしますね。ただ、そう勘違いさせてしまっている僕らも悪いと思っています。

大崎:この業界の醍醐味って高収入であったり、成り上がりだったりがあるじゃないですか。求人のコピーによくある、「半年で年収1,000万円」とか。

そういう過剰な演出が勘違いを生み出してしまっているなっていう印象なんですよね。そこはお互い様かなと思っています。

――アキバさんは高収入や成り上がりをうたう求人コピーについてどうお考えですか?

アキバ:そうだね。確かに広告に出てるような1,000万円稼ぐっていうのがすべての人において叶うわけではないですね。これは間違いない。

ただ、ちょっと反対のこと言っちゃうんだけど、僕はそういうコピーはあってもいいのかなって思っちゃうんですよね。

どんなに頑張っても年収が1,000万円いかない会社ってあって、そういうところには僕は行かないですよ。

だけど、ほんの数パーセントでも可能性があるんだったら、チャレンジしたいかなと思うんだよね。経験上恐らくウソではないから。

大崎:そうですね。市場規模で言ったらチャンスは十分にありますね。だからこそ私もこの業界に携わっているひとつの理由ですから。

ビジネスとしても本当におもしろい業界だと思いますし、どういう切り込み方をするのかわからないですけど、ここはもう『Fenixzine』さんに新しい価値観を作り出してほしいですね。

次回は最終回、2月20日アップ予定『風俗業界で働くということ』

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アキバマサト

1973年、横浜市出身。高校卒業後、ミュージシャンを経て風俗業界入りし、20年以上のキャリアを持つ。体験男優としての顔は一部に過ぎず、実は大手グループの代表経験もある敏腕ビジネスパーソン。仕事観、人間観、人生観の有無を大事にする。尊敬する人は、やはり実業家だった父とX JAPANのYOSHIKI。非常に繊細なO型。 Fuutube:公式サイト

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大崎柳也(おおさきりゅうや)

1978年、群馬県出身。大学卒業後、設計事務所勤務を経て、著名大手グループを2グループ経験。2012年より風俗コンサルタントとして活動する。業界と警察関係機関が協力して設立した団体の幹部を務め、セミナー登壇やメディアへの露出も多い。かかわる人すべてが幸せになるための「健全化」を活動理念に掲げ、“適正価格・適正サービス”の推進や、社会貢献を通して業界イメージ向上を目指す。好きな時間の過ごし方は、コーヒーを片手に読書。
「風俗プレナー」:公式サイト

執筆者プロフィール

新海 亨

新海 亨編集長記事一覧

元大手ハウスメーカー営業マン。お金と引きかえに自由とやりがいを手放す生活から決別するため転職を決意。ある風俗サイトに感銘を受け、デザイナーとして仕事を始めるも、いつのまにか編集員に。最近はハマっている一眼レフカメラの仲間を求め奔走中。座右の銘は“STAY GOLD!!” 東京都出身。

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