「出会いを大事に! 人に揉まれて、懐の深い人になってほしい」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#3~

2018年09月27日

by赤星 アキラ赤星 アキラ編集者

――連載最終回のテーマは、「出世のヒミツとは」です!

もう上には代表しかいないという方が語る出世のポイントはなにか。読者の方はもう薄々おわかりかもしれませんが、佐藤さんの場合、やっぱりアレでした。

そして最後には、風俗業界でシゴトを続けていくヒントと、読者へのメッセージも。皆さん、今回の記事は永久保存版ですよ(笑)。

それでは、いざ!

イエスグループに入社したのはインドがキッカケ

編集長_赤星
赤星:さて連載最終回の今回は、読者の皆さんが気になる佐藤さんの出世のヒミツを探っていきたいと思うんですが、そもそもイエスグループにはどんなキッカケで入社をされたんですか?
sato
佐藤:そうですね。特に出世のヒミツというものはないんですけども、会社に入ったキッカケというのはインドですかね(笑)。
編集長_赤星
赤星:インド!?
sato
佐藤:僕、高校を卒業して2年くらいは、土木業界で測量士として働いていたんですよ。でもあまり長くもたずに、辞めてしまったんですね。そのあと、半年ぐらい一人で行きました。
編集長_赤星
赤星:「自分探し」みたいな言葉もありますが。
sato
佐藤:そういうやつで(笑)。

結構単純なんですよ。そのときにたまたま買った本が、遠藤周作の『深い河』で、よく聴いていたのが長渕剛の『ガンジス』という歌で、たまたま知り合いが送ってくれたマンガが、蔵前仁一の『ゴーゴー・インド』という。

全部それが一遍に重なったんですよ。

編集長_赤星
赤星:すごいですね!
sato
佐藤:それで、一回これはどうしても行ってみたいなと思うようになっちゃって。
編集長_赤星
赤星:だいぶ勇気も要ったと思うんですけど。
sato
佐藤:そうですよね。でも、その頃ってまだ20代ですから、あまり何も考えないでというか。今47歳ですけど。
編集長_赤星
赤星:インドからのイエスグループさんというのは、どんな流れだったんですか?
sato
佐藤:人の紹介だったんです。「横浜でこんなことをやっているんだけど、来ないか」みたいな。

そのときは僕、もう何もする気持ちも起きていなくて、本当に抜け殻のようでしたから。あまりにもスピード感が違い過ぎて。日本の歩くスピードの速さとか、ああいうのについていけなくて(笑)。

編集長_赤星
赤星:インド、おそるべし!

では、言葉は悪いですけど、最初はちょっと働いてみようかとか、リハビリしようかぐらいのところからだったんですね。

sato
佐藤:そうです。お金もない、住むところもないですから、そのときは。

だから寮があって、給料もよくてみたいな、簡単なところからです。最初から部長になろうとかと思ったことないですから(笑)。

編集長_赤星
赤星:そこから一年で店長になり、高級店『Sharon』(シャロン)の立ち上げを担当され、4年目のとき、札幌に行かれるんですよね。
sato
佐藤:そうですね。

でも最初は、「3カ月手伝いで行ってくれ」と言われていたんです(笑)。でも3カ月経ったとき、うちの代表に「居残りだから」って言われて。

編集長_赤星
赤星:そしてそのあと16年いらっしゃると……(笑)。
sato
佐藤:はい(笑)。

出世のヒミツはズバリ……

編集長_赤星
赤星:札幌では、当時6店舗だった店舗を14店舗にまで拡大され、支社長に就任。さらに2年前には、グループの本拠地である横浜の部長として異動されたわけですが、ズバリ出世のヒミツはなんですか?
sato
佐藤:うーん……(苦笑)。

これは第一回のときにお話ししたかもしれませんけど、目の前のことを一生懸命やってきたら、たまたま店長になれて、気付いたらたまたま部長になっていただけなんですよね。

編集長_赤星
赤星:なるほど(笑)。

では少し質問を変えますね。これまでを振り返られて、イチバンの失敗経験・挫折経験って、どんなことでしたか?

(そこからの学びが出世のヒントにつながったり……)

sato
佐藤:いまもそうですけど、一番ガックリ来るのが、自分が期待して見ていたスタッフがいなくなることですよね。
編集長_赤星
赤星:店の業績が上がらないとか、そういうことよりもですか?
sato
佐藤:そうですね。こたえますね、やっぱり……。

何か理由があって辞めますというんだったら、まだ分かるんですけど、突然いなくなられたりというのも、結構経験しましたし。一度や二度ではないので(笑)。

やっぱり、何がいけなかったのかと思いますよ。

編集長_赤星
赤星:そういうときは、お一人でバーに行かれたり。
sato
佐藤:そういうことはしょっちゅうやりましたね。結構、自分に酔えるタイプなので(笑)。
編集長_赤星
赤星:でもちょっと意外ですね。

例えば、女性が一気にいなくなったりとか、お客さんが全然つかないとか、そういうエピソードを想像していたんですが。

sato
佐藤:そういうのはしょっちゅうなので(笑)。

スタッフたちには、自分でも期待をしているし、これから会社の核になってくれるだろうという思いで接していますから、そういう人がいなくなると、やっぱりショックですよね。

編集長_赤星
赤星:(佐藤さんはホントに部下想いなんだなぁ……)

では逆に、イチバン嬉しかったことというのは、どんなことでしたか?

sato
佐藤:そうですね。

自分が育てたわけじゃないですけど、自分の部下だった人が昇進すると、やっぱりすごい嬉しいですよね。部長になっている人たちもいますので。

そういう推薦をするときというのは、自分の中で100%自信があるんですよ。こいつは絶対に一人でやれる、大丈夫だと。

上司に「本当に大丈夫?」と言われても、「大丈夫です。僕が保証します」と言えるぐらいの自信を持っています。

それは数字をつくるということもそうですし、発想やアイデアといったことも含めて、全然僕なんかより上だなというふうに思っていますので。

「叶わないな、この人には」という(笑)。

――“店づくりはスタッフづくり”という言葉に象徴されるように、佐藤さんは人を育てることでどんどん出世されてきた方なんだろうなと思いました。

イエスグループには、“佐藤スクール”というものがあるのかもしれません。そして、たくさんの“佐藤チルドレン”が全国で活躍しているんでしょう。

……佐藤さんはやっぱり、高校の部活の先生みたいだなぁ(笑)。

僕は人に恵まれてきたから続けてこられた

編集長_赤星
赤星:仕事をされる上での座右の銘などはありますか?
sato
佐藤:座右の銘は「揺れても沈まず」です(笑)。

※「揺れても沈まず」:フランス・パリ市の紋章に帆船の絵とともに刻まれている言葉。人生には、荒波に襲われ木の葉のように揺れることもあるけれども、大切なのは沈まないことだという意味が込められている

僕自身が迷うし、悩むし。けれども、沈まないで……(笑)。

編集長_赤星
赤星:含蓄がある言葉ですね。
sato
佐藤:はい。

……でも、そう考えると、こんな私をよく見捨てないで使ってくれたなぁというのもありますね(笑)。うちの会社は、情に厚いところがあるのかなと思います。

すごく自分に取り得があるとも思わないし、メチャクチャなにかに長けていたというわけでもないと思うんですけど、やっぱり人に恵まれたというのはすごく感じますね。

編集長_赤星
赤星:上司もそうだし、同僚や部下もということですか?
sato
佐藤:あまり考えたことはなかったですけど、そういう場面がたくさんあったと思います。それからオフレコですけど、何度も辞めようと思ったこともあります。
編集長_赤星
赤星:オフレコの話をありがとうございます! そういうときはやっぱり、周りに人がいたから続けられたということですか。
sato
佐藤:そうですね。こんなオレに付いてきてくれる部下がいる以上、いまは投げ出せないなみたいな(笑)。

やっぱり、「どうしたらいいですか」って聞いてくる人がいると、ちゃんとしなきゃ! と思うじゃないですか(笑)。

編集長_赤星
赤星:人に恵まれたというのは、とてもいい言葉ですね。
sato
佐藤:それは奥さんも含めてですよ。本当にそう思います。
編集長_赤星
赤星:(感涙)。

出会いを大事に! 人に揉まれて、懐の深い人になってほしい

編集長_赤星
赤星:それでは最後に、佐藤さんから読者へメッセージをいただきたいのですが。
sato
佐藤:考えたんですけど、自分でピンとくる言葉が見つかりません……。
編集長_赤星
赤星:イエスグループさんでは、四半期に一回、スタッフを表彰されると伺っているんですけど、もしそういう場でスピーチされるとしたら、どんなことをお話しされますか。
sato
佐藤:それはやっぱり、同じお店は5,6人のチームでやるので、合う、合わないがあれば、好き嫌いもあると思います。

でも、そこで出会ったということは、ものすごい確率だと思うんですね。

これはよくスタッフに話すんですけど、そういう出会いを大事にできる人とできない人では、半年後、1年後、3年後、やっぱり大きく変わると思うんですよ。「出会いを大事にしなさい」ということですね。

こんなに人間の摩擦の激しい仕事ってないと思うんですよ。

全部、ひとじゃないですか。

入ってくるスタッフも、学歴も違えば、育った環境も違う、影響を受けた友達も違うという人が一緒のお店で働くわけですし、女の子たちも、18歳から四十歳くらいまでの方が居る。

学生のアルバイトさんで短い時間だけ来ている人もいれば、シングルマザーで生活のために働いている人もいればという。

業者さんもそうですね。タオル業者さんもいれば、掃除業者さんもいる。

これだけ人間に囲まれて揉まれる仕事はないので、だから、こういう環境に身を置くと、自分で気付かないうちに、人として成長していると思うんですよね。

深みが出るというか、懐が深くなるというか。

シゴトをやっていて、思いどおりにならないことの方が多いですから。

だから、思ったとおりにいったときは、すごい喜びというか、やった感というのはすごいですよね。

最初は遅刻ばかりして、いつ辞めるんだろうみたいだった人が、何かのキッカケでスッと伸びて店長になっていたりとか。

人に揉まれて、人ってこんなに化けるんだって思いますよね。

編集長_赤星
赤星:だから出会いを大事に、たくさん経験をして、成長しようと。

佐藤さん、今回はとてもいいお話しを、ありがとうございました!

sato
佐藤:はい、ありがとうございました!

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「店づくりとはスタッフづくり。任せる、引き出す、気付かせる」~イエスグループ部長・佐藤和志さん#1~

sato

佐藤和志

1971年、広島県出身。高校卒業後、測量士として働いたのち、半年間インドに渡る。その後イエスグループに入社し、札幌支社長を経て、現在横浜エリア部長。「札幌防犯健全協力会」の立ち上げや、「セックスワークサミット」への定期参加など、社会的な活動にも力を入れている。オフィスでは、奥さん差し入れのキャラクタースリッパを愛用。お酒が大好きな47歳。
『イエスグループ横浜』:公式サイト

執筆者プロフィール

赤星 アキラ

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元証券マン。リーマンショックを経て、ハタラクとジンセイをひたすら考え続ける。2015年春、縁あって風俗業界に転じ、FENIXプロジェクトを企画。Fenixzineを風俗でハタラク男性のプラットフォームにしていきたい。好きな音楽はV2。福岡市出身。

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