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「つまらない」と、大学を中退。中州でキャバクラのボーイに

社会人になった歳？（笑） また随分さかのぼるんですね。宮崎から福岡に出て、1週間もせずに大学を中退しましたから、18歳の時ですね。

それまで何となく親の言われるままに勉強を続けて入試も受けて。大学に入ったまでは良かったんですが、ガイダンスを受けている内に「やっぱりゼッタイ違うぞ」と。

「おもしろくない。何にもならない。時間のムダ」

で、中州のキャバクラでボーイを始めたんです。当時マンガの『夜王』なんかを読んでいて、夜の世界に漠然と憧れがあったんですね。すぐに働けるということでしたし、深く考えずに「やってみよう」という感じでした。

女の子とどう接していいのかわかりませんし（笑）、最初は戸惑いもありましたけど、楽しかったですよ。3年の間に店長までやりました。

振り返ると、人のマネジメントやお金の支出入まで学べて、すごくありがたい時間でしたよね。もし大学に残っていたら、とてもあんな風に充実はしていなかったと思います（笑）。

地方でのんびりより刺激的な毎日を送りたい。お金だって欲しい

それからは好奇心のままに、東京で不動産営業を3年、熊本でデリヘルを2年という形で転職しました。やがて再度上京したのが……2年半前ですね。

もともとデリへルは知人に誘われて始めたんですが、熊本という土地柄なのか、僕には“のんびり”仕事をしているように感じられてしまって。

もちろんそれが悪いというわけではないんですが、ルーティーンをこなす毎日ではなく、“ワクワクしたり、天井知らずで高収入を目指したり”という環境に、身を置きたいと思っちゃったんです。

たぶん、くすぶっているような感覚があったんでしょうね。不動産時代に地方より刺激があるのは感じていましたから、「どうせなら東京で勝負したい」という気持ちになって。

やがてお店探しを始めて、『ステラトウキョウ』にお世話になることを決めたんです。

戦略は“スタンダード”。激戦地池袋で、後発のお店がなぜ？

実際に働いてみると“ワクワク”は想像以上でした。僕が入った時、お店はまだできて半年ぐらい。先輩達を中心に、みんなで作り上げていく楽しさがあったんです。

3年前と言ったら、都内にはもうデリヘルは乱立状態。中でもお店を構えた池袋は“激戦区”です。そこで「勝ち残ろう」という時に、先輩達はあえて“スタンダード”を選んでいました。一定以上の容姿の女の子達が集ってはいたんですが、“コンセプト”は定めなかったんですね。

なぜかと言うと、例えば学園系だと清楚で制服の似合う子、ギャル系だとノリの良い子、ロリ系には見た目幼いかわいい子という感じで、“ウリの看板”を掲げることは、実は求人の間口を狭めてしまうことでもあるんです。

「私はロリ系ムリだなあ……」

募集内容やオフィシャルサイトからこんな風に感じてしまったら、その時点でこの子は、応募のボタンをクリックさえしてくれません。すごくお仕事に真剣で、活躍できる子かもしれないのに。

“色んな子”。多様なニーズに応えることで、大人気店に成長

特に“条件”を定めなかったことで、逆にウチには色んな女の子が興味を持ってくれました。そしてこの次の展開として、僕らスタッフはお店ではなく、1人ひとりにコンセプトを考えることにしたんです。

女の子の希望、着てみたい服、性格や考えから来るできること、やってみたいこと。
スタッフが面接で感じるその子の雰囲気、「この方向だと人気が出そう」という感触。

この2つを掛け合わせて、それぞれの女の子をプロデュースするんですね。写真もテキストも練りに練って、その子をアピールします。

結果ウチに在籍の女の子は、多種多様です。かつやらされておらず、その子の魅力に沿ったマネジメントだからこそ、多くの子がポジティブに仕事に向き合ってもくれて……。

「ハイレベルな色んな子がいるお店。自分のタイプの子もきっと見つかるお店」

たくさんのお客様のニーズに応えることで、池袋の大人気店に成長できたのが、『ステラトウキョウ』でした。

「続けてほしい」。だから福利厚生も待遇も、当たり前に整備

頑張り甲斐もすごくある職場でした。成果を出せばしっかり給与を上げてくれて……。

当時の僕の例で言えば、試用期間から月給は30万円、8か月後に主任で35万円、1年半で副店長40万円。今年からは店長として、55万円頂いています。

しかもこれは基本給ですからね。ここにそれぞれインセンティブが付くので、今では月の売上に応じて80～100万円の月給です。繰り返しになりますけど、僕はまだ入社して2年半ですよ（笑）。

付け加えると、まだまだ制度が整わないところも多いようですが、ウチでは業績に応じて賞与も夏冬計5か月分出ます。交通費なんかも当たり前に支給されますし、社会保険も完備です。

その分労働時間が長いなんてこともないですよ。実働9時間。有休だって取れます。

この辺りは、言い方はあれですけど、僕が入社した時からきちんと一般企業と同じように制度として整っていました。やっぱり「続けてほしい」という思いが上にあったからだと思います。

女の子には卒業があっても、スタッフにはない。電話応対の“コツ”1つにしたって、共有してみんなで磨き上げるもの。この意識がなければ、今のお店の好評はないでしょう。

おかげさまでノウハウも蓄積されて、『ステラ』は多店舗展開に踏み切ろうとしています。やりがいも見返りもますます大きくなって、入社には一番良い時じゃないかなと。冗談抜きに、新人さんが羨ましいぐらいです（笑）。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

「後発でどうして池袋で1番になれたんですか？」
松坂の率直な疑問に、佐藤さんは丁寧に答えてくれたそうです。あえてスタンダードを選び、色んな子を受け入れた上で、1人ひとりを全力プロデュース……。「なるほど」と感じた方もきっと多いでしょう。次の『ステラ』は、どの地に誕生するのか。今から楽しみですね。