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総務・人事】新井裕貴さんのインタビュー記事

2016年入社

新井裕貴 (35歳)

総務・人事

前職:パチンコ店員 ⇒ デリヘル店長

2018.12.21

“現場”への思いを忘れずに。店長経験があるからこそ、人を大切にしたい

この記事のポイント!

  • 前職はトータルで7年。“現場”と上との乖離に悩んだ日々
  • 売上のために、何が必要なのか。何を揃えれば良いのか
  • 「なんとかしてあげなくちゃ」の根底には、母への思いが

新卒で勤めたところは、7か月でなくなってしまった

東京の専門学校を卒業して、最初に勤めたのは地元前橋のパチンコ店でした。

理由? 稼ぎたいという思いももちろんありましたけど、“人と接する仕事に就きたい”というのが、いちばん大きいですかね。逆に言うと、1人で黙々と、というのは、僕は苦手かもしれません。

新卒ですからね。それはそれは一生懸命働きましたけど、そのお店、7か月でなくなってしまったんです。

もうね、行ったらお店がなかった。ショックでしたねえ。それなりに貯金もあったんで、また上京したんですけど、しばらくは何もせずにふらふらしちゃったぐらいでした。

その後個室ビデオ店に数年勤めました。……ここはまあ、なかなかブラックな企業でしたよ。みんなすぐ飛んじゃってね。僕はきちんと辞表を出したんで、褒められたぐらいでしたから(笑)。

前職はトータルで7年。“現場”と上との乖離に悩んだ日々

風俗店との出会いは“紹介”です。個室ビデオ店の時の知人が、先に勤めていたんですね。

大手のグループで、そのころは特に、都内各地に新店舗を出して、勢力を拡大していたような時期でした。僕も前職での経験を買われて、すぐに店長を任されたような感じです。

店長として売上を伸ばして、新店を出したらまた売上をつくって……。一旦そこを辞めた後また戻ってますから、トータルでは7年ぐらいいたんじゃないかな。

ええ、仕事は楽しかったですよね。つらい苦しいっていうこともなかったですよ。

やっぱりやったらやった分だけ結果になる。売り上げになる利益になるっていう手応えは常に得られたんで、充実感がありました。

一旦辞めて、戻ったほどのグループです。充実感もあった。ならなぜまた辞めたのかと言ったら、最終的には上と“現場”とが、離れちゃっていることへの不満ですね。やるだけやりはしたんですけど、どうしても僕も力不足で、そこを解消することができなかった。

スタッフの声が聞かれずに、目標だけが降りてくるんですね。例えば池袋にお店があるとしたら、そこだけじゃなくて「池袋一帯の売り上げが落ちてるな」という瞬間もあるわけです。でも上の人は現場を知らないから、それをわかってくれない。結果もすぐ欲しがる傾向にありました。

「どうしてこの売上なんだ」

オープン1か月でそんなことを言われたりする。

「いや、まだ女の子がいません」「求人出てないじゃないですか」「電話を取るスタッフの数が……」

現場はそう思う。思っても現場って頑張るんです。だけど闇雲に頑張って結果が出るなら、どこだって成功できているはずでしょう。計画がいるし、投資がいるんです。

悩んでいた時に、PWグループとの出会いがありました。また知人がね、声を掛けてくれたんですよ。

「現場を大事にする新井さんなら、きっと合うから」

売上のために、何が必要なのか。何を揃えれば良いのか

何が入社の決め手になったか?(笑) 社長です。

面接でね。社長、何にも言わないんですよ。履歴書を見て、僕の顔を見て、僕の思いを聞いて、一言でした。

「よくわかった。君なら大丈夫。やれるよ」

ウソみたいでしょう? でも「ああこの人なら」って思えた瞬間です。大事にしているものに、通じるものがあったと言えば良いかな。

実際ね。ここの会社は何年か置きに新店を出してますけど、“はじめに計画ありき”ですよ。「とりあえず走れ」なんて絶対にない。

まだ女の子が足りない。まだスタッフが足りない。「待て待て。焦るな」……社長がこう言うぐらいですからね。

要はね、自信があるんですよ。なので慌てることがない。きちんとリサーチして出店する。その上でスタート前にきっちり女性を揃えるノウハウがある。最後に、投資を惜しんでいないんですね。おこがましい言い方ですけど、“どこにお金を使うべきなのか”ということが、よくわかっている。

さて、となってここに1つだけ欠けているものがあるんです。松坂さん、これ何だかわかります?……さすが、勘が良いですね(笑)。そう、スタッフの頑張りなんです。

もう土台はしっかりできているし、予測も立ててある。だから僕らは、目標に沿って頑張れるんですよね。上と現場が、一体になっているんです。

「なんとかしてあげなくちゃ」の根底には、母への思いが

安心して、と言ったら社長に怒られそうですけど(笑)、ここで2年半、おかげさまで僕は、今まででいちばんノビノビ働けていると思います。

当たり前ですけど、最初は店舗で1スタッフとしてスタートして、主任、店長という感じ。真っ当に働いていれば結果は付いてくるという思い、支えがあったんで、頑張り甲斐がありました。

女性に対しては、これはどこの店舗でもそうすべきだと思いますけど“誠実に”ということに尽きる気がします。

正直みんな何らかの理由で、金銭を必要として来ることが多いわけですよね。それは学費であったり、若いが故の過ちであったり、シングルマザーだったりすることもある……。

彼女たちの助けになっている、助けにならなきゃいけないっていう思いは、常にあります。女性がいなければ、この事業は成り立たないわけですしね。だから当然僕はまとめ役として環境づくりに気を配るし、心掛けているのは、相手の思いを引き出してあげるっていうことですね。

例えば意外とね、面接ではついつい俯いて、黙ってしまうという女性も多い。こういう時、僕は言ってしまうんですよ。

「よっぽどのことでしょう。ここへ来るんだもん。お金が必要だから来たんでしょう」

もちろん人を見て言葉を選ばなきゃいけないですけど、こうして声を掛けることで、ホッとすることもある。緊張が解けて、色んな話をしてくれる。そこではじめて、「じゃあそっか、目標はこんな感じだね」って、その方の置かれている状況や環境を考慮して、卒業なら卒業に向けて、一緒に計画を立てられるんです。

僕の母も苦労した人でした。僕は幼いころからそれを見て育った。そういうのって、やっぱり抜けないんでしょうね。

「なんとかしてあげなくちゃ」

女性が困っていたら、今でもそう思いますよ。僕が直接お金を渡すことはできない。でも、状況を良くするためのお手伝いはできます。気持ち良く働けるように環境を整える。それが僕の役割だと思っています。

どんな人でもできる仕事。でも、続けるためには

今は総務なんですよ。全体を見ている感じ。女性の求人もしますし、スタッフ求人の窓口も、僕ですよ~。

どんな方に来てほしいか?……そうですねえ、さっきも言いましたけど、闇雲ではなくて、ちゃんと計画があって、投資も惜しまないのがウチのグループの良いところです。コツコツ普通に頑張れるなら、どんな方でも活躍できるはずですよ。

未経験でも構わない。性別だって問いません。必ずウチには役割があるから。ただ1つアドバイスするとすれば、何か野望と言えば良いですかね、お金でも良いし、漠然と“何者かになりたい”という願望でも良いんです。強い思いがあると、仕事が楽しいですよね。

そしてたぶん、その思いに応えるのが、企業の役割なんじゃないかなと。頑張っている現場に給与……だけじゃないですね、言葉で。

ウチね、社長面談があるんですよ。直接言葉を交わせるんです。

応募や面接の時にだって、社長に直接色々言ってくれて良いですよ。例えば「育児があるんで、週休2日にしてください」とかね。これこそ現場の声じゃないですか。

心配があると働けないもんです。僕も妻がいるんで、社長が気に掛けてくれます。「元気ないな。何かあったか?」と。また伝わるものなんですね、表情で(笑)。

お客様も人、スタッフも人、届けるものも人ですからね、この業界は。これからも僕はみんなの思いを大切にしたいと思うし、同じように人が好きなら、きっと誰だって続けられる仕事だと思っています。

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

何度も、“現場”と話された新井さん。口にこそお出しになりませんが、前職までに責任者として、さまざま悔しい思いをされていたのだと思います。ノウハウ、計画が大事、闇雲ではダメだという言葉も、心に沁みました。「自分の会社はどうかな?」「僕は計画的に生きられているかな?」と、考えさせられた取材でした。

プロフィール

新井裕貴

総務・人事

(前職:パチンコ店員 ⇒ デリヘル店長)