オナクラというニッチで狭い業界のなかで自分たちの市場を作る~『かりんと赤坂』店長にしやまさん#1~
2016年12月15日
東京駅前、上野、秋葉原、神田、赤坂と、風俗街というよりオフィス街と呼べるエリアで、ユニークなオプションやサービスで評判の風俗店がある。-ソフトサービス専門店『かりんと』。
その『かりんと』の創立メンバーで、赤坂店の現店長“にしやまさん”が今回の主人公である。にしやまさんは、いかにして『かりんと』を生み出し、成功へと導いたのか、そのストーリーに迫る。
ソフトサービスならではの『かりんと』という名前の由来
もともと大手のオナクラ(オナニークラブ※)店で働いていたんですけど、そのお店ですごく良くしてくれた方が独立するというので、一緒に付いて行くことにしたんです。
- ※オナニークラブ
- キャストが客のオナニーを観察するという2010年以降に発展した比較的新しいジャンルの性風俗店。いわゆる「3ない」(脱がない、舐めない、触らせない)のソフトサービスが主流(オプションで対応する店舗もある)。一般的な風俗よりも安価な場合が多く、手軽に利用できることから人気を博している。
独立した現オーナーと彼の右腕としてずっと一緒に働いていた人、そして僕の3人で新しい事業をしようということになりまして。
最初はなんの事業をするのかすら、決まっていなかったんですが、もともと僕の考えは、「どんな仕事をするかよりも、だれとするか」が重要なんですよ。
給料が出なくても文句を言うつもりはありませんでした。
当初はウェディングドレスのレンタルをやろうという話しがあったんです。でも、やっぱり畑を知っているオナクラをやろうということになり、2013年9月にグループ第一号店の『かりんと神田』が誕生しました。
『かりんと』の名前の由来は、人の力を“借りんと”サービスが成立しないというところから来ています。
お客様に気持ち良くなってもらうためには、女の子の手を借りないといけないですよね。変な言い方ですけど、女の子もお客様の力を借りないと、楽しい時間がなかなか作れないんですよ。
「ソフトなお店ならでは」だと思うんですけど、ルールを守るお客様と、一生懸命頑張る女の子と、そういうお互いの協力があって初めてサービスとして成り立つんです。
神田店のオープン当初はゼロから求人をし、女性の在籍が3名からスタートして、3か月後くらいには15名程度に増えました。その時期に入ってくれた6~7人の女性が、ぶっちぎりにS級なキャストさんだったんです。
他店から見てもコスパが桁違いで、低価格なのにものすごいクオリティだったと思いますし、「とんでもない店ができたぞ!」と、お客様や競合店から噂になるくらいでした。
大手オナクラ店から独立し、3人のスタッフからスタートした『かりんと』。順調に業績を伸ばしていった背景には、にしやまさんのある戦略が隠されていた。
ニッチな業界でニーズを獲得するために自分たちの市場を作る
オナクラというビジネスの仕組みについては、以前、働いていたのでわかっていました。低価格帯のお店なので、とにかく在籍数を増やし、回転率を上げなくてはならないということが重要なんです。
これらに加えて、これはオープン当初から僕の戦略なんですけど、「ソフトサービスにこだわる」ということを徹底したんです。
『かりんと』では、多彩なオプションサービス(現在『かりんと赤坂』では無料、有料含め40種類程度のオプションがある)がありますが、フェラや素股といったハードなものは設けていません。
そこまで設けてしまうと、結局ヘルスになってしまうんです。だから、オプションサービスをソフトなものに抑えることで、絶対にそこまでしかできない女性の働く需要を獲得できるという自信がありました。
オナクラは風俗業界全体で見ると、やはりニッチな業界なんです。性癖的にターゲットが少ないですから(笑)。
そんなニッチで狭い業界のなかで、確実に自分たちの市場を作っていくためには、ヘルスと一線を引くべきだと考えたんです。
にしやまさんの戦略は見事に的中し、新規立ち上げから約半年で在籍女性は30名を超え、抜群の回転率を達成したという。
続けて、にしやまさんは、オナクラというニッチなサービスが、お客様から支持される理由を次のように分析する。
お客様がオナクラに求めるふたつのポイント
オナクラがお客様から支持されるポイントはふたつあると思っています。ひとつは病気になるリスクが少ないことです。
単純に性器接触がないので、病気にかかるリスクがほとんどない。これは利用するお客様にとっても、働く女性にとっても大きなメリットです
ふたつ目は、プロ化していない素人の女の子と遊べることです。利用いただいているお客様は、女性の素人感を求めている方が多いですね。
プロ化するか、しないかの違いは、女の子が風俗の仕事を専業とするか、兼業とするかの違いが大きいと思っています。
ヘルスの場合、大金を稼ぐために長時間だったり、深夜帯に出勤したりして専業で働きますよね。そうすれば月に20~50万円くらい稼げてしまう。だから、風俗の仕事だけで生活ができてしまうんです。そうすると必然的に接客がプロっぽくなるんです。
でも、オナクラの場合、お客様から頂く料金が少ないので、普通のアルバイトよりちょっと高い、お小遣い程度にしかならない。つまり、ほかの仕事をしながら兼業として風俗で働いていて、別の社会とつがっているのでプロ化しにくいんです。
オナクラはソフトサービスだから、かわいい子が多いってよく言われますけど、それはもう幻想で、ヘルスにだって可愛い子は多い。現実にはプロか素人かの違いが大きいんです。
『かりんと』では素人感というか、女性の内面をとても重視していて、どんなに美人でも店のコンセプトに合わなければ採用しません。採用率で言えば、5割以下だと思いますね。一般的な風俗店に比べると、厳しいほうに入るのではないでしょうか。
にしやまさんは、ニッチなオナクラ市場のなか、『かりんと神田』で多彩なオプションとソフトサービス路線を全面的に打ち出した。これによって、素人感あふれる女性と遊べる店として、『かりんと』というブランドを築き上げていくこととなる。
そして、神田店の立ち上げに成功したにしやまさんは、2014年8月、2号店となる『かりんと赤坂』の経営を任される。
しかし、自信をもって挑んだ赤坂店で、にしやまさんは大きな挫折を味わうことになる。
「3か月で立ち上げますよ!」なんて、豪語してましたね。なんと言っても調子に乗っていましたから。
次回は、にしやまさんが『かりんと赤坂』で苦渋を味わうも、大きく飛躍したお話である。
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「絶対にあきらめなければ大丈夫」そう信じた赤坂店~『かりんと赤坂』店長にしやまさん~
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にしやま
1985年、福島県出身。大学卒業後、大手一部上場企業に就職。1年でベンチャー企業に転職した後、自身で会社を起業した経験も持つ。2012年より風俗業界入りし、いくつかの店舗を経験する中で現オーナーの誘いから創業メンバーの3人として『かりんと』グループを立ち上げる。“その先”に寄り添う、ユニークで優しいフーゾクカンパニーを目指す。
かりんと赤坂:公式サイト
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