盗撮ダメ絶対! 本当にあった怖い税務調査を暴露『風俗裏超会議』
2018年02月16日
風俗に関わる法律や税が学べる『業界専門顧問弁護士と顧問税理士の風俗裏超会議』が2018年2月7日(水)に開催されました。来るべき2020年の東京オリンピックに向けて、風俗業界を健全化しようという趣旨で始まった、こちらのトークイベント。
今回のテーマは風俗業界における「嬢(キャスト)の盗撮」と「税務調査」について。気軽な気持ちでキャストを盗撮するとどうなるのか? また、突然の税務調査は何がきっかけなのか? 風俗店スタッフなら知っておくとタメになるイベントの模様をお届けします。
第一部 ネットで盗撮映像を売る悪質犯
「嬢の盗撮」問題について語るのは、『弁護士法人グラディアトル法律事務所』の代表弁護士・若林翔さん。
利用客がキャストを盗撮して問題になる相談件数は、2018年現在、年200~300件。そのうちの半分は利用客側からの相談で、撮影して店から訴えられたので対処法を知りたい、という内容だそうです。
また、店側は撮影して逃げた客を捕まえたい、ネットで盗撮映像を販売しているので対処したいという相談が寄せられています。
すでに盗撮されてしまった場合の解決策としては、店とキャスト側が示談金で解決する方法がひとつ。それでも納得できない場合は、裁判を起こして損害賠償を請求するケース,刑事告訴をするなどして刑事事件に発展させ、警察介入で逮捕となるケースも紹介されていました。示談金額は状況次第ではあるものの高いものだと100万円を超えるとのこと。
ゲストのセクシー女優・湊 莉久さんも、「ネットに画像が上がったらダウンロードした人のことも考えると一生消せない。傷付くのは女の子」と擁護。若林弁護士は、「ポーズの注文がやたらある客は怪しい」と事例を紹介していました。
怪しい客の見分け方は? 教えてあや乃さん!
全国の風俗で働く女性の地位向上を図る「日本風俗女子サポート協会」のあや乃さんは、自身もキャストの時に盗聴被害にあったことがあるそうで、その時は自分で盗聴器を見つけ、お店の人に連絡して解決してもらったそうです。
盗聴に気付いた理由は、枕が不自然な位置にあり怪しいと思ったら、ICレコーダーを発見。その時は「一人になったときにさびしいから」という理由だったそうですが、中には本番強要のためにキャストの証言を録音する悪質なケースもあるそうなので、キャストや店側の意識も注意が必要です。
また、車のカギが盗撮カメラになっていた事例もあるそうで、あや乃さんは、不自然な位置にカギや携帯、カバンといった小物が置かれているときは、「汚れるといけないから、ハンカチで包んでおくね」と、隠してあげるのがいいと明かし、相手を気遣いながら盗撮を防げる言い回しに、会場一同が感嘆の声をあげていました。
- 風俗専門弁護士のワンポイントアドバイス!
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- 盗撮をした客が逃げてしまった場合にも,電話番号から住所の追跡が可能!
- 動画がアップされた場合、IPアドレス、プロバイダ情報等から個人特定できる可能性がある!
- 示談金で100万円以上取れることもある!
- 弁護士による法的措置があるという認識が抑止力として女性を守ることにつながる!
第二部 狙われやすい!? 風俗店への税務調査
二部は風俗業界における税務調査について、『税理士法人松本』代表の松本崇宏さんが語ります。飲食店や風俗店のような不特定多数を相手にする現金商売は、税金をごまかしやすいといわれています。
税務署は、震災復興時なら建築関係、新サービスで話題になればIT企業など、狙う業界を定めて税務調査に入っているそうです。しかし、脱税ランキングで常に上位を占める風俗業界は、常に監視の対象とされています。
税務調査の連絡は、商社などの一般企業では、最初に顧問弁護士のところに連絡が来ます。しかし、風俗の場合、予告なしで店舗に直接抜き打ち調査に来るそうです。これは、先述の通り、現金商売でごまかしやすいと税務署に認識されているからです。
調査の際は、風俗店の客として税務署の人が潜入調査にきているそうで、その場合、クレジットカードではなく、必ず一万円札で支払って、そのお札の番号を控えているそうです。そして、そのお金にマーキングをして、流れを追跡してるんだとか。
内観調査の期間は、半年~1年かけて行われることが多く、とある店舗では4年前からホームページ上でキャストの出勤情報などをずっとマークされていたケースもあるそうなので、ごまかしはきかないようです。
また、新宿の税務署には風俗専門の部隊がいて、最初は60分一万円コース、次は60分一万円コースに30分延長、その次は60分一万円コースにオプションをつけてなど、客として徐々にコースを変えて、お金の流れを調査するんだとか。そのため3Pコースを試す税務官もいるそうで、これには湊莉久さんも「私たちの税金が!」とコメントしていました。
他にも、風俗関連の口コミ掲示板や、内部スタッフ・キャストによるタレコミ、交際相手からの告発など、脱税が発覚するケースはさまざま。キャストの場合は、買い物などクレジットカードの利用額からも発覚するそうで、キャストは調査されないという都市伝説は信じないようにしましょう。
税務調査はどうやって来るの?
査察という、映画『マルサの女』のような強制捜査は年200件程、しかし通常の税務調査は年に約10万件もあるそうです。
実際の調査内容に関しては、最初に売上金がどのように流れているかの確認や、在籍スタッフの役割、CTIという顧客データシステムのチェック、ナンバーディスプレイと顧客名簿の照らし合わせ等から行われるそうです。
中には、パソコンに詳しくないからと調査官に自由に触らせると、削除した復元ファイルから真っ先にチェックされるそうで、偽装したとしてもすぐ見破られてしまいます。
強制捜査以外の税務調査は任意であるため、急に税務署が来たからといっても慌てず、「担当の顧問税理士が立ち会いますので」と、日を改めてもらいましょうと、大事に至らないためのテクニックが紹介されていました。
また、キャストの税務調査に関しては、過去に働いていたキャスト時代の請求が、結婚直前に来たという実例を紹介。税金は過去5年間に遡って支払う義務があるため、収入が少ないからバレない、お店の給与から何かが天引きされているから払われているはずという考えは捨てて、自身で確定申告は必ず行ったほうがいいと説明がありました。払わない場合、過去の未納分だけでなく、追徴課税といった罰金も払わされて膨大な額になったケースもあるので注意しましょう。
- 風俗専門税理士のワンポイントアドバイス!
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- 不正発見割合が高い風俗業界は、キャストも含めて常に税務調査対象と自覚する
- 内部告発、交友関係、クレジットカード履歴など発覚ルートは様々
- 長期間で税務官が客として潜入調査しているので言い逃れは不可能!
- 当日調査は任意のため、必ず顧問税理士に立ち会ってもらう
- 確定申告をしないと追徴課税のペナルティが発生!
笑って学べる、あっという間の三時間。当日は風俗店関係者、AV業界関係者、広告代理店の方々など幅広い分野の人達が参加されていました。
イベントの中盤と終了後には名刺交換などの交流ができる時間があり、法律や税務について相談できる機会がすくない風俗業界においてはすごく有意義な時間となりました。
次回は、残業代や労働時間、雇用における節税方法など、労働について予定しているとのこと。
法律と税と聞くと、身構えてしまう部分もありますが、いざというときに痛い目にあわないように、必要な知識は身につけておきましょう!
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グラディアトル法律事務所
東京・大阪に事務所を構える。11名の弁護士が、それぞれの得意分野で幅広い案件を取り扱う。若林弁護士は,顧問弁護士として、風俗、キャバクラ、ホストクラブ等、ナイトビジネス経営者の健全化に助力している。日々、全国から風営法やその周辺法規についての相談が寄せられる。また、店鋪のM&A、刑事事件対応、本番強要や盗撮などの客とのトラブル対応、労働問題等の女性キャストや男性従業員とのトラブル対応等、ナイトビジネスに関わる法務に精通している。
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税理士法人松本
風俗営業の税金・節税・税務調査に特化した事務所。デリヘル・ソープランドなど顧客の風俗店舗は全国に800社を超える。その他に、風俗嬢・キャバクラ専門で確定申告をサポートするサイト『姫タックス』を運営。
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