「出会いを大事に! 人に揉まれて、懐の深い人になってほしい」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#3~
2018年09月27日
――連載最終回のテーマは、「出世のヒミツとは」です!
もう上には代表しかいないという方が語る出世のポイントはなにか。読者の方はもう薄々おわかりかもしれませんが、佐藤さんの場合、やっぱりアレでした。
そして最後には、風俗業界でシゴトを続けていくヒントと、読者へのメッセージも。皆さん、今回の記事は永久保存版ですよ(笑)。
それでは、いざ!
イエスグループに入社したのはインドがキッカケ
結構単純なんですよ。そのときにたまたま買った本が、遠藤周作の『深い河』で、よく聴いていたのが長渕剛の『ガンジス』という歌で、たまたま知り合いが送ってくれたマンガが、蔵前仁一の『ゴーゴー・インド』という。
全部それが一遍に重なったんですよ。
そのときは僕、もう何もする気持ちも起きていなくて、本当に抜け殻のようでしたから。あまりにもスピード感が違い過ぎて。日本の歩くスピードの速さとか、ああいうのについていけなくて(笑)。
では、言葉は悪いですけど、最初はちょっと働いてみようかとか、リハビリしようかぐらいのところからだったんですね。
だから寮があって、給料もよくてみたいな、簡単なところからです。最初から部長になろうとかと思ったことないですから(笑)。
でも最初は、「3カ月手伝いで行ってくれ」と言われていたんです(笑)。でも3カ月経ったとき、うちの代表に「居残りだから」って言われて。
出世のヒミツはズバリ……
これは第一回のときにお話ししたかもしれませんけど、目の前のことを一生懸命やってきたら、たまたま店長になれて、気付いたらたまたま部長になっていただけなんですよね。
では少し質問を変えますね。これまでを振り返られて、イチバンの失敗経験・挫折経験って、どんなことでしたか?
(そこからの学びが出世のヒントにつながったり……)
何か理由があって辞めますというんだったら、まだ分かるんですけど、突然いなくなられたりというのも、結構経験しましたし。一度や二度ではないので(笑)。
やっぱり、何がいけなかったのかと思いますよ。
例えば、女性が一気にいなくなったりとか、お客さんが全然つかないとか、そういうエピソードを想像していたんですが。
スタッフたちには、自分でも期待をしているし、これから会社の核になってくれるだろうという思いで接していますから、そういう人がいなくなると、やっぱりショックですよね。
では逆に、イチバン嬉しかったことというのは、どんなことでしたか?
自分が育てたわけじゃないですけど、自分の部下だった人が昇進すると、やっぱりすごい嬉しいですよね。部長になっている人たちもいますので。
そういう推薦をするときというのは、自分の中で100%自信があるんですよ。こいつは絶対に一人でやれる、大丈夫だと。
上司に「本当に大丈夫?」と言われても、「大丈夫です。僕が保証します」と言えるぐらいの自信を持っています。
それは数字をつくるということもそうですし、発想やアイデアといったことも含めて、全然僕なんかより上だなというふうに思っていますので。
「叶わないな、この人には」という(笑)。
――“店づくりはスタッフづくり”という言葉に象徴されるように、佐藤さんは人を育てることでどんどん出世されてきた方なんだろうなと思いました。
イエスグループには、“佐藤スクール”というものがあるのかもしれません。そして、たくさんの“佐藤チルドレン”が全国で活躍しているんでしょう。
……佐藤さんはやっぱり、高校の部活の先生みたいだなぁ(笑)。
僕は人に恵まれてきたから続けてこられた
※「揺れても沈まず」:フランス・パリ市の紋章に帆船の絵とともに刻まれている言葉。人生には、荒波に襲われ木の葉のように揺れることもあるけれども、大切なのは沈まないことだという意味が込められている
僕自身が迷うし、悩むし。けれども、沈まないで……(笑)。
……でも、そう考えると、こんな私をよく見捨てないで使ってくれたなぁというのもありますね(笑)。うちの会社は、情に厚いところがあるのかなと思います。
すごく自分に取り得があるとも思わないし、メチャクチャなにかに長けていたというわけでもないと思うんですけど、やっぱり人に恵まれたというのはすごく感じますね。
やっぱり、「どうしたらいいですか」って聞いてくる人がいると、ちゃんとしなきゃ! と思うじゃないですか(笑)。
出会いを大事に! 人に揉まれて、懐の深い人になってほしい
でも、そこで出会ったということは、ものすごい確率だと思うんですね。
これはよくスタッフに話すんですけど、そういう出会いを大事にできる人とできない人では、半年後、1年後、3年後、やっぱり大きく変わると思うんですよ。「出会いを大事にしなさい」ということですね。
こんなに人間の摩擦の激しい仕事ってないと思うんですよ。
全部、ひとじゃないですか。
入ってくるスタッフも、学歴も違えば、育った環境も違う、影響を受けた友達も違うという人が一緒のお店で働くわけですし、女の子たちも、18歳から四十歳くらいまでの方が居る。
学生のアルバイトさんで短い時間だけ来ている人もいれば、シングルマザーで生活のために働いている人もいればという。
業者さんもそうですね。タオル業者さんもいれば、掃除業者さんもいる。
これだけ人間に囲まれて揉まれる仕事はないので、だから、こういう環境に身を置くと、自分で気付かないうちに、人として成長していると思うんですよね。
深みが出るというか、懐が深くなるというか。
シゴトをやっていて、思いどおりにならないことの方が多いですから。
だから、思ったとおりにいったときは、すごい喜びというか、やった感というのはすごいですよね。
最初は遅刻ばかりして、いつ辞めるんだろうみたいだった人が、何かのキッカケでスッと伸びて店長になっていたりとか。
人に揉まれて、人ってこんなに化けるんだって思いますよね。
佐藤さん、今回はとてもいいお話しを、ありがとうございました!
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「店づくりとはスタッフづくり。任せる、引き出す、気付かせる」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#1~
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佐藤和志
1971年、広島県出身。高校卒業後、測量士として働いたのち、半年間インドに渡る。その後イエスグループに入社し、札幌支社長を経て、現在横浜エリア部長。「札幌防犯健全協力会」の立ち上げや、「セックスワークサミット」への定期参加など、社会的な活動にも力を入れている。オフィスでは、奥さん差し入れのキャラクタースリッパを愛用。お酒が大好きな47歳。
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