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ジンセイの紆余曲折を経て、なぜ彼らは風俗業界で働く選択をしたのか。
風俗業界への転職を選択した彼らのジンセイ再生の秘訣に迫ります。

総合職(店長・幹部候補)】南条和舞さんのインタビュー記事

2006年入社

南条和舞 (44歳)

総合職(店長・幹部候補)

前職:飲食業

2018.5.23

“窓口はぜんぶオレでいい”が信条。ブレずに仕事をしてきたから、もっともっと上を目指せる

この記事のポイント!

  • “利益率”に気づいた12年前。転職に迷いは、一切なかった
  • 無休で働いた3か月。乗り越えた時、世界がさらに広がった
  • “誰と仕事をするか”が、人の道筋を決める

利益は上がる。わかったうえで、納得して転職

この業界に入ったきっかけ? ずいぶんまた、懐かしいこと聞きますね(笑)。

もう入って12年ですよ。もともとが水商売やってましたからね。期待通りの答えじゃないかもしれないけど、この業界に入るときに、抵抗っていうのはなかったです。むしろ先にこの業界に入っていた知人に誘われて“水商売より利益が出る”と、わかったから入ってきました。

このお店ジェニーは、創業33年の“超”が付く老舗ヘルスなんです。僕らルーディグループが引き継いでからも、もう15年は経つんじゃないかな。ノウハウもビジョンもきちんと持っているから、人気店として続けてこられたんですね。

お酒売るのだって儲かってたんですよ。ただお酒に限らず“モノ”を売るっていうのは、利益が出にくいんです。

比べた時に、今みたいなサービスを売る仕事は、極端に言えば人材の費用、人件費だけだから「ちゃんとやれば儲かるな」っていうのが、利益率なんかを数字としてはっきり見て、仕組みとしてわかったんですね。

逆に言うと、こういうアンダーグラウンドなイメージがある業界だけれども「何をやったらどうなる」「こうしたら利益が出る」っていう明確な部分がわかれば、もっと多くの人が「やってみよう」って考えると思うんですよ。

僕らが今グループのホームページに載せている“生涯賃金比較”のグラフも、“ここまで計画的に考えているグループなんだぞ”っていうのを知らせたいのもありますけど、きちんと利益が出るというのを、視覚的にみんなにわかってほしかったんです。

※一般的な大卒会社員の生涯賃金261,400,400円(労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計2015』)。風俗店従業員Aさんの場合、35歳で会社員の累計賃金を超え、41歳で生涯賃金を超える収入を得ています。

実際僕は、はじめから店長を目指していました。今は幹部、エリアマネージャーで、グループの役員でもあります。まだまだ上っていきますよ(笑)。

ミスをして、3か月間無休。ビジョンがあるから、耐えられた

そうは言ってもね。最初は僕も一からですよ。丁稚奉公ってやつです(笑)。掃除からはじまって受付、女の子の送り、トラブル対応、もうぜんぶですね。

入ってから意外だったのは、女の子がサービスをする業態なわけだし、アナログな商売だと思っていたんですね。

ところがけっこうデジタルで、やることも地道。女の子の写真を撮ったり、写真を加工したりとか……。やる仕事の量は多いし、質にしてもコツコツとした地味な作業ですよ。パソコンを使う業務も多いですしね。

そこを自分が退屈と思わずに乗り越えられたのは、やっぱりビジョンが明確にあったからだと思います。

例えば単純ですけど、「金持ちになりたい」「儲かりたい」って言って風俗に来るでしょう? でも入ってみたら「何これ、地味」。そうなると見えないんですよ。「オレいつまでこんなことやってんのかな?」って思っちゃうんですね。だから辞めてしまったりする。

僕はやっぱり“この業界儲かる”っていうのはわかってましたし、オーナーにならなきゃ意味ないぞって思ってました。明確だし、強い。辞める気が起きないんです。

一度、入って3年目ぐらいの時だったかな。もう古い話だから記憶が曖昧だけど、お店の女の子のトラブルか何かで、大きなミスをしちゃったんですね。それで“3か月間まったく休みなし”ということがありました。

ただの休みなしじゃないんですよ。“オープンラスト”っていう、朝9時から終わりまで、ずっと休みなしの3か月。これはきつかった(笑)。

実はね。ほんとうは1カ月だったんです。だけど僕、29日目にして寝坊しちゃったんですよ(笑)。あとたった1日だったのに、大寝坊しちゃって。

で、当時上にいたオーナーに「お前どうするんだよ」って聞かれたんでムカついて……。「もう年内休みなしでいいです!」っ言っちゃってね(笑)。おかげで10、11、12月と休みなしです。

マジ辛かった。朝9時に店開けて、女の子送ったら、帰ってくるのもう夜中の3時、4時ですよ。それで朝はまた9時ですからね。それをずっと3カ月間続けて。乗り越えたら給料ドカンて上がりました。オーナーも「根性見せたな、お前」ってね。

“オレの仕事じゃない”はゼロ。ぜんぶ自分が窓口になる。

これを乗り越えてから、ほんとうに変わりました。視界がさらに広がったていうのかな。朝から晩まで3か月いれば、お店のこともよくわかります。女の子と触れる機会も多いし、男性スタッフと接する時間も長いわけだから。

人との対話力、会話する力だけじゃなくて、ソリューション(問題解決能力)がズバ抜けてレベルアップしたと思います。こういう商売は人同士がたくさん関わるわけですよ。問題は“絶対”毎日起きるんです。ソリューションはどうしても必要になってくるんですね。

これはね。ただダラダラ働いていて、身に付くものじゃない。女の子はいっぱいいて、問題も軽いものから、とても苦しい問題まである。解決したところで、目に見えた成果や結果が出ないことだってあるんです。

だから「めんどくさいな」って、見て見ぬフリをする人がいるけど、そういう人は上に上がれません。後回しにしたり、人任せにしたり、「それはオレじゃなくて店長に言ってくれない?」とか「オレの仕事じゃないから」とかね。

僕はね、べつに店長じゃないときから、どんなことであろうと“問題の窓口”に常になってきました。めんどくさい出来事ぜんぶ、“自分が”対応してきたんです。

なかにはプライベートでも日々問題を起こす子がいる。そのプライベートも一緒に考えてあげたり、解決に導いてあげたりとかいうことを、ものすごい量抱えてやってました。

報われることばかりじゃないです。問題解決してあげても、すぐ辞めちゃう子だっている。でも、そうしてきたからどんな難問でも解決できるし、自分の対応の幅が広がるし、スキルだってアップするんです。

難問にきちんと向き合っていける人は成長するし、出世もできます。この業界だけじゃない。ほとんどの人が“見て見ぬフリ”してますから。試しに“自分だけはそれをしない”と決めて、仕事してみてほしいですね。数年後には、格段にレベルアップできてますよ。仕事の上だけじゃなくて、人としてもね。

“何の”仕事をするかじゃなくて“誰と”仕事をするか

今幹部、エリアマネージャという立場になったでしょう? 人を面接することも多いけど、僕ね、履歴書読まないんですよ。名前と生年月日以外、一切見ません。

過去にやってきたことなんて、どうでも良いんです。“どこに行っても採用されない”って人が、ウチにもいっぱい来ますよ。でも“やり直したい”っていう人もいっぱいいるわけなんです。それを“紙きれ1枚”で判断してしまうのが、僕、イヤなんですね。

「やる気がありますか?」「自分はどうしたいんですか?」「なんで風俗なの?」って、僕は聞きます。何とかしてやりたい思いもあるんです。誰と働くかって、“運”だから。よくあるじゃないですか。“上司に恵まれない”ってことが。

何の仕事をするかじゃなくて、“誰と仕事をするか”で、運命や人生がすごく変わるんです。出会いって運ですからね。“上司は選べない”というのだって、運ですから。

そしてその運で、ここに面接に来たわけでしょう? 働くことになったら、良い道筋にしてあげたいですよ。

自分も役員ですからね。ウチにいる人間たちは、やっぱり1つの“家族”だから、導いてあげる立場だと思っています。

1人の社員がいて、その社員の家族がいる。子供もいて嫁もいるから、メシも食わさないといけないだろうし……。そこまでやっぱり、見てあげないとダメなのかなって(笑)。

“家族だから支え合う”っていうのは、僕らの1つの社訓っていうか、クレド(信条)なんです。だから家族手当も1万円、2人目の子も3人目の子も1万円です。「家族の支えあってのあなたなんだから、家族も大事にしようよ」っていうのが、僕らの考え方です。

“どうせやるんだったら”ね。楽しく、辞めずに、とことんですよ。やる気さえあれば、ここでは独立だって目指せるんだから。

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

社員を“家族”と言い切る迷いのないことばに、幾多の試練を潜り抜けてきた南条さんの“強さ”を見た気がしました。休日には3人のお子様と過ごすことが多く、サッカー部のコーチまで務めているとのこと。“ぜんぶ自分の仕事”と引き受ける姿勢は、私生活でも変わらいようです。熱量の高い語りに、感動を受けた取材でした。

プロフィール

南条和舞

総合職(店長・幹部候補)

(前職:飲食業)

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