【総合職(店長・幹部候補)】湯川ひろしさんのインタビュー記事
2008年入社
湯川ひろし (40歳)
総合職(店長・幹部候補)
前職:店舗スタッフ
2018.7.10
“暇で暇で”のお店が大人気のグループに。キーワードは“コンセプト力+リピート力”
この記事のポイント!
- 50代のオバちゃんが寝てる! お店によって、風俗はこんなにも違う
- あきらめる必要はない。“1人”指名があれば、可能性は必ず広げられる
- コンセプトにブレないこと。新ブランドも必ず広げてみせる
18時間労働で、1か月休みなし。続けられなかった
どこから話せば良いか……。この『熟女家グループ』に入るまでには、なかなか紆余曲折がありましたね(笑)。
13年前、最初に風俗業界に入った理由は、借金だったんですよ。若気の至りと言って良いのかな。ギャンブルで、250万円ぐらいの借金を作ってしまったんです。
そこには最初、風俗店だって知らなくて入って(笑)。ただ日払で1万円以上だったんで、借金のこともあるし、続けていたんですね。
続けているうちに慣れはしましたし、借金も返せていたんですよ。ただ18時間労働で、1か月休みなしとかもザラで、過酷さに耐えきれなくなったんですね。
それなりのポジションにいて、お金も良かったですけど、頭はハゲて来るし、ノイローゼにもなるし、おまけに降格までさせられて、「こうしてハゲのおっさんとして死んでいくのかなあ」と思ったり……。
「もうダメだ」と思って、辞めて1か月ぐらいしたら髪の毛はまたフサフサになりましたけどね(笑)。何のことはない。やっぱりストレスだったんですよ。ムリな働き方がたたったんでしょう。
はじめのお店とのギャップ。普通のオバちゃんが寝てる!
それから三重県の半導体工場でのんびり働いたりした後、父と一緒に婦人服の会社を立ち上げたんです。もともと父が婦人服の業界にいた関係で。
ところが結果的にこれがよくなかった(笑)。また借金してしまうんですよ。ギャンブルはきっぱり止めていたんですけど、今度は事業がうまく行かなかったんですね。それで、この業界に舞い戻ってきたんです。
前にやっていたから楽だろうとか、そういうメリットは全然感じられなかったですね。それどころじゃないというか……。お店の雰囲気が、前とはあまりにも懸け離れていたんで(笑)。
前のところはまず、キレイどころが揃っていましたし、何より若いし、そこだけを取り出せばまあ、普通の風俗店ですよね。
一方のウチは『熟女家』っていうぐらいですから、当然年齢は高い。ここで僕がいちばんはじめに会ったキャストさんは50代で、当時の集団待機室で眠っていたんですよ。言いかたはあれですけど、普通のオバちゃんが、普通に眠っていました(笑)。
ある意味衝撃でしたよね。こんな方も風俗にはいるんだなと。お客様が付くんだなと。
で、実際付くわけです。この方にもはじめから、1人2人の指名が付いていましたからね。まだお店は小さかったですけど「じゃあやってみるか」という思いでした。
キャストさんが半分に。忍耐の二文字で乗り越えた
入って1年で、僕自身で梅田店を立ち上げたんです。よく覚えていますよ。プレオープンは6月20日でした。
きつかった。まず「一緒にやろう」と言っていたパートナーが、1週間ぐらいで入院してしまったんです。プレッシャーで。
それでも“梅田に新店オープン”ですからね。会社も期待してくれて、人をヘルプで寄越してくれるんですけど、まあ暇で暇で、電話が一切鳴りません。20人いたキャストさんが、7月1日のグランドオープンの時には、半分の10人になっていたぐらいでした。
1日出勤は2、3人。もう忍耐ですよね。梅田の店舗に寝泊まりしてがんばりました。
でも、がんばったのは僕だけじゃないんです。キャストさんたちも、暇でも我慢強く耐えてくれていました。
これはたぶんウチが熟女店で、人生経験も豊富な、耐えることを知っていたキャストさんたちだから、できたことだと思います。若い子だけのお店だったら、あんなに我慢してくれたかなと思うんです。4か月ぐらいで軌道に乗ってくれたときには、感謝の気持ちでいっぱいでしたね。
その後立ち上げた東大阪店もそうですけど、グループの成功は、時代が高齢化社会を迎えていたというのが、要因としてあったと思います。例えば結婚の時期とかも上がってきていますよね。たぶん全ての年齢が、上がっているんだと思うんです。
その流れで熟女ブームがあって、ニーズにマッチしたのが、目の付け所と言うんですか、ウチの成功の秘訣だったんでしょうね。
今ではブランド力も付きましたし、ウチはリピーターのお客様が多い。コンセプト力に加えて、ここが強みですよね。それで大きくなれたんだと思います。
0×0はどこまで行っても0。でも、1なら……
リピーターという意味で言えば、例えばキレイな女性というのは話さなくたって良いんですよ。それだけで売れるから。
ところがウチには、そうではないキャストさんもいらっしゃる。個性派と言っても良いぐらい。だからってハジいたりはしません。一緒によく話し合って手探りして、どうすればアピールできるかを考えます。
人の好みは色々なんですよ。この仕事をしていると、よくわかります。パーセンテージで言えば、指名0%と1%は、全く意味合いが違うんです。
100人付いてもリピートが0人だった人は、千人付いても0人の可能性が高いでしょう。0はいくら数字を掛けたって0です。対策を考えようがない。
でも1人でもいた人は、そこから“掛け算”ができるんです。当然ですけど、1×2=2、2×2=4て、可能性を広げていけます。
「このキャストさんは良かった」と、指名をくれた人がいる。どこが良かったのかを考える。考えた結果がキャストさんの人気であり、この店舗の広がりなんです。キレイどころをただソロえた会社さんには、この努力はわからないでしょう(笑)。
コンセプト力+リピート力で、新たな広がりを
今年新ブランドを立ち上げて、これも7月1日にグランドオープンします。『熟女屋PLUS』。僕が考えたコンセプトです。
イメージは“宇宙”なんですよ。今までのヘルスに、いくつものサービスを“プラス”するんです。それもイベントとかで一時的に新しいものをやるんじゃなくて、継続的に行います。
ヘルスにエステやマッサージの要素をプラスして“健康”まで打ち出しているんです。しかもプラスは“オマケ”ではないんですね。本格的にやります。キャストさんは講習を受けて、本格的にマッサージやエステの技術を身に付けられるんです。
コンセプト力とリピーターを付けるための努力で、私たちもここまで来ました。この新しいコンセプトも広がればと思って、僕の夢も込めて、宇宙をイメージしたんです。
ほんとうにこれからですけど、“コンセプトさえしっかりしていれば広がる”というのは確かなことだと思いますし、リピート力にもつながるはずなんです。なかなか人気に結びつかなった女性でも、“めちゃくちゃマッサージがうまい”となったら、行きたいと思うお客様も付くかもしれないでしょう。
面接に来てくれたキャストさんにも、そういうアドバイスもしようと思っているんです。今度もブレずに邁進していきたいですね。
(インタビュー:新海亨)
取材後記
プロフィール
湯川ひろし
総合職(店長・幹部候補)
(前職:店舗スタッフ)