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総合職(店長・幹部候補)】黒澤平さんのインタビュー記事

2010年入社

黒澤平 (40歳)

総合職(店長・幹部候補)

前職:飲食店員

2021.8.18

「されて嫌だったことはしない」。働きやすいお店=行きたいお店の信条で、早7年

この記事のポイント!

  • 7年の間に2店舗を軌道に乗せ、今月下旬には北千住に新店
  • “自分の行きたいお店”が基本。“楽しく飲める”を徹底する
  • 月給60万円の店長か、時給2千円のバイトか。希望は各々で良い

体育大に進学。教職に就くのが夢だったが……

10代の頃はずっと運動畑でした。後々は教職に就きたいと思って、体育大学に進んだんです。

ところが体育の教師になるには、表向きはさておき、少なくとも当時はコネが必要だったんですね。要は部の先輩後輩の間柄が大事なんだということに、入学してから気づいて……。

僕の場合はバレーボール部だったんですが、推薦入学で入ったわけじゃありません。逸材の集まる体育大では二軍三軍の選手でしかなくて、同じような立場のOBに話を聞いても、将来は厳しいなと。

それに家が裕福ではなくて、学生生活も学費から何から自分持ちだったんですね。年齢も二十歳。このまま暗い見通しで大学に通い続けるより、中退した方が道も開ける気がしたんです。

7年の間に2店舗を軌道に乗せ、今月下旬には北千住に新店

それからは何年かおきに職を転々という感じでした。銀座の焼き鳥屋さん、草加・日暮里のキャバクラ、新橋の飲食店。25歳の時には、ここ竹ノ塚でキャバクラの店長もしました。その時はうまくいかなかったんですが……。

高校時代の親友とガールズバーをオープンしたのが7年前です。この『Cloud nine』は、その3年後に誕生しました。順調ですね?(笑) いやいや、ずっと必死でしたよ。特にコロナには参りました。女の子達の生活もあるから、胃が痛くてしょうがなかったです。

でもそうか、7年の間に2店舗を軌道に乗せて、今月下旬には北千住に新しく姉妹店『CLUB 9』を出します。店を閉めずに新たな勝負ができるんだから、よくやっている方なのかな?(笑) 確かに、まだまだこれからという気持ちはあります。

「やられて嫌だったことはしない」。店長として肝に銘じたこと

店を続けられた理由は明白なんです。とにかく「昔やられて嫌だったことはゼッタイにやらない」ということ(笑)。今ならこうして笑えますけど、20代で夜の世界に入って、僕はツラい思いもいっぱいしたんですよ。

フツーに手が出る先輩がいたし、不条理な上下関係がありました。上が下を責めて、その下が更に下を責めてという縦社会。そりゃ仕事ですから僕もグッと堪えてましたけど、出世した先輩が、悪口を言っていた上司と全く同じ振る舞いをするのも、不思議で仕方ありませんでした。

自分の心だって荒んでいきます。例えば当時勤めていたお店は、女の子とよく揉めていました。言うことを聞かないから出勤させない。出勤させたとしてもお客様を付けない。女の子が頭に来て辞めるとなったら、「だったら今月の給料は出さない」と平気で言うんです。誰だってそんな環境イヤじゃないですか。

そもそもスタッフに対しても女の子に対しても、給与体系がいい加減でした。怒声や罵声や涙も日常茶飯事で……。

だから友達と店を出す時に「こういうことだけは止めような」って、よく話し合ったんです。人気店をつくれているとしたら、この職場の良い雰囲気が、接客に出ているんじゃないですかね。

“自分の行きたいお店”が基本。“楽しく飲める”を徹底する

店づくりの基本も“自分が行きたいお店”です。お客様がキャバクラに何を期待するかと言ったら、女の子と楽しく飲みたいわけでしょう? そこを徹底するんです。

ホールに立ったら周りを見ます。席を見てお客様の表情を見て、笑顔だったら良いんです。でも少しでも「ん?」と思ったら、女の子を変えます。ウチは“何分以上は付いた女の子で”とかじゃないんですね。お客様がつまらなそうだったら、折を見てすぐ交代します。だって退屈な相手との時間て、苦痛でしかないじゃないですか。

かと言ってスタッフも僕も、女の子を責めたりしないですよ。むしろあやまります。

「あのお客様とは合わなかったね。ごめん、僕のミスだ」

色んなお客様がいるから、ハマる時もあれば、逆もあります。敬語がどうとかも僕はあまり言わないですね。フランクに来てほしいお客様もいますから、結局は合う合わないだと思うんです。

ただその上で「もっと稼ぎたい」とか「どうして指名もらえないんだろう?」と悩む子とは、かなり深く話し合います。

やっぱり20歳ぐらいだと僕らおじさんの心理はわからないところもあるだろうから(笑)、その辺をよくアドバイスしますね。「あの言い方ちょっとプライド傷つくかも」とか「あの話たぶん、お客様は突っ込んでほしかったんじゃないかな」とか。大概の子は次第に慣れていって、自分の“個性”を見つけられるようになるんですけどね。

月給60万円の店長か、時給2千円のバイトか。希望は各々で良い

スタッフの給与体系も、ウチはきちんと明確にしています。

約1か月の試用期間を終えたら、月給は25万円でスタート。主任になるとここに、店の利益に応じて歩合給が3%付きます。マネージャーになると月給は27万円で、歩合給も7%。店長になると月給は30万円、歩合給も10%なります。だから店長になれば、月給50万円も60万円も、十分に可能なんです。

とは言え、みんなが店長を目指さなくても良いとも思っています。女の子と同じで、それぞれで良いのかなと。責任が重いとか、プライベートを大切にしたいとか、1人ひとりに考えもあると思うんです。

実際ずっとアルバイトというスタッフもいますよ。時給1,500円で始めて、もう5年かな? こちらとしてはいつでも正社員として迎えるし、店長になりたいなら応援だってするんですが……。本人が今のままを希望しているので、そこは尊重すべきだなと。今では時給も2,000円ぐらいになっています(笑)。

女の子には最後のお店にしてほしいし、スタッフには続けられる環境を提供してあげたい。僕が今目指すのは、そこだけですね。さっきも少し言いましたけど、働く従業員が「良いところだ」と感じているお店は、お客様にとってだって、良い空間になると思うんです。

まあとにかく、今月末には新店ですからね。オープニングメンバーとしてこの世界に入るのも、悪くないと思いますよ(笑)。僕自身も、久しぶりにワクワクしているんです。

(インタビュー:松坂治良)

取材後記

藤野 りさ

執筆者

藤野 りさ

新店準備で大忙しのところをお邪魔し、松坂はたいへん恐縮していたそうです。盛り込めないエピソードがたくさんあって、本当に残念! 自分の苦労やツラい思いを、人への優しさに変える生き方。藤野は惚れちゃいそうでした。

プロフィール

黒澤平

総合職(店長・幹部候補)

(前職:飲食店員)