【一般職(内勤・スタッフ)】杉本菜月(杉ちゃん)さんのインタビュー記事
2019年入社
杉本菜月(杉ちゃん) (40歳)
一般職(内勤・スタッフ)
前職:営業事務
2021.1.29
かつてのキャストが、20年を経て業界に。ポジティブな職場に感じた、時代の変化
この記事のポイント!
- 入社の決め手はTwitter。そして頑張れば“昇給”という仕組み
- あや乃さんプロデュースの新店。準備の過程で得た学びと共感
- キャストさんが“主体的”。だから、スタッフも仕事がしやすい
20歳のシングルマザー。「人に頼りたくない」と思った時
実は私、20歳の頃にキャストをしていたんです。短大を出てすぐ、営業事務として金融会社に勤めたんですが、シングルマザーになって。
養育費?(笑) ないです、そんなもの。なので当然生活は苦しい。「でも誰にも頼りたくない」となった時に、デリヘルが選択肢に浮かびました。
子供を保育園に送り届けて、17:00までOL。そこから0:00過ぎまで夜のお仕事という感じです。今思うとハードですけど、当時はちっともそんな風に考えないんですよね。必死と言うより、まだ20代だったから、勢いがあったんだと思います(笑)。
だからキャストを卒業した理由も、ネガティブなものでは全然なくて。貯金ができたのもあるし、中古車販売の営業事務を始めたんですが、良い時は歩合とあわせて月に50万円ぐらい稼げたんですね。
私車が大好きで(笑)、お客様との話が弾んだのが大きいと思います。「これなら辞めても大丈夫かな」って。子供も3歳4歳となると、記憶が残るようになるでしょう? できるなら、夜は一緒にいてあげたいのもありました。
その後また結婚があって離婚があって、職場が変わってまた再婚して……。で、ここの職場が問題だったんです。
昇給もない。上司も変わらない。今後の人生を考えると……
介護用品の営業事務で、言い方はあれですけど、中古車販売に比べたら全然ラクだったんですよ。月給は手取りで25万円ぐらかいかな? グンと減りましたけど、環境が良かったので続けていました。
ただ7年8年を経ても昇給がない。役職を頂けるわけでもない。上司の顔触れも全く変わらないとなった時に、先が見えちゃったんですよね。娘も18歳になろうとしていて、今後の人生を考えると、やっぱり頑張り甲斐のある職場に行きたいなって。
そしてそんな時再び思い浮かんだのは、この業界でした。
わずかなスタッフ経験。でも残っていたのは、楽しい記憶
というのも、キャストだった時に私、スタッフの仕事にも携わったんですよ。本当に最後の1、2か月だったんですけど、やりがいもあったし楽しかった思い出があって。
電話でお客様のご要望を伺って、瞬時に今いる女の子の顔を思い描いて、マッチングを図る。サービス後に「良い子だったよ」とお客様に喜んでもらえて、「また指名してくれるって」とキャストさんがニコニコ待機室に戻って来てくれて……。何度かそういうことが続くうちに、「スタッフの仕事も良いな」と思っている自分がいたんですよね。
40歳になろうという年。思えばキャストを始めた頃からちょうど、20年ですよね。今度はスタッフとして戻れないかと考えたんです。
入社の決め手はTwitter。そして頑張れば“昇給”という仕組み
そこで『NNBグループ』に決めた一番の要因は、Twitterです。スタッフさんのアカウントを覗いた時に、キャストさんとだけではなくて、お客様とのやりとりがあったんですね。すごくオープンで、隠しごとがない安心感があったんです。
正直、「業界も20年前とはずいぶん変わったんだな」と感じましたよね(笑)。もちろん面接時に昇給や昇格面の説明もしっかり受けて、広告通り“頑張れば報われる”環境なのも伝わりました。
希望通り採用となったのが5か月前です。すごく嬉しかったし、「いつかは店長だね」と、上にも自分のやる気を買っていただけて。11月からは新店の立ち上げにも携わっているんです。
それがこの『金の玉クラブ』。ご自身が元キャストで、『日本風俗女子サポート協会(FJS)』代表の、あや乃先生がプロデュースしているお店なんです。
あや乃さんプロデュースの新店。準備の過程で得た学びと共感
入って3か月で新しいプロジェクトに関われたのは、本当に光栄で。“睾丸マッサージ”というサービス自体私は知らなかったので、勉強するのも楽しかったです。何よりその過程で、あや乃さんの著作『風俗で働けば幸せになれるのなら、みんな風俗嬢になるよ(主婦の友社)』を読めたのが、私にとっては大きいことでした。
自分なりの感想になっちゃいますけど、とても前向きになれるし、共感できたんです。全ての出来事が順風満帆だったわけじゃない。ときにはしんどいこともあるけど、それを嘆いて世の中を恨んでいても、幸せにはなれない……。
出来事を“苦労”で終わらせるのか、それとも“糧”とするのかで、その後の人生は変わるというメッセージを聞けた気がしました。私も自分が不幸だと思ったとことは、一度もないんです。そして何と言うか、そういう風に構えているだけで、物事ってうまく回るようになるんですよね。
実際にお会いしたあや乃さんは、ナチュラルな方でした。ちっとも先生然としていなくて、ふわっと包み込むように向き合ってくださるんですね。それ自体が接客の見本のような感じなんです。
キャストさんが“主体的”。だから、スタッフも仕事がしやすい
だからウチのキャストさんはみんな、表情が良いですよ。あや乃さんに共鳴する方が入店しますし、その後テキストもあり、座学と実技両方の研修があるので、主体的になれるんです。
それこそ20年前の業界のイメージだと、働く側は受け身で、“仕方なく”という感じじゃないですか。私だって当時、“テキストを読む”なんてことがあるなんて、考えもしませんでした(笑)。
仕事もしやすいですよ。例えば新店なので、キャストさんが戻ってきたら「お客様どうでした?」と必ず伺うんですが、つい忘れてしまったことがあって……。
「あの、杉ちゃん」
「はい。どうしました?」
「良いのかな。聞かれてないけど……」
「あー! そうでしたそうでした」
怒ってとかじゃないですよ。からかう感じですね(笑)。むしろ「みんなで情報を共有しよう」「良いお店にしよう」という意識が、キャストさんの側に強くあるんですね。だから「伝えよう」としてくれるんだと思うんです。
風俗に限らず、「聞かれないならめんどくさいから黙っておこう」という現場だって、私はたくさん見てきました。その意味でもここは、本当に恵まれていると思います。
研修に勉強会。“場”が多いのは、意思疎通の面でもメリット
でも恵まれているからこそ、甘えちゃダメですよね。「聞かれてないけど」って、キャストさんに気を遣わせるようではやっぱりいけません(笑)。私もまだまだこれからです。
自分のキャスト経験もあるので、特に若い方には、色々アドバイスできるかなとも思うんですね。本当に1日1日をめまぐるしく過ごしていたので、私“時間の使い方”は得意なんですよ。私と同じように、お子さんがいて、という方もいますしね。
そのためには、今以上にコミュニケーションを図って、ですよね。さっきも言いましたけど、幸い『金の玉クラブ』は研修や勉強会という形で、皆さんで触れ合える機会が多い。こうした“場”も、積極的に活用していくつもりです。
取材後記
プロフィール
杉本菜月(杉ちゃん)
一般職(内勤・スタッフ)
(前職:営業事務)