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18歳。地元長野で建設業に。家族経営で働きやすかったが……

もともとは地元長野で建設業に携わっていました。母方の祖父が会社を経営していて、その縁からですね。

家族経営ですから、働きやすさはあったんです。人間関係のストレスがないのは、ありがたいことでした。

ただ残念なことに、肝心の“仕事”に向いていなかったんですね（笑）。現場でしばしば自分の非力を感じ、10年20年続けるのは肉体的に厳しいなと……。

やがて都会への憧れもあって上京し、次の職を探し始めたのが21歳の時です。なぜこの業界に、というのは好奇心ですね。若さも手伝って、ドラマや漫画の影響があった気がします。

中でもウチに応募したきっかけは単純で、求人サイトを検索した時に、一番上にいたからなんです（笑）。「お」と思って、最初に受けようと決めました。

入社の決め手は“高級店”。“薄利多売ではない”のが魅力だった

で、その後面接を受けて、あらためてここが『アイリス』という“高級店”を運営していると知ったんですね。薄利多売の忙しない商売ではなく、じっくりとお客様に向き合い、キャストさんのサポートにも時間を割けるとのことでした。

スキル向上の意味でも「ここだな」って。もう他は探さなかったですね。なので内定を頂けた時には、ホッとしたのを覚えています（笑）。

“いきなり仕事の話”は×。日々のコミュニケーションこそが大切

それからもう5年ですか。早いものです。

この仕事で大事なのは、コミュニケーションだと感じます。僕が幸いだったのは、やはり“高級店”に勤められたこと。先輩からマンツーマンでマナーや言葉遣いを教われましたし、初めに店長からこんな指示を受けたりしたんです。

「今から30分、隣のルームでキャストさんと雑談してきて」

余裕のないお店だったら、こんな真似できませんよね（笑）。同時に振り返ると、これこそが『アイリス』のキャストマネジメントの核なのかなと……。

いきなり「来週のシフト出して」「こんな風にサービスして」「『写メ日記』書いてる？」なんて言われても、人が耳を傾けてくれるわけはないんです。自分に置き換えればすぐわかりますよね。

顔を見て、性格がわかりというコミュニケーションがあってこそ、仕事の話だってできる。たとえ回り道のようでも、お互いを知ることが重要なんです。

実際キャストさんの趣味やキャラクターがわかってくると、「あ、この方は〇〇さんと合いそう」という形で、お電話口での接客にも活きました。まず挨拶、雑談から始まる日々のやり取り。この基本は今でも大切にしています。

“90分8万円” 。だからこそスタッフに求められるのは“柔軟さ”

また似た意味で、“レベルの自覚”も忘れちゃいけません。冒頭で触れた通り、ここはハイクラスな分だけ、時間に追われた流れ作業のような仕事はしなくて済みます。

でもその分だけ、何と言うか、責任みたいなものは大きい気がして……。

何せお客様は、90分で8万円という金額をお支払いしてくださるわけです。当然キャストさんへの期待値は高く、サービスの質もそれなりというわけにはいきません。「このお店だからこそ」という特別感、“おもてなし”が求められるんですよね。

そこで僕らスタッフが備えるべきは“柔軟性”だと思います。

例えばお客様が10分遅刻してくるとする。次のお客様がいれば困りますよね。「じゃあ80分でサービスを」と機械的に流せばいいかと言えば、そこはちょっと違う。

次のお客様にお電話を差し上げるというのは、1つの手かもしれません。

「申し訳ございません。10分遅れてのご入室は可能でしょうか」

もちろんこの際に、料金やオプションという形で“対価”のご提示は必要ですよ。またキャストさんにお伺いもしなければなりません。「10分ずつズレますが、お帰り大丈夫すか？」 最後はドライバーさんへのお願いだって入りますよね。「予定が変わりました」と。

「ここまでやってくれる」⇒「また使おう」  結果17年のご愛顧

今のは一例ですが、たくさんの人が関わる仕事なので、それぞれに手配とお気遣いが必要なんですよね。たいへん？　うーん。僕はどちらかと言うと、やりがいと捉えています（笑）。

なぜならこんな風にじっくり人と向き合える職場って、なかなかない。お客様、キャストさん、ドライバーさん……皆さんにご満足いただければ、やっぱり嬉しいし。

先ほどのようなお客様も「ここまでやってくれている」となるから、「また利用しよう」となるんです。『アイリス』が実に17年ものご愛顧を受けられているのは、キャストさんのお力もそうですが、スタッフが柔軟性を備え、サービスを尽くしてきた結果なのかなと。

上は頑張りを見てくれる。新店計画もある。頑張り甲斐は最高

そしてやりがいを持てているのは、“給与面で報われている”というのも理由の1つです。

こうしたスタッフの働きぶりを、上は見てくれているんですね。昇給・昇格は定期的にあって、事実僕も、今では副店長という立場を頂いています。

プラス店舗の売上に応じて毎月インセンティブも付くんですが、これは職場のチームワークの良さに繋がっているかなと。

「今月もう少しで〇〇万円に届く。そしたらみんなのインセンティブが更に……」となれば、「よっしゃみんなでやってやろー！」となりますから（笑）。

新店の企画もあるので、「ここで店長に」とか「いつか独立を」という方にも、大いに頑張り甲斐のある企業だと思います。僕なんてさっさと追い抜いちゃうぐらいの、やる気のある方が来てくれたら嬉しいですね。

嫉妬しないか？（笑） いえいえ、思いっきり応援しちゃいます。ぜひ副店長の僕を、使いこなしてください！

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

実働8時間＋休憩1時間という体制で、プライベートを大切にできるのも魅力だと高田さん。こちらも記事にあるように“高級店”だからこその余裕でしょうか。スタッフは女性もOKとのこと。私も少しグラっと来てしまったインタビューでした（笑）。