風俗業界で言う“結果”とは? ~アキバマサトの『風俗業界一年目の教科書』~
2016年12月21日
みなさん、こんにちは。ハイパーエロメディアクリエイターのアキバマサトです。
今回は、風俗業界の「結果」についての話をしてみたいと思います。
この業界に限らず、どんな業界であっても民間の営利企業であれば、最終的に「結果=収益を上げること」なのは言うまでもありません。
ビジネスを行ううえでの一般論かもしれませんが、業務上で行う「プロモーション」や「ブランディング」や「マーケティング」、当然これらはすべて「収益を上げる」という一点に向かっています。
しかし、その距離や経路などの違いにより、さまざまなカラーが生まれるものです。
新規オープンのデリヘルで3か月後に月商1億円の結果を出す方法
極端な話ですが、もし仮に、僕がたった今から新規でデリヘル店をオープンさせて、3か月後の目標月商が1億円だとします。
その場合、まず最初に思い付く方法は詐欺行為などの犯罪です。冗談のように聞こえますが大マジです。
だって、こんな無謀な目標は、法を侵すようなことをしなければ達成できないですよ……。
存在しない女性キャストの写真を在籍表に並べ、プロモーションと称したスパム行為でHPへのアクセスを稼ぎます。そして、掲載している女性とは似ても似つかぬ別人を派遣し、タケノコはぎ方式でぼったくり。
クレームが来たら反社会勢力の存在をチラつかせ、取得した個人情報を使い恐喝します。
女性キャストの空いてる時間には、出会い系サイトなどを駆使して集客させます。何なら僕はプログラミングやコーディングもできるので、簡易的に偽の出会い系サイトを作って、ワンクリック詐欺のようなことをして架空請求もします。
最終的には、働いてくれている女性も欺いて……。
3か月後どうですか? もしかしたら目標を達成してるかもしれません。「どうです? 僕、結果出しましたよ!!」ってそんな訳ありません。
ダラダラとひどいこと書きました。いやぁ、自分で見ても「ド」が付くクソ野郎ですねw。
そうです。普通に考えて、デリヘルを開業から3か月で月商1億円なんて不可能に決まってます。
そんな不可能な結果を求めたら、このような無茶苦茶なプランを立てるしかない、という極端な例を挙げてみました。
自分で書いてて気分が悪くなるくらい人間のクズですね(汗)。
あり得ないと思いますが、もし仮に目標の「3か月で1億円」を達成できたとしても4か月後はゼロになるでしょう。
最大級の恨みを買いまくって、対価にまったく見合わぬ傷を負うだけです。これで目標を達成し、「結果を出した」と言えるでしょうか?
こんな目標は不可能、と書きましたが、僕の知識と経験と資金力では不可能なだけで、もしかしたら正攻法でお客様に幸福をもたらしつつ、この目標を達成し結果を残せる人がいるかもしれません……。いや、無理だな(笑)。
ある地方都市に新規店舗型ファッションヘルスを出店した事例
要するに何が言いたいかというと、当たり前かもしれませんが、「結果」の中には自然と過程も含まれているということです。
僕は、10数年前に北関東のある都市で、新規出店の責任者として携わる機会がありました。
その都市は、人口約15万人弱で男女比はほぼ50:50。顧客となり得る「男性」は約7万人、その中で20~60歳の占める割合は約7割弱で、4万5千人程度でした。
ずっと横浜で風俗店の運営をしていた僕の感覚として、かなり厳しい環境と思いました。
当時の横浜市の人口は約350万人、風俗店(ファッションヘルス)を横浜の曙町だけに限定すれば約100店舗でした。
対して、上記の地方都市は、15万人の人口に対してファッションヘルスが約30店舗で、計算するまでもなく供給過多なのです。
地方都市ならではの自動車文化などの要因を加味すれば、潜在客数は4万5千人という数字よりは多くなるとは思います。
しかし、その分ほかの都市の競合店も増えるので、極端に大きな差は出ないと考え、「厳しい」という感想をもったのです。
対策として掲げた目標は、同エリアの同業他店とサービスの差別化をベースとして、利用回数の増加と商圏の拡大が最大の目標でした。
もう少しかみ砕いて言うと、同エリアにある既存店より質の高いサービスを提供し、今まで月に1回風俗を利用していた人に月2回、3回遊んでいただけるようにする。
また、より広いエリアからお客様に来ていただけるよう「1時間かけてでも遊びに行きたい店」を目標とし、サービス提供を行う、ということです。
出店前の同エリア競合店リサーチでは、
- サービスの質が女性キャストによってバラバラで管理されていない
- 女性キャストはもとより、店自体のリピート獲得意識が低い。また、メンバーズカードやポイントなどでの顧客囲い込みがほぼ行われていない
- 店内は往々にして掃除が行き届いておらず汚い
- オフィシャルHPのずさんな管理体制
- 一番の顧客獲得手段が、店舗前で行う「客引き」
というものでした。
僕は新規エリア進出時、1年計画でサービス向上と地域活性化を目指しました。
そして、自店のみならずエリア全体がウインウインになれるよう、さまざまな企画を立てて目標達成すべく、まい進したのです。
サービスの安定化には、女性キャストへの教育が不可欠です。しかし、同エリア他店舗で経験がある女性キャストさんの場合、僕の店舗は、相対的に「うるさい店」と思われることが多く、苦労したことを覚えています。
さて、上述では「1年計画」と書きましたが、実際には、この計画の結果が何年先に出るかはわかりません。
よほどの資金力があれば別ですが、いつ結果が出るかわからないビジネスというのは、そもそもビジネスとして成立しません。
そこで、1年先に最低でもどこまで実現するかという目標を立てました。
今日その日だけの結果を求めるならば、1年計画など立てず、同エリア他店のように客引きに注力すれば良いのです。
「今日の売上目標」だけを掲げ、その日その時の状況で毎日の目標を設定していけば良いでしょう。
これは、どちらが正解ということではなく、企業としての体質や理念によって変化するものです。
ですから、あなたが企業に属している従業員であれば、その理念を深く理解する努力をし、それに沿った結果の出し方を求めれば良いでしょう。
あなたが企業を経営する側なのであれば、理念をもって方針を打ち立て、体質(カラー)を築いてゆけば良いのです。
結果とは絶対的なものではなく、相対的なもの
客引きを行う“他店”において、ナンバーワン客引きスタッフは、その組織ではきっと評価が高いはずです。
「お前のトークにかかれば、みんなお金になるな!」
「暇になってきたから外に出て客引きしてくれ!」
「やっぱりスゲーなお前は!」
などと称賛されていると思います。
しかし、もし僕の店舗に配属されたなら、
「客引きしてる暇があるなら掃除しろ!」
「特定の時間帯で暇になる傾向があるなら、システムで解決できる企画を考えろ!」
と全然違うことをきっと言います。
逆に、もし自身の1年計画の理念をもって “他店”に配属されたなら、「くだらない企画を書いてる暇があったら客引きしろ!」と叱責されることでしょう。
また、お客様のニーズに合う女性が出勤していないために、お客さんを取りこぼしてしまったら、「馬鹿正直に対応せず、だましてでも入れろ!」と怒鳴られるかもしれません。
『北斗の拳』ミスミじいさんから学ぶ、結果を出すための過程
『北斗の拳』第1巻(アニメ版では第2話)に出てきた「種もみ」のミスミじいさんを思い出しました。
ミスミじいさんは、核戦争後の荒廃した世界で食糧不足にあえぐ中、苦労して種もみを手に入れ、それを村にまいて栽培し、農耕によって食糧不足を解消しようとしたのです。
しかし、世は乱世、目先の利益しか考えない悪党どもが弱者を支配している時代。悪の化身「シン」の手下であるスペードがその種もみを奪おうとするのです。
スペードは、個人の目先の小さな利益のために生産より略奪を選んだのです。
この時、ミスミじいさんの名言、「今日より明日なんじゃ~」が生まれました。
しかし、これは考え方によって、スペードにも正しい部分があるのです。
秩序は崩れ去り、無政府状態で強盗殺人が日常的に行われる狂った世の中で、スペードには、いや応なしに強者への屈服を余儀なくされる場面があったかもしれません。また、彼には家族がいたかもしれません。
その家族と自分を守るため、シンの手下になり忠誠を誓うことで、その庇護を受けていたなら、ボスであるシンの方針「奪え! 殺せ!」に従うことで、結果を出し評価されていた可能性があります。
また、土地は核で汚染され、作物は育たないという設定だったはずです。
ですから、「種もみをまいて農耕を行うなど不可能で無駄なこと極まりない」「それならば、無駄になる前に食ってしまえ!」というのもある意味正論ではあります。
話がだいぶ横道にそれて、昭和の漫画史を語りだしそうな勢いなのでこの辺にしますが、要するに正しい「結果」とは、一方向だけから見たひとつの答えとは限らないということなのです。
結果とは絶対的なものではなく、その企業や組織などの思想や理念によって考え方が変わる相対的なものなのです。
“結果”と“過程”の因果関係を分析することが重要
結果が相対的であるということは、そこにたどり着くまでの過程、つまり結果と過程の因果関係が重要になります。
僕は、結果に向かう「過程」の中に大きく分けて2種類あると思います。
1.目標を達成するために何が必要かを考えるパターン
2.持っているリソースをどのような戦略で運用し、どこに目標を設定するかを考えるパターン
後者はもしかしたら、目標というより予測とも言えるかもしれません。
僕はパターン1もパターン2も両方必要だと思っていて、シーンによって比率を変えています。
風俗業界に当てはめると、起業なのか、既存店なのか、既存店の新規出店なのか、さまざまな要因で比率が変わってくるのです。
例として挙げるならば、起業したばかりで第一目標が「黒字化」の場合と、既に数年営業している店舗が繁忙期に「在籍数増強」を目標とした場合では、目標設定のパターンが変わってきます。
起業して間もないころは、持っているリソースといっても開業資金くらいしかありません。そこで、まず黒字化するために「そもそも開業資金はいくら必要なのか? いくら使えるのか?」など、目標達成のために何が必要かを考える比率が多いでしょう。
後者の場合は、在籍数増強を図るために、「女性求人に広告費をどのように割り振るのか」 数年間に蓄積したマーケティングデータや感覚を元に、「どこに目標設定するか?」 これらを思案する割合が多くなります。
最初にも述べましたが、これは風俗業界だけに言えることではなく、ビジネス全般に言えることかもしれません。結果の出し方は、決して正解がひとつに決まっているものではなく、その過程と必ず結び付いているものと言えます。
「結果とは何か?」を考える時、結果そのものだけではなく、「結果と過程の因果関係」を分析することが重要だということを頭の片隅にでも入れておいてください。
- 今回のまとめ
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- 自分の所属する企業の理念や体質を深く理解し、求められている“結果”を導く
- “結果”とは絶対的なものではなく、相対的なもの
- 結果そのものだけではなく、それまでの過程との因果関係を分析する
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