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高校中退から一転。指圧師の資格を取り、やがて独立まで果した

10代はやんちゃというか、反抗心の強い性格で。周りもいわゆる不良の子が多かったんですね。流されるようにして、高校も中退してしまいました。

その後はウェイターをしたり、派遣で工場や建設現場に勤めていたんですが、ちょうど20歳の頃でしたか。祖母から諭されるようにして、助言を受けたんです。

「やりたいこともなくフラフラしているなら、何か人の役に立つ職に就いてみたら？」

祖母は知り合いの鍼灸院まで紹介してくれて。そこで整体を学ぶ内に、自分も仕事にやりがいを感じるようになったんです。

実際26歳で専門学校に入って、『あん摩マッサージ指圧師』の国家資格まで取得。34歳の時には、念願の自分のお店まで持てました。

一番は、人から受ける感謝ですよね。「ラクになった」「動かなかったはずの体が動くようになった」と言われると、嬉しいものです。働く支えになっていました。

定時で帰れて完全週休2日。労働環境が良く、スタッフも親身

やがてなぜ転職を、というのは、職業病で右手が麻痺してしまったんですね。経営者ではいられても、もう指圧はできないとなった時に、不安を感じて……。

まず“現場”に立てない。生き甲斐を失ってしまう気がしました。同時に自分のお店をずっと続けられるかというと、将来的にはやはり懸念があったんです。

で、ずっと興味のあったこの業界で、ゼロからやってみようと。中でも知人から紹介された『TSUBAKI』には、“ホスピタリティ”の面で、22年携わってきた指圧との親和性を感じました。お世話になることを決めたんです。

当然まったくの未経験だし、他業界はほんとのほんとに久しぶり。でもマニュアルはあるし、先輩のスタッフも皆さん親身なんですね。数か月もすれば、一通りの業務は覚えられました。

労働環境が良いので、ムリなく始め、続けられるのも大きい気がします。残業はほとんどなく、定時で帰れます。お休みだって完全週休2日で、有給休暇もフルで取得可。前職の方がずっとハードだったぐらいです（笑）。

業務を“普通に”こそが大事。結果“売上増”に繋がる理由とは

業界入りに当たって、何か特別な能力が必要という感じはないですね。目の前のことにコツコツと向き合える方なら、業務はそう難しくありません。

というのも『TSUBAKI』はIT化も進められているし、今言ったマニュアルを初め、すごく業務が効率化・システム化されているんですね。その分だけ理解が早いんです。

なのでスタッフには、“当たり前のことを当たり前に”という姿勢があればいい。お客様のご予約時間はきっちり守る。そのためにキャストさんにも早め早めのご案内を徹底する……とかですね。

Webサイトやブログ、SNSについても同様です。営業ツールはとにかく“遅れない” “サボらない”が重要。「あ、忘れてた」じゃなくて、時間を決めてきちんと入力や更新をするのが大切なんです。

こう聞くと「普通のことじゃないか」と驚く方もいると思うんですが、まったくその通り（笑）。ところがその“普通にできるかできないか”が最大のポイントなんです。

例えばちょっと忙しくて、ついキャストさんへの案内が10分遅れた。これ1つでキャストさんの信頼は揺らぎます。予約は1件じゃなくて、その後も続くわけですから。お尻の時間を気にして、サービスの質にだって影響してくるかもしれません。

逆に言うと“きっちりかっちりやるべきことをやっている”。それが伝わるだけでキャストさんは毎日気分が良いし、「このお店のスタッフは大丈夫」となって、何かあれば相談もしてくれるようになるんですね。

接客も頑張ってくれるし、長期の在籍にも繋がる。結果的には“売上増”となって、お店に返ってくるんです。

順調に店舗展開中で、昇給・昇格も早い。いずれ自分も店長に

事実前回インタビュー時には7店舗だった『TSUBAKI』も、今や9店舗。先ほど触れたお店のシステム化と、スタッフの当たり前の姿勢があるから、成長を止めずにいられるんです。

こうして利益が伸び続けていれば、もちろん給与にだって反映されます。というか、昇給・昇格は早いというのが率直な印象ですね。できることが増えたり、目に見えた成果を出すと、すぐ給与を上げてくれます（笑）。

今後も多店舗展開の方針は変わらないと思うので、「いずれ自分も店長に」という気持ちもあります。ただ焦ってはいなくて、良い結果は自然に後から付いてくる、という感覚なんです。これも「上は見てくれている」という安心感があるからでしょうね。

“柔軟性”もメリットの1つです。実は僕、指圧の方の経営も継続中なんですよ。今年10周年を迎えることができて……。

社長が「続けていいよ」と言ってくれているんですね。むしろ「そっちも順調？」と背中を押してくれているぐらい（笑）。

おかげさまで大充実の日々で、2年前の不安を思うとウソみたいです。頂いたご縁には、感謝しかありません。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

業務のシステム化と、スタッフの当たり前に業務に向き合う姿勢。しかも組織に柔軟性まであると聞けば、前回取材時よりグループが更に成長しているのもうなずけますね。女性スタッフもOKとのこと。いずれ東京にも出店があったら、私も応募しちゃうかも?!