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9歳から憧れた美容師の仕事。上京し、念願を叶えたが……

もともとは美容師になりたくて。早いですよ。9歳の時から。『ビューティーポップ 』というマンガに憧れたのがきっかけでした。

小中と、始終自分の髪を結わえたり、前髪をカットしたりして練習してましたね（笑）。やがて18で北海道から上京。念願の美容学校に入りました。21歳で無事、美容師になることができて。

ただ1年しか持たなかったんです。12万円という月給もそうですが、最大の理由は肉体的なものですね。休憩もなく長時間労働、閉店後は自分の勉強、お休みもないという現実に、体が付いていきませんでした。

資格を活かしてアイリストに。その先で待っていたコロナ禍

とは言え、せっかく親元を離れてまで取った国家資格じゃないですか。何か活かせる道をと探して、始めたのがアイリストの仕事です。まつ毛のエクステとかパーマをする専門職ですね。

月14万5,000円の基本給に、お客様のご指名に応じて＋歩合給という給与体系でした。なのでスキルの向上が大切。初めはなかなか人気も出ませんでしたが、さすがにもう逃げられません（笑）。次第に努力も実って、それなりの収入を得られるようにはなったんですが……。

4年目でしたか。コロナでお店が休業になってしまって。営業再開後もお客様の足が戻らず、頼りの歩合給を付けられない日々が続きました。

「何とかしなくちゃ」

副業を探して、「これなら」と見つけたのがメンズエステだったんですね。セラピストという職に出会いました。

“どの面でもハードルが低い”で始めたメンエスセラピ。ところが

“風俗店ではない”“サービスがソフト”というのが、自分の中では大きくて。体、時間、メンタル、どの面でもハードルが低く感じられて、「私にもできるかも」と思えたんです。

ところが最初のお店は長く続けられなくて……。振り返ると、入店時に男性オーナーの講習を受けた時から、対応やサポート面、営業方針にモヤモヤはあったんです。でも未経験ですから、「こんなものなのかな？」「これが普通なのかな？」と思ってしまって。

正直客層も良いとは言えず、そこに対して改善を訴えても、お店は何もしてくれません。3か月、半年と経つ内に、精神的に病んできちゃったんですね。“ハードルが低い”という理由で選んだ副業だったはずなのに、逆の結果になってしまいました。

レベルの高い講習に感動。“ホスピタリティ”が大切にされていた

それでも業界を去らなかったのは“疑い”ですね。

自分でネットを見たり、他のセラピストさんのお話を伺う内に「こんなお店ばかりでもないんじゃ」と思うようになって。きちんとエステの技術を磨き、誇りを持って働ける場所を、もう一度だけ探してみようと考えたんです。

その意味で『MUSE GROUP』にご縁を頂けたのは、すごく幸福なことでした。まず運営する『NAOMI SPA（ナオミスパ）』は、店舗マネージャーが女性なんですね。しかも10年以上のセラピスト経験がある方で、その時点で安心がありました。

面接で思いをぶつけてみると、「その通り。ちゃんとやっているお店もあるよ」と。そして言葉以上に説得力があったのが、その後の講習なんです。

何と言うか、マネージャーから教えてもらう間、ずっと施術に感動していたような感じなんです。やるひとがやれば、メンズエステってこんなに心地良く相手を癒せるものなんだなって。自分も齧っていたからこそ、レベルの高さにより打たれました。

講習で学べたのはエステ技術に留まりません。ルームにお客様をお通しした際の所作、お茶の出し方、何より笑顔からアドバイスを頂けて。接客だから第一に愛嬌、空間づくりから大切にというお話でした。

すべて含めて“おもてなし”ということですよね。私はホスピタリティを教わっていたんだと思うし、オープン以来の『NAOMI SPA』好評の理由も、コンセプトとしてそれを大切にしてきたからだと感じます。

セカンドキャリアを考え、スタッフの道へ。「ここならぜひ」

セラピストとしての仕事と自覚は、そこから激的に変わりました。稼げるだけではなく病まない。落ち込みそうになればマネージャーが即ケアしてくれます。芯が通ったお店だからこそ、客層もとても良くて。“ウリ”はスキルとホスピタリティだと堂々としていられるのも、自信に繋がったんです。

お客様からたくさんの感謝も聞けるようになったし、対価として収入も良い。バック率が高いから、週に3～4日、7～8時間の出勤で、月に100万円という額をコンスタントに手にできるようになりました。

私にはこの1年は転機でしたね。いつの間にかアイリストではなく、良い意味でこちらの方が本業のようになって（笑）。

今スタッフの道を歩み出した動機は、今後を思ってのことでした。セラピストもアイリストも、ずっと続けられるかというと、難しい。若さを期待される面は少なからずあるし、体力だっていつ落ちるかわかりません。私も今年で遂に30歳になりますし（笑）。

また“『NAOMI SPA』だから”というのも間違いなく大きいんですね。ヨソでセラピストをしていたら、いずれ当たり前のように、業界を“卒業”していたと思います。

ここで私はメンズエステの素晴らしさを知ったし、働く喜びも教わりました。これから続く後輩達にもそれを知ってほしいし、お客様の裾野も広げたい。少しおこがましい言い方ですが、自分自身のセカンドキャリアを思った時、“最適”なマッチングに思えたんです。

テレワークOKな上に、新規事業の計画も。可能性が大きい

社長から「いずれテレワークに」と言われたのも魅力でした。

確かに電話・LINE・Webによるお客様対応、セラピストさんへの連絡、SNS管理等は家でもできます。現場にはセラピストさんのメンタルケアや、面接の際にだけ来れば良い。それにこれも、ある程度まではZoomやLINEで対応できますよね。

テレワークとなった際には、スマホもパソコンも支給されるとのことでした。「地方に住んだって良いよ」と（笑）。先々の可能性が開く環境を、ありがたいと感じます。

自分のお店？（笑）  先輩マネージャーのスキルとノウハウを思えば、まだまだ遠い目標です。「いつか私が望まれるなら」という感じですね。今はとにかく、『NAOMI SPA』にこれからも関われるのが嬉しくて。

私なんかよりずっと歴の長いセラピストさんや風俗キャストさんの中にも、“セカンドキャリア”を考える方がいると思うんですね。

むしろそういう方こそ、スキルや見識を即店舗運営に活かせるのかなと。ご入社いただけたら、たぶん私よりずっと早くマネージャーになっちゃうんじゃないでしょうか（笑）。

実際お店の規模はまだまだ拡大中だし、新店計画もある上に、グループは他にも色んな事業を行っているんですね。そこで責任者にということだってありえるでしょう。夢のある企業だと感じます。

女1人でも食べていける。それどころか、経営者にだってなれる

こうして話してみると、「こんなこと言えるようになったんだな」とも思います。実は私、21歳の時一度結婚しています。バツイチなんです。

別居に離婚という過程を経る中で、元来「1人で食べていけるようになりたい」という志向は強かったんですね。「経営者に」という思いもずっとありました。だけどどうしたら良いかわからなかったんです。

黙って美容師をしていたら、アイリストをしていたら、先の展望がないどころか生活するのがやっとという毎日だったでしょう。

それがメンズエステに出会えて、一気に視界が開けました。女性でも1人で食べていける。いいえ、それどころか今言ったように、自分に意欲さえあればマネージャーに、経営者にという道さえあるのが『MUSE GROUP』なんです。性別なんて関係ありません。実力だけを見てもらえて。

……事実『NAOMI SPA』の現場は女性だけで運営されていますしね（笑）。なんだかんだ同性だけだと気兼ねがいりません。働きやすさと居心地の良さも、強く感じています。

取材後記

執筆者

松坂 治良

お話の端々から、仕事愛と企業愛を感じたインタビューでした。若い内にこうした出会いがあるのは、確かに幸福なことでしょう。羨ましい……。