風俗店スタッフに届けたい魔法のメッセージ ~新海亨、花魁あや乃に会いに行く#1~
2016年10月18日
『Fenixzine』リリース当初から現役キャストのあや乃さんに執筆いただいた『風俗で働く女の子へかける魔法の言葉』の連載が最終回を迎えました。
あや乃さんをご存じない方のために、Fenixzine編集員、新海がインタビュー記事を今回から2回に渡ってお届けいたします。
前半はあや乃さんのこれまでのキャリアとご自身が代表を務める『日本風俗女子サポート協会』についてのお話です。
続く後半は『魔法の言葉』全11回の連載を通して風俗店スタッフの方たちに伝えたかった想いを語っていただきました。
多額の借金を背負い風俗の世界へ
-あや乃さんが風俗業界で働き始めたきっかけはなんだったんですか?
専門学校を卒業して、20歳のときにエステ関係の会社に就職したんですよ。その時の会社が自社の商品を買わなくてはならなかったんです。ノルマじゃないんですけど、雰囲気的にそういうのがあって。
商品をローンで買ううちにすごい借金が膨らんじゃって、最終的にどのくらいだったのかな? 多分300万くらいあったと思います。
-えっ! そんなに!?
そうなんです。借金を返済しながら働いていたんですけど、エステの仕事自体、体力的にきつくなってしまい退職しました。その後、普通のOLとして働き始めたんですけど、お給料がガクッと減ってしまったんです……。
そのうちローンの会社から電話がかかってくるようになって、家中にあるお金になりそうなものをかき集めて質屋にもって行ったりしていました。
いつの時代?って感じなんですけど、明日食べるご飯がないとか(笑)。この1000円でどう1週間過ごすか、みたいな感じの生活で。
-それで風俗の世界に入られたんですか?
そうですね。とにかく稼がないといけない状況でした。風俗なら稼げるってイメージがあったので。
ただ、一番は日払いでお給料をもらえるっていうところが大きかったですね。最初は名古屋のマットヘルスのお店です。
そのお店から始まって箱ヘル、デリヘル、エステ、ソープといろいろなお店でお世話になりました。
シゴト観を変えて、ジンセイがすごく良くなった!
-すべてのお店でナンバーワンになられたということなんですが、実際どんな努力をされたんですか?
そうですね(照)。ただ、キャリアを積んでいくなかで良いときもあれば、悪いときもありましたよ。
努力としては、とりあえず本屋さんにいって業種は違うけれど、接客に関する本を読んで盗めるところは盗むって感じですかね。
あとは、トライアンドエラーでいろいろと実践しながら、男性が喜ぶことってどんなことかを学んでいきました。
ただ私、実際そんなに技術ってないんですよ。大切なことは心だと思っています。
-初めてお会いして、Fenixzine編集長の赤星と一緒に打ち合わせをさせていただいたときも同じことをおっしゃってましたよね。「技術じゃない、心だ」と。
そうそう、本当に心なんです。この仕事で働くうえで、心というかマインドってすごく大事だと思っています。
私自身、風俗の仕事を始めた3年くらいは、「まあ稼げるし、自由だし、この仕事いいな」くらいにしか思ってなかったんです。
だけどある時、なんのきっかけだったか全然覚えてないんですけど「私がこの仕事をすることで世のため人のためになってるんじゃないか!?」って思ったんです。
「この仕事を頑張ることで、男性が癒されて明日の活力にしてくれるなら、これって日本経済に貢献している!」「いい仕事してる! 私!」って思えるようになったんです。
そうしたら、なんかすごく開けて。どうやったらもっとお客さんに喜んでもらえるかを考えるようになりました。
そういう自分の“在り方”をしっかりもつようになってから、これまで以上に人生が良くなったんです。
困窮した生活から抜け出すために風俗業界へ飛び込んだあや乃さん。働く前は不安があったと言いますが、風俗の仕事を通して自分の“在り方”を見出し、自己実現を叶えています。
続いては、あや乃さんが新たなチャレンジとして2016年6月に発足させた風俗嬢専用コミュニティ『日本風俗女子サポート協会』についてお話を伺いました。
依存し合うわけではなく、刺激しあえる場を作りたい
-あや乃さんが代表を務める『日本風俗女子サポート協会』はどういった経緯で発足に至ったんですか?
ある風俗嬢さんのセミナーに初めて参加した時、「こんな世界があるんだ!」って気づいたことがきっかけです。
それまでほかの女の子とお話しする機会ってほとんどなくて、ウェブで情報収集しようとしてもやり方がよくわからなかったですね。すごく孤独だったんです。
でも、そのセミナーで同業の人たちとお話することができて、すごく安心したというか、心から悩みとか相談を打ち明けることができたんです。
私もそんなコミュニティを作りたいと思い、『日本風俗女子サポート協会』を発足しました。
この業界って女の子も、店舗のスタッフさんもそうなんですけど、すごく閉鎖的な世界だと思うんです。横のつながりって極端に少ないですよね。
風俗以外の一般の仕事だったり職種だったら、同業者同士で勉強会とかセミナーとかってたくさんあると思うんです。でも「なんで風俗だけこんなに少ないんだ!」と気づいて。
依存し合うわけではなく、刺激し合える場を作りたいなと思ったんです。
-実際にどんな活動をされているんですか?
定期的に悩み相談ができる女子会や、講師の先生をお招きして接客に使えるマッサージテクニックの講習会を開いたりしています。
今のところ(2016年10月現在)日本全国で30名ほど会員になっていただいていて、毎月各地を飛び回ってイベントを開催しているところです。
キャッチコピーとしては「風俗女子に夢と自信と明るい未来を」っていうのを掲げています。この業界ってどうしてもネガティブに物事を考えてしまう女の子が多いんですよ。
私自身、人って思ったとおりの人生に絶対なると信じているんです。だからどんな女の子にも未来は明るいんだってことを信じて欲しくて、このキャッチコピーをつけました。
風俗というシゴトをポジティブにとらえた結果、ジンセイが開けたと語ってくれたあや乃さん。
もし、みなさんのお店で働く女性が、なにかに悩み苦しんでいるとしたら、あや乃さんのように、“なりたい自分”のイメージをもてれば未来は明るいと伝えてみるのはいかがでしょうか。
続く後編では、『魔法の言葉』の連載を通じて読者の皆さんに届けたいメッセージを語っていただきます。
後編はコチラ>>
風俗店スタッフに届けたい魔法のメッセージ ~新海亨、花魁あや乃に会いに行く#2~
-
あや乃
風俗嬢歴10年。風俗の世界で男性心理、コミュニケーション術を学び、人気風俗嬢に。在籍したすべてのお店でナンバーワンを獲得。人気風俗嬢の経験を活かし、キャストに向けた交流会やカウンセリング、内勤風俗店スタッフに向けたセミナーなどの活動を精力的に行っている。日本風俗女子サポート協会:公式ブログ
人気企業・レア企業の求人を多数掲載
風俗業界の転職情報を探すなら