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一般職(内勤・スタッフ)】クリス上原さんのインタビュー記事

2016年入社

クリス上原 (30歳)

一般職(内勤・スタッフ)

前職:工場等で、職人

2018.7.15

「接客なんてでけへん」だった自分が、今は主任。この世界なら、努力は実を結ぶ

この記事のポイント!

  • ケンカが元で、現場の職人が風俗へ。180°の転換
  • 言葉づかいの荒さは、まさに“壁”。悩んだ日々
  • “自分も楽しむ”。他店に通うことで、切り開いた未来

「接客なんてでけへん」 ずっとそう思っていました。

今30歳になりましたけど、高校卒業してからずっと、地元の兵庫で肉体労働ばかりという感じでした。工場で金属加工をしたり、鉄やメッキだと持たない、酸なんかを容れる特殊なタンクを作ったりしていました。

危険な現場もけっこうありましたよ。下手したら屋根を吹っ飛ばすぐらいの爆発が起きるような。コワいと言えばコワいです。ガスマスクを付けて仕事したり、高いところで作業するようなこともありましたから。

辞めたきっかけはケンカです(笑)。当時いた会社の副社長に「会社を大きくするために、上原は営業に回ってくれ」と言われて。

こっちはずっと職人で来てますからね。「そんなんでけへん」という形で、飛び出してしまった。

180°の転換。「全然畑の違うところに行ったれ」

それでこの業界に入ってくるわけですけど、不思議ですよね。職人だから接客なんてしたことがない。だから頭に来て辞めたのに、この職を選ぶわけですから(笑)。

でも辞めた時に、営業っていう言葉も頭に残っていたと思うんですけど、「全然畑の違うところに行ったれ」みたいな気持ちが湧いて来たんです。

実は僕、10年ぐらい前に大阪に住んでいたことがあって。その当時は寮暮らしで新聞配達をしていたんですけど、難波も近くて、めちゃくちゃ楽しかったんですね。それで、「もう一度大阪に行ったれ」っていう思いもありました。

業界に対する悪いイメージが、なかったわけじゃないんです。“裏の世界と繋がってるんじゃないか”とかですね。

でもWebで求人を検索して、『夜這い』で面接を受けて、何というか“普通”だったんですよね。いざ働くとそれが当たり前なのがわかるんですけど、キレイなオフィスに通されて、マジメそうなサラリーマンの人が話を聞いてくれてっていう感じで。

「自分でもいけるんちゃうかな」って、思えたんです。

言葉づかいの“壁”。どうやって克服したか

でも入ってから苦労しました。思った通り、“言葉づかい”で。もう“壁”でしたね。それまで工場やなんかで、師匠が職人に「ガーっ」て怒鳴るみたいな環境に長くいましたから。

そんなつもりは全くないんですけど、女の子から「不愛想だ」とか「コワい」って言われたり、店長からも「君ちょっとコワいよ。笑って」って……。

なので眼鏡を掛けてみたり、ちょっとギャグを言うようにしたりしてがんばるんですけど、わかってないんですよ。根本のところで身に付かないというか。まず「ですます」って、そんなに使わずに生きて来ましたしね。

「どうしたら良いんだろう?」と悩んで、だからって悩んでる場合でもないから、とにかく「他の風俗店の接客を身に行こう」と。これが役に立ちました。

遊ばないで、受付にだけ行くんです。お客のフリして。色々行ってみると、納得できるようになります。「ああそうか。感じが良い悪いって、確かにあるんだな」というのがわかってきました。

それは言葉づかいだけじゃないんですね。雰囲気もそうなんです。

例えば受付だけですから「ごめんなさい。今日は帰ります」って言ったとするでしょう? そしたら店員の応対には3パターンぐらいあるんですね。

急に態度が変わってコワくなって、すごんで来るようなお店がある。かと思えば、「いや、次じゃなくて今日遊んでください」って、すごくしつこいお店もありました。

逆に良いお店は、遊ばない客でも気持ちよくさせてくれるんです。「お好みの子おりません? 残念ですわあ。わざわざ来ていただいたのに」って。

それでその店員さんの顔見ると、ニコニコ笑顔だし、全然イヤミもないんですよね。自分がほんとうに客だったら?って考えた時に「今日は遊ばんけど、この店員やったらまた来たろ」って思うだろうなって。

ドキドキもしましたけど、それがわかっただけでも、僕にとってはすごく収穫でした。

目指すのは、ディズニーランドの接客

店長もよく言うんですよ。「ウチらはディズニーランドのスタッフやぞ」って。

エンターテインメントなんや。最高のおもてなしをするんや。どんな時も気分よくお客様に帰ってもらうんやって。

「そうか」って、少しずつ僕も変わっていったんです。ほら、ディズニーランドのスタッフって、僕も行った回数は限られていますけど、みんな楽しそうでしょう? 自分まで楽しくなれるような接客をしてみようと思ったんです。

自分も風俗は好きで、だからこの世界に入ったのもありますし、まず自分が楽しんだら、お客様に伝わるんじゃないかって。

ちゃんと接客できてます? ほんまですか? 全然コワくない? それは嬉しいですね(笑)。僕もやっとですかね。

今、主任なんですよ。ほんとはもっともっと早く主任になれた人もいるんですけど、僕は一歩一歩でやっとです。生活もそうなんです。お金が良くなったんで、今1Kから1LDKに引っ越すところで……。

この後副店長になったら2LDKに引っ越すつもりです。そんな感じで少しずつ上を目指していくのが、自分なのかなって思います。スーツもちょっと奮発して、今までより良いものを買ったりだとか。

現場の時と比べたら、そもそもの給料が違うし、結果を認めてもらえれば役職や昇給で応えていただけるのが嬉しいですよね。次が見える。

ディズニーランドの接客目指して、これからもがんばりたいです。

(インタビュー:新海亨)

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

言葉づかいを“壁”と感じた時に、あきらめてしまわず、眼鏡を掛けてみたり、ギャグを言ってみたり、せっかくのお休みを返上して、他店の接客を研究しに行ったという上原さん……。自分はまだまだと言いますが、そこまでできず、途中で投げ出してしまう人も、世の中には多くいます。“努力の人”という言葉が、ピッタリという印象を受けました。今この時もきっと、気持ちの良い接客をされていることでしょう。

プロフィール

クリス上原

一般職(内勤・スタッフ)

(前職:工場等で、職人)