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IT系の上場企業を退職。激務と人間関係に疲れ、繋ぎで始めたデリヘル送迎ドライバーのバイト

以前はIT通信系の一部上場企業のシステム営業をずっとやっていました。客先でインフラやシステム系の提案を行って受注するようなBtoBの仕事です。

金額や規模が大きいこともあり、かなり多忙だったんですよね。本当にずっと激務だったし、大きい組織ゆえに人間関係も複雑で……。

年齢的に不安は大きかったですが心身ともに限界を感じて、一度リセットしたいなと思って退職したんです。

次の仕事は特に決めておらず、バイトでもしながらゆっくり考えようと思っていた時、この業界の存在を知りました。

繋ぎっていったら今のお店に怒られちゃうかもしれないんですけど、次の仕事が決まるまで、転職活動期間中の小遣い稼ぎ程度の軽い気持ちで送迎ドライバーの職種に応募してみたんです。

それが今から3年前くらい前の2019年の時でした。

コンビニやウーバーイーツより楽しくて高収入だった送迎ドライバー

送迎ドライバーの仕事をしてみると楽しかったんですよね。

営業職の仕事で複雑なしがらみとか、人間関係に四苦八苦していた私にとって、女性キャストさんを目的地に送り届けるっていう仕事は単純明快で面白さとやりがいを感じたんです。

今日は効率よく回れたとか、キャストさんに「ありがとう」って言ってもらえたとか、小さなことかもしれないですが、働く喜びというか、幸せを改めて感じれるようになったんです。

結局働き出してすぐにコロナが流行りだして、転職活動どころではなくなってしまい、週に4～5日、お昼～夜の時間帯に10～12時間くらい勤務していました。

コンビニやウーバーイーツの配達なんかのバイトと比べると、かなり稼げましたね。運転だけなので身体の負担がないのも我々くらいの年齢にはありがたいんですよ（笑）。

目安箱に在籍女性からクレーム。叱責を覚悟したが……。

ただ順風満帆ってわけではなかったんですよね。

うちのグループでは創業当初から、ドライバーも含めた全スタッフ、全キャストが良かったことや悪かったことなどを言える“目安箱”というものが設置されているんです。

キャストさんから「〇〇さんは退勤時によく声をかけてくれて嬉しい」とか、スタッフからは「事務所の〇〇の備品がないのに誰も気づいていない」とか、日々気づいたことや思ったことを投書して、それをマネージャーがすべて目を通して月初にフィードバックするんです。

一人ひとりの意見を吸い上げて、環境改善していくみたいな取り組みなんですけど、そこに僕に対するクレームが寄せられたんですよね。

「安達さんは高圧的で、とてもエラそう。ドライバーさんを変えて欲しいです」と。

そんなつもりは一切なかったんですけどね。前の会社のノリっていうんですかね。男ばかりの営業会社にいたので、女性キャストさんによってはそう感じる部分があったのかもしれません。

そう言われると、「確かに……。」と思い当たる節はいくつかありました。ちょうど入社から1年半くらいの時だったので慣れてきた分もあって、いろいろな部分が雑になっていたのだと思います。

マネージャーから呼ばれ、私はてっきり怒られると思ったんです……。

「思い当たる部分があるのであれば、反省して二度同じようなことがないようにしてください」
「少しドライバーの仕事を減らして、内勤スタッフの仕事をしてみませんか？　その分の手当はつけますので」

逆に違う環境で挽回のチャンスをくれるって言うんですよ。しかもお給料も上げていただけるっていう……。

「なにやってんねん！」って怒られた方がずっと楽ですよね。申し訳なさはもちろんのこと恩返しというか、頑張らなければいけないなと強く思いましたね。

後から聞いた話ですが、うちのグループはなにか失敗をした時に、叱責するのではなく逆にチャンスをくれるらしいんです。そのチャンスを活かせるか、同じような失敗を繰り返すのかを、マネージャーは見ているんだと思います。

ドライバー×内勤スタッフで広がった仕事の視野の幅

内勤の仕事をやってみて、すごく仕事の視野が広がったと感じます。

主にお客様からの電話受付、女性の予約、現場に出ているドライバーさんにピックアップやアウトの指示を出すという業務です。

正直な話、ドライバーとして現場に出ているときは「なんで自分ばっかり遠くのホテルに行かされんねん！？」なんて思ってしまうことがあったんですけど、それには理由があって、稼働している車が最大限効率的に動けるように考えて指示出してもらってるんです。

また、事務所にいればより多くの女性と接する機会が増えます。そこで他のスタッフさんのコミュニケーションの仕方なんかを学ぶこともできました。

ドライバーの場合、車内は基本的に私と女性の一対一なので他の人がどんな対応をしているのかわからないんですよね。なるほどって思うことがたくさんありました。

こういう言い方は良くないかもしれないですが、ドライバーは指示に従って送り届けること“だけ”が仕事なんですよ。でも、内勤のスタッフはその指示が一つ間違うだけでお客様、女性をはじめドライバーさんにも迷惑がかかってしまいます。

そういう意味で仕事に対するより一層の責任感が芽生えました。それも内勤スタッフを経験してよかったなと思うことです。

外国人観光客の需要が爆増！　この勢いを止めずに走り続ける！！

今は出勤の半分づつくらいで内勤とドライバー業務行っています。

内勤の時はドライバーの時の経験で、ホテル間の移動時間や交通状況などわかりますし、ドライバーに戻れば内勤の状況が前よりイメージできるのでより効率的に動けるようになりました。

ハイブリットに経験をつんだことでそれぞれの業務の成長スピードはかなり速いと感じています。

それもこれも、女性からクレームを受けた私を信じてくれたマネージャーのおかげなんですよね。なかなかできないじゃないですか？　失敗したヤツの給料上げて、より責任のある仕事を任せるって。

今はコロナによる入国規制が解除されつつあって、外国の方から問い合わせがとても増えてるんですよ。お店自体がかなり盛り上がっています。この勢いを止めないためにもさらに頑張っていかないと、って思います。

興味をもってもらえた方には内勤でも、ドライバーでも是非お問合せいただきたいですね！！

取材後記

執筆者

新海 亨

今回で四回目の『サイドジョブキャリア向上委員会』の取材訪問。どの方も気さくに対応していただける雰囲気の良い店舗さんです。安達さんはマネージャー自ら指導してくれるパーソナルトレーニングでなんと10kgも体重が落ちたそう！！　店舗内にウェイトマシンがあるらしく、スタッフさんキャストさんともに希望者は無料で行えるそうなので興味ある方は是非！！