「現役のキャストさんのためにリアルな情報を行き渡らせたい」『musume connect』の代表が考えているコト
2019年09月20日
こんにちは、Fenixzine編集部の徳山です。
『musume connect』(旧サービス名:『@musume』)というサービスをご存知でしょうか?
musume connectは、風俗店キャストが実際に働いたお店に対して、リアルな感想を投稿・閲覧できる“ユーザー投稿型の完全会員制クチコミサイト”。
キャストにとって出稼ぎ先や、次に働くお店の参考になると話題です。
また、公式のnoteではクチコミを元に「良店オブザイヤー」を発表されており、目の離せない存在となっております。
風俗業界に突如現れ、瞬く間に広まったmusume connect。開発者はなぜこの様なサービスを立ち上げたのでしょうか? また、どんな人が運営してるのか気になりませんか?
今回、Fenixzine編集部はmusume connectに直接取材を敢行!
取材終了後の感想は「そんな強い意志があったとは……」でした!
業界関係者、特に求人担当の方にはぜひお読みいただきたいインタビューとなっております!
musume connectの紹介
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櫻井奈々子
2018年11月にサービスを開始した、風俗店キャストによる完全会員制クチコミサイト『musume connect』の代表。性別は女性、年齢はヒミツ。元・風俗店のキャストであり、元・店舗スタッフでもある。
転職用の口コミサイトを見て「これの風俗版があれば……」と思った
――こんにちは。Fenixzine編集部の徳山です。本日は電話取材よろしくお願い致します。
――改めまして、musume connectのサービス概要についてご説明いただけますか?
櫻井:musume connectは、風俗店で働くキャストさんのための完全会員制WEBサービスです。在籍したことのある店舗の“実際に働いてみてどうだったのかというリアルな声”と、“バック率・回転率・客層・スタッフ対応・店舗環境”の5項目を5段階評価で投稿していただき、会員の皆様で共有するクチコミサイトですね。現在は完全招待制となっております。
▲musume connectログイン後の画面(画像提供:musume connect)
▲クチコミ投稿画面のサンプル(画像提供:musume connect)
――『カイシャの評判』や『転職会議』の風俗店版ということですね!
――そうなんですね。この様なサービスを立ち上げたキッカケはなんだったのでしょうか?
――業界の悪習? どういうところでしょうか?
櫻井:求人の内容と実際の待遇に相違があるところですね。バック率が異なったり、「入店時に祝い金として○万円プレゼント」と書いてあるのに、いざ面接に向かったら、あと出しで条件を加えられて、結局もらえなかったってことも多かったです。
フツーのアルバイトの面接だったら、“時給1000円って書いてあるのに、面接に行ったら実は850円だった”ってことはほとんどないじゃないですか。でも、この業界はそういう行為が往々にして行われているんですよね。
なので、musume connectの様にユーザーがリアルな情報を書き込めて、閲覧できるサイトがあれば、不幸になる女の子も減るんじゃないかと思ったんです。
▲店舗に対するリアルなクチコミが閲覧可能、なおこちらのクチコミは記事用に作成したサンプルです(画像提供:musume connect様)
――そういった背景があったんですね。弊社は求人媒体も運営しているので、耳の痛い話ではあります……。
櫻井:求人の内容が虚偽かどうか媒体側では判断しづらいという問題はありますけどね。でも、そういうウソが業界のイメージを悪くしている一因だと思います。
風俗で働く女の子って、仕事が仕事だけに周りにも相談しにくいんですよ。お店によってはキャスト同士の連絡先交換が禁止とのところもあります。だから、基本的に自分が受けている待遇しか知らない。
なので、musume connectはリアルな情報を行き渡らせたいと思っています。目標としては業界の透明化ですね!
ちなみに櫻井さんは元スタッフでもあるので、連絡先交換禁止については「待機室が騒がしくなるので、店側が禁止にする理由も分からなくはない」とのことでした。
musume connectが浸透した理由はSNS
――musume connectの概要と理念がとてもよく分かりました。musume connectは櫻井様個人での運営なんでしょうか?
musume consulting
コンサル希望の店舗に伺い、musume connectに寄せられたクチコミを元に、スタッフ・キャストにカウンセリングを行い、問題点を洗い出し、店舗の改善策を提案するサービス。なお、musume consultingを希望したからといって、店舗側にmusume connect閲覧権はない。詳しくはコチラ。
――今、Twitterで「ムスメコネクト」、もしくは旧名の「アットムスメ」で検索すると分かるんですけど、かなりの数のキャストさんが利用されてますよね。2018年11月開始のサービスなのに、ここまで業界に浸透したのはなにか理由があるのでしょうか?
櫻井:そうですね、現在約1万弱ほどのクチコミが掲載されています。特に広報活動はしてないんですよ。私のTwitterアカウントのフォロワーが元々3000人くらいいたので、そこからジワジワと存在を知っていただきまして。Twitterで有名な風俗キャストアカウントの方が、サービスに好意的なツイートをしていただいたのをキッカケに広まったと認識しています。
先ほど、「今まで風俗業界にこの様なクチコミサービスがなかったのが謎」と言いましたが、SNSがなかったから知らなかっただけで、実はあったのかもしれませんね。とにかくSNSのおかげでたくさんの方に認知していただいたと思います。
ビジネス視点とキャスト視点でのいいお店
――サービスを運営するにあたって、人件費やサーバー代など費用がかかるかと思うんですけど、musume connectは無料サービスですよね? どのようにマネタイズを行っているのでしょうか?
――そのmusume consultingで気になる事があります。キャストからのクチコミを参考にし、コンサルを行うということなので、主に“キャストを大切にする”という方向での提案になるかと思うんですけど、それと“店の売上”は直結するのでしょうか? 経営者的な考え、いわゆるビジネス視点での“いいお店”と、キャスト視点の“いいお店”は異なるんじゃないかなと思っているのですが……。
櫻井:確かにビジネス視点とキャスト視点では“いいお店”の基準は異なります。
ただ私や担当者はスタッフ経験もございますので、ビジネス視点での意見や理屈は、ある程度理解しているつもりです。その上で、ビジネス視点・キャスト視点、どちらにとっても“いいお店”を成立させるのは可能だと思ってます。
ただ、そのバランスを取るのはかなり難しいことなので、第三者視点やクチコミとして投稿されているリアルな意見が、店舗改善の為に必要になってくると思うんですよ。
musume consultingを受けた店舗の声
公認店ページ公開後の面接数が通常時の約5倍、求人お問い合わせ数は約10倍となり、応募の対応に追われる日があるほどでした。
コンサル時に既にムスメコネクトさんを見て在籍してくれていた女性がいたこともあり、店舗内でも更に信頼関係が深まった様に思います!
嬉しいことにコンサル調査でのキャストさんの満足度は高かったようですが、その中で挙がった項目として、掲示板などの巡回をご提案いただき、定期的に実施することになりました!
いつも顔を合わせるからこそ、スタッフにもキャストさんにも言いやすいことと言いにくいことがそれぞれあると思うので、細かいことではありますがキャストさんが困っていることを知ることができて良かったです!
▲(テキスト提供:musume connect)
スタッフはとにかく“礼儀”を大切にせよ
――Fenixzineは風俗業界で働くスタッフへ向けたメディアなので、スタッフへの意見はどういったものが届いているのかもお聞きしたいです。いいスタッフ・ダメなスタッフの条件について、クチコミを見て気付いたことはありますか?
――スタッフに大事なことって、キャストさんとコミュニケーションをとって、働きやすい環境を作って、出勤率を上げることですもんね。
musume connectが目指すもの
――最後にmusume connectの最終目標を教えてもらってもよろしいでしょうか?
櫻井:この業界って、ほとんどの女性がお店の事を信用せずに半信半疑で求人に応募してると思うんです、「風俗業界だから誇張してんだろうな」という感じで。でも、それって異常なことですから!
なのでmusume connectがもっと広まって、虚偽の広告で人を呼ぶ悪習を断ち切りたいですね。この活動が耳に入っても尚悪質さの変わらない、変わろうとしない店舗に対しては「潰れてしまえ!」とさえ思ってますから(笑)。
また、musume connectを始めたことで生々しいくらいに“キャストさんが店舗に求めているもの・嫌うもの”が分かってきました。非常に価値のある情報だと思うので、私と同じような志を持つオーナーさんだったり、店長さんにmusume consultingを通じて共有して、いわゆる良店さんが増えて欲しいなと思います。
――そういえば、musume connectの類似サービスも何個か出てきていますよね。
櫻井:弊社と似たようなサービスもいくつか出てきたみたいなんですけど、どちらが先とか後とかは気にしてないんですよ。むしろ「いいお店・悪いお店が分かりやすくなって、女の子が助かってくれたらいいな」って思っています。
ただでさえ大変な仕事だと思うので、少しでも私たちのサービスで、キャストさんの負担を減らせたらと思います!
――なんて気高い精神! ありがとうございました!
取材後記
自身が転職する際、必ず『カイシャの評判』等のクチコミサイトで確認していたので、musume connectの存在をTwitterで知った時は「すごくいいサービスが現れたな!」と感じたのを覚えています。今回、櫻井様に取材をしてその気持ちが一層強くなりました。
「悪質店はなくなってほしい」
その思いは求人媒体にとっても同じです。関係者の方には「こういうサービスがあって、ウソをついたら必ず誰かが見ている」ということを念頭において、健全な経営をしていただきたいと思います。
今後もmusume connectから目が離せないですね!
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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