ゼロからわかる風俗店の電話対応 ~1本の成約より、リピーターを作る風俗店TEL対応~

2016年12月10日

by水島 亮水島 亮風俗店オーナー

皆さん、こんにちは。『おしおきエステ』の水島です。

電話受付の経験などまったくなかった新人スタッフさんも、お店の電話番として毎日何本もの電話に出るようになると、徐々にお客様の名前や好みを覚えられるようになってきます。

同様に、お客様も意外とスタッフの名前や声を覚えているもので、中には電話に出ると、「お、水島君、今日もよろしく!」なんて声をかけてくださる方や、毎回受付スタッフを指名(笑)してくださる方もいらっしゃいます。

こういった形でお客様とお店(スタッフ)とのある種の信頼関係を実感できるのは、接客業の醍醐味のひとつです。

また、そのお客様が、初回利用時に自分が応対した方で、リピーター様になってくださる瞬間に立ち会えたりすれば、仕事の喜びも一塩です。

今回は、新規顧客がいかにしてお店のリピーターとなるのか、そしてリピーターを作り出すための電話受付の考え方について掘り下げます。

ご新規様がもう一度そのお店で遊ぼうと思うふたつの理由

一見さんのお客様が、改めて同じお店で遊ぼうと思うには、何かしらの強いモチベーションが必要です。

風俗遊びは娯楽であり、生活必需品ではありません。安くない料金を払ってでも遊ぶ価値があると感じていただくだけの理由がないと、リピーター様は生まれないのです。

下記に挙げるふたつは、お客様が風俗遊びに価値を感じる最も重要な理由となります。

女の子が気に入った【キャスト要因】

最も代表的で重要な理由です。

風俗遊びでは、ほとんどの場合、お客様の最大の目的は女の子です。

指名した女の子のサービスが良く、「もう一度会いたい」という気持ちがお客様の中に芽生えれば、ほかの何を差し置いてもまたこの店で遊ぼうというモチベーションにつながります。

多くの風俗店では、女の子の質(容姿やサービスを含めた品質)を向上させることで、リピーターのお客様を作り出し、繰り返し遊んでいただくことで利益を上げる形を基本的なビジネスモデルとしています。

リピーターがほとんどおらず、新規の問い合わせだけで営業が成り立つお店は、少数派です。
ほとんどのお店に「本指名」というシステムがあることが、リピーター様の存在を要としている何よりの証拠ですね。

しかし、この理由を最大のモチベーションとしてお店に通うお客様は、お気に入りの女の子が退店すると、それっきり足が遠のいてしまうことが少なくありません。

お店としては、リピートしてくださっているうちに、なるべく多くのお気に入りの女の子を作って差し上げる努力が必要となります。

お店(コンセプト)が気に入った【店舗要因】

一方、独自のコンセプトやサービスを打ち出しているお店には、女の子だけでなくサービス内容そのものが好きで通ってくださるリピーター様が生まれます。

こういったリピーター様の多くは、必ずしも特定の女の子にこだわらない傾向があったり、たとえお気に入りの子が退店しても次はまた別の子を指名してくれたりと、お店と長いお付き合いをしていただけます。

お店が安定して売上を立てて行くうえでは、当然こういったお店そのものに付いてくださるお客様のほうがより重要となってきます。

ご新規様のリピートを考えるとき、念頭に置くべきは、「お店そのものを気に入っていただこう」という精神です。

お店そのもののお客様が増えれば、特定の女の子の出勤に頼らずともお仕事の総量が増え、結果的に女の子全体の収入の底上げ、安定化にもつながります。

リピーター

※ちなみに、へき地のお店でそこ以外遊ぶ選択肢がない場合や、競合がまったく生まれないほど破格の料金設定である場合も、お客様がリピートする理由にはなりますが、それらの理由は、お店側の運営努力とはやや趣が異なりますので、本稿では触れません。

ご新規様にリピートしていただくためにスタッフにできる3つの電話対応

それでは、ご新規様にお店そのものを気に入っていただき、二度三度とリピートしていただくために、スタッフが電話対応で心掛けるべきことは何でしょうか。

ご新規様がリピートしていただくためにスタッフにできる3つの電話対応をご紹介します。

①目の前の1本より先々の10本

第二回で、お客様のご要望に添いきれない時には正直に状況をお伝えし、お断りする誠実さが必要だという話をしました。

ご新規様の場合、強引な提案やオススメで目の前の一本を無理やり成約しても、接客する女の子に負担がかかるだけで、お客様のお店に対する印象は良くなりませんし、リピートの可能性は低くなります。

であれば、今回の一本は逃したとしても、また今度お客様が遊びを検討する際に電話をかけてくださるような、誠実で心地良い対応でお断りするべきです。

「そういえばあの店、この前は遊べなかったけど感じ良かったな。今日はどうだろう?」と思って、問い合わせをくださるお客様は、無理やり成約したお客様よりも高い期待感をもって遊んでくださいます。

そういったお客様に、初回と同様の誠実な対応ができれば、通常のお客様よりもお店への好感度、リピートの可能性はグッと高まるわけですね。

無理やり成約したら、一本で終わってしまったかもしれないお客様とのお付き合いが、対応次第で先々の10本、20本という成約に育つ可能性を秘めているのです。

シチュエーションは限定されますが、例えば下記のような対応は、お客様に『また次の機会』を検討して頂きやすくなります。

TELmaru対応
「せっかくお問合わせを頂いたのに、ご案内ができず申し訳ございません。もし次回チャンスを頂けましたら、気持ちばかりではございますが、入会金をサービスさせて頂きます。」
TELmaru対応
「よろしければ、メールアドレスだけでもご登録頂ければ、ご指名の○○ちゃんの次回出勤予定などもお知らせさせて頂きますが、いかがでしょうか。」

一方的なお断りではなく、お店として『次回お問い合わせを頂いた際』の事をしっかりと考慮して対応している事をアピールしましょう。

②コンセプトや女性情報の説明に嘘は禁物

上記のようにお断りとはならず、成約自体は可能な場合でも、強引にならないように注意しましょう。

不成約になりそうだからと言って、禁止事項を緩めに曖昧に説明して無理やり成約したり、さもお客様の好みにマッチするかのように女の子のプロフィールを偽って大袈裟に紹介したり……。こうして得た成約は、スタッフの自己満足にしかなりません。

お客様は『聞いてた内容と違う!』と不満を感じ、女の子も『会うなりお客様にガッカリされた!』とやりづらい思いをしてしまいます。

挙句、こうして不満を募らせたお客様にリピートして頂けなかったり、嫌な思いをした女の子が退店してしまったりしたら、結果として何も残らず全員が損する結果になってしまいます。

お客様にお店を気に入って頂き、長く利用して頂くためには、初回から誠実で嘘のない対応が不可欠であると肝に銘じておくべきです。

③二回目以降の利用も考慮した提案

さて、お断りも強引な提案もなく無事成約となった場合も、「予約完了。めでたしめでたし」と電話を切ってしまっては、ご新規様にとって『普通の店』のままで終わってしまいます。

初回の受付電話の中でも、お客様が二度目、三度目と長くお店を利用する事にメリットを感じて頂けるような説明、提案をして、『お客様と長くお付き合いをして行きたい』というお店の意思を熱心に伝えましょう。

ご新規様でもリピートのメリットを理解しやすい話として、例えば下記のような説明、提案があります。

TELmaru対応
「お客様にご利用頂いた料金の○○%が会員ポイントとして蓄積されます。次回以降は溜まったポイントを割引にご利用頂けますよ」
TELmaru対応
「お客様からお伺いした女の子のお好みは登録させて頂きますので、次回以降別のスタッフがご対応させて頂く場合でも、お好みに沿ったご提案をさせて頂きます」

皆さんのお店のシステムでも、同じようにリピートのメリットをお伝えする材料を探してみて下さい。

まとめ

以上、前回から二回にわたって、ご新規様向けの電話対応について解説してきました。

どんなお店も、新規顧客の流入なくして売上を維持する事はできません。
常連様がたくさん付いているお店であっても、その売上は無限ではありません。

常に新しい顧客を開拓して営業のリーチを広げて行く努力は、営業の最前線で頑張る女の子たちと同様に、一人ひとりの電話受付スタッフにも求められるものだという事をご理解頂ければ幸いです。

さて、次回からは、打って変わってお店のリピーターとなっているお客様への電話対応についてお話したいと思います。

執筆者プロフィール

水島 亮

水島 亮風俗店オーナー記事一覧

1984年生まれ。業務用のマニュアル制作会社に在職中、突然舞い込んだ大手風俗店の「キャスト・スタッフ向けの業務マニュアル」制作依頼を担当。クライアント内で高く評価される。 業界内に蔓延する悪習やキャスト、スタッフの問題点を目の当たりにし、「自分がやった方がマシだ!」と業界入り。大手グループ店幹部、風俗コンサル等を経て、2016年に自身がオーナーを勤める五反田『おしおきエステ』をオープン。電話対応の丁寧さは業界内でも一目置かれる存在。

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