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advance~アドバンス~【総合職(店長・幹部候補)】山本大貴さんのインタビュー記事

advance~アドバンス~

2009年入社

山本大貴 (27歳)

総合職(店長・幹部候補)

前職:学生

2018.12.26

F1を夢みて、何百万円も借金をした10代。早すぎた“岐路”に、後悔はない

この記事のポイント!

  • 環境は、お金がつくる。20代前半で知ったリアル
  • 2店舗の店長に。スタッフに求める条件?……ないですね
  • 自分都合じゃないか? スタッフに考えてほしいのは、そこだけ

借金までしてレースに参戦する勇気、お前にあるのか?

この業界にいつから?(笑) なんだかんだで18からですね。高校を卒業してからいますよ。

もともとはレーサー志望で、16歳からカートをはじめました。中学校の時にF1中継を視て、単純に「カッコイイな」って。こんな速い、ぶっ飛ぶぐらいのやつに乗りたいなって思ったんです。

べつに家が裕福だったわけではないので、参戦する資金は自分持ちですよ。高校に行きつつ、まあスーパーの品出しから寿司のデリバリーからあらゆる飲食店の接客から、何でもやりました。バイト5つ6つ掛け持ちなんて、ざらでしたよ。

親父に頼る? ないですないです。反対されなかっただけでもありがたいぐらいの気持ちで。「週末、暇ならレース観に来てよ」って。

大学にも行きました。学校もバイトもレースもぜんぶ、1回あきらめないでやってみたかったんです。「捨てるのは、いつもで捨てられる」 いつもそう思っていました。

でもある時ね、同じレーシングチームにいたチーフみたいな人が、「お前ムリだよ。プロのレーサーになんかなれねえよ」って言うんです。

その時僕のいたカテゴリーは、F1が頂点にあるとしたら、そのずっと下。F3の下のF4です。とは言え18歳ですからね。自分では「当然F1に行ける」ぐらいの気持ちでいるんですよ。

「どういう意味ですか?」
「F1に行ける可能性なんか、1%もないんだよ。そんな5つも6つもバイトしなきゃ参戦できないヤツが行けるほど、甘くないよ」

でね、言うんですよ。「お前今のバイトぜんぶ辞めて、オレから借金して参戦する勇気あるかよ」って。

「ありますよ」

次の日ね、僕バイト辞めて、チーフのところに行ったんです。

「ぜんぶ辞めてきました。お金、貸してください」

環境は、お金がつくる。20代前半で知ったリアル

結局ね、この人僕のこと試してたんですよ。そこまでできるヤツなのか、口だけのヤツなのかって。僕が事務所に現れたら、驚いてましたもん(笑)。

おかげで思いっきりレースできました。サーキットで毎日新品のタイヤ入れて、集中して練習しまくって。もう速さ、技術、身に付く速度が全然違う。

実際そのカテゴリーで勝てましたよ。で、またチーフが言うんです。

「ね? お金でしょ」

とことんレースできる環境は、やっぱりお金のおかげ。そりゃ才能だってコミュニケーション能力だって必要ですよ。でもまず参戦して速さを証明しないことには、何もはじまらない。

20歳前後でそんな現実を知ったことが、良かったのか悪かったのか……。僕にはわからないですけど、確かな“事実”ではあったと思うんですね。それを僕は、このチーフから教わりました。

そしてその彼が、アドバンスのオーナーだったんです。そう(笑)、お察しの通りで、思いっきりレースさせてもらった代わりに、僕はここでバイトして、参戦資金を返したんです。

バイトしてレースに参戦。大学も卒業。さて、どうする?

ここでバイトしながらレースに参戦して大学を卒業して、いざ就職ってなった時に、捨てるのはやっぱりレーサーへの道でした。あきらめられずにずるずる参戦し続けて、借金まみれになる人なんかも、やっぱりいますからね。オーナーも言うんですよ。

「あきらめるのも勇気なんじゃないか? 今、岐路なんじゃないか?」

でも僕21歳とか2歳ですよ(笑)。「すっげー早え岐路だな」とか思いながらも、就活して……。

僕はここのオーナーに惚れてたし、尊敬もしていました。親父だってサーキットでオーナーには会ってるから「あの人の下でなら」って、たとえ風俗でも僕がアドバンスに正社員として入ることを、認めてくれていたんです。

ところが肝心のオーナーが「うん」と言ってくれないんですよ。「そんな安易に就職を考えるな。大学まで出たんだから、一般企業に就職しろ!」って。

ものすごい剣幕なんでね、言われた通りに就活しましたけど、オーナーみたいな人には会えなかった。口出すだけじゃなくて、レースのための資金を何百万も10代の少年に貸してって人ですよ、ウチのオーナーは。そりゃなかなかそんな、器のデカい人には会えないでしょう? もう仕事内容以前の問題だったんです。

さんざん就職活動して、オーナーに、最後は土下座でした。

「ここで働かせてください。付いていきたい人、他にいないんです」

2店舗の店長に。スタッフに求める条件?……ないですね

そこまで言うならって、最後は思ってくれたんでしょうね。「お前の親にも、レース観に来てた親にも、オレは責任があるから」って言ってくれて。だから「やるなら本気でやり遂げろよ」ってことですよね。そこは僕も覚悟というか、願ったりかなったりでしたから、入社して、それはもう一生懸命働きましたよ。

18歳からバイトでやってましたからね。接客がイヤなんてことは当然ないし、その辺りで苦労したことはなかったです。1、2年ですぐ店長になりました。それからずっと、2店舗見てる感じです。

店長としての心がけ? うーん……最初はね、僕も若かったから、「なんでこんなことできねーんだ」って思っちゃうような幼さ、自分ができるからって、人にも同じ分だけ期待しちゃうような悪いところがあったと思うんです。

でもそれじゃ人は付いてこない。単純に僕みたいに16歳からぶっ飛んでレースに身を捧げたりだとか、18歳で何百万円も借金して風俗店で働く方が、不思議じゃないですか(笑)。

なんでね、もう何年も僕は、スタッフは「どんな方でも」っていうスタンスなんですよ。

もちろん、まずスタッフにぜんぶ教えますよ。女の子のサポートから接客から、シフトの管理まで。

とは言え、やっぱりできないっていう場合もあるじゃないですか。ずっとがんばってもらってみたけど、どうにも仕事にならない……。

じゃあ辞めてもらう? かというと、それは僕、安易だと思うんです。

フロント業務一生懸命やってできなかったら、僕はその“一生懸命”を大切にしたいんですよ。

だから「わかった」と。緊張した状態だったり、混んだりしてっていうのが、この人は苦手なのかもしれない。じゃあここはイメクラだから、制服だったら制服をきちんと畳む仕事をしてくれ、アイロンしっかり掛けてくれ、そして女の子が出勤して来たら、笑顔で「おはようございます」、それを徹底してくれって言うんです。

僕だって27歳ですよ。辞めろなんてね、言えないですよ、おこがましくて。それより、「この人にできる役割はなんだろう?」って、そこを考えたいですよね。

自分都合じゃないか? スタッフに考えてほしいのは、そこだけ

そんな温厚な僕でも(笑)、どうしても怒っちゃう時があります。それは“こっち都合”で仕事をしている時。

おわかりの通り、僕が高校のころからあるお店なんで、まあ人気はあるんですよ。だから忙しい時には、電話が5台も6台も鳴ることがある。

こっちでお客さんの電話が鳴る、こっちで出勤の女の子の電話に出るってなった時に、スタッフが女の子に「もう! 今お客さんの電話いっぱい鳴ってんだからさあ!」って、怒鳴っちゃったことがあったんです。

こういう時は僕、すごく叱ります。だってこれ、自分の勝手ですからね。

お客様はお店の女の子を予約したいだけ、女の子は出勤の連絡を律儀にしてくれているだけ、忙しくてパニクってるのはお店の問題で、お客様にも女の子にも関係ないんです。そこはね、自覚しなくちゃ。これは一生懸命とは言わないですよ。ただ、勝手。

逆に言うと、僕がスタッフに求めるのはそこだけですね。いつも話すんですよ。

「まわりのこと考えて仕事しよう。気遣い、思いやり、忘れずに働こう」

みんながこれをできたらね、後は適材適所で何とかなるし、成長も必ずできます。今2店舗ですけど、僕はまずこのお店を、お客様がもっともっと、楽しめるお店にしたいんですよ。

将来的には店舗も増やしたいし、本格的にデリバリーもはじめたい。がんばってるみんなの給料も上げたいし……。そうですね、バイト掛け持ちしてレースに参戦していたころと、本質的には変わらないのかもしれない。僕はきっと、やりたいことぜんぶ、あきらめないでやっちゃいたい人間なんですよ(笑)。

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

ご本人がおっしゃるように、人生のとても早い時期に“岐路”を迎え、それをある意味で受け入れて、走り続けてきた山本さん。「辞めたいなんて思ったことは一度もない」とおっしゃるのは、参戦資金も含めた過酷なレースに、10代から耐えていた経験が大きいのでしょう。

取材の際はスタッフの皆さんがたいへん親切で、山本さんがオーナーの背中を見てきたように、皆さんが山本さんの背中を見ているのだと感じました。「色んな人がいていい」。20代でこの台詞が言えるすごさに、感動さえ覚えた取材でした。

プロフィール

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山本大貴

総合職(店長・幹部候補)

(前職:学生)

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ファッションヘルス(店舗型ヘルス)