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いいかげんな自分が、飲食店の責任者に。転機となったのは……

今は店長まで任されている僕ですが、昔はいいかげんで、落ち着かなかったんです（笑）。

二十歳で大学を中退後、コンビニでバイトしたり、介護やテレアポ営業をしたり……。夏は海の家で働いて、他の季節は女の子に養ってもらっていたような時期さえありました。

変わったのは32、3歳の頃でしょうか。六本木の飲食店に勤めるようになって、すぐに責任者になれたんです。その間結婚して子どもも2人生まれて、さすがに覚悟みたいなものが芽生えたんでしょうね。

お店は17:00～5:00まで営業のイタリアンレストランで、しかもデリバリーまでしていました。ウーバーイーツや出前館はまだなく、結果として大繁盛。界隈のクラブやバーにめちゃくちゃ重宝されたんです。

『Red Dragon-レッドドラゴン-』との出会いも、実はこの時でした。社長同士の仲が良く、よく料理を届けにも伺っていたんです。

実働8時間で“超”ホワイト。“リア充”も家庭も、捨てなくていい

そのご縁で、レストランが業態変更した際に、「雇ってもらえませんか？」とお願いしたんです。と言うのも、『レッドドラゴン』は“超”が付くほどホワイトな職場で……。

僕も40代に差しかかっていたし、子どもが4歳と2歳になっていたんですね。5:00まで12時間勤務して、家に着けば上の子はもう幼稚園でいない。顔を合わせるのが日曜日だけというのは、寂しいと感じていました。

子どもが父親と遊んでくれるのなんて、小さいうちだけじゃないですか（笑）。成長をしっかり見守りたい気持ちもあって。

一方でここは、17:00に出勤して1:00には完全閉店。2:00には上がれます。休憩も1時間取れて実働8時間と、ナイトワークではめずらしい。おまけに家まで車で送ってもらえるんです。

労働時間が4時間も短くなって、体がラク。それにこれなら、朝子どもたちを幼稚園まで送れますよね。

この業界で「長時間労働は当たり前」「休めないのが普通」と考えている方は多いでしょう。興味はあるのに「自分にはムリかな」とためらう求職者もいるかもしれません。

そういう方にぜひ、「こんなお店もある」とお伝えしたいですよね。“リア充”も家庭も、あきらめなくていいんだよと。

セクシー女優が横に?!　15年の人気。今やお客様の3割が外国人

何より仕事をしていて、こんなにおもしろいお店ってなかなかありません。『レッドドラゴン』が六本木で15年以上ご愛顧を頂けているのは、コンセプトの勝利ですよね。

「セクシー女優と直接会って話せる。隣でお酒が飲める」

かわいい子と過ごしたいだけなら、他のキャバクラさんだっていいでしょう。でもここにいらっしゃるお客様の感覚は、推しのアイドルを目の前にするのと一緒。“憧れの女の子”に会いに来るんです。

なので地方から足をお運びになる方も多いし、今やお客様の3割が外国から。8FのVIPルームにご案内することが多いですね。

“ナイトカルチャー”発信。銀座に新店のほか、アパレルさえ展開

また開業当初から“キャバクラを超えよう”という意図を持っていたのも特徴。“ナイトカルチャーサロン”を謳い、AVも日本の文化と位置づけています。

具体的にはお店の内装にとことんこだわったり、アートや音楽を月替わりでプロデュースしたり、アパレルブランドを立ち上げて、服やグッズの販売も行っています。しばしば『BEAMS』とコラボしているほどなんです。

言わば“大人のディズニーランド”ですね。おかげさまで12月には銀座に新店『Red Dragon Forever』もオープン。キャストさんを35歳以上の方に絞って、六本木との棲み分けを図ります。

そこで更にどんな展開が待っているのか……。新たなイベントや物販、コラボレーションも含めて、みんなワクワクしているんです。

出世の機会は豊富で、大抜擢も。努力＝“見える世界”が変わる

少しでも興味をお持ちになった方は、とにかく一度お店を覗いてみてほしい。金曜日なんて4Fも8FのVIPルームもお客様がぎっしり。全席が埋まる光景は圧巻ですから。

当然ステップアップの機会も豊富で、僕自身わずか1年で店長になれました。すぐ下のマネージャーはまだ二十歳ですよ。社歴も年齢も性別も関係なく、“完全実力主義”の社風なんですね。

正直時代もあって、「あまり出世とかは……」と考える若いスタッフは少なくありません（笑）。でも僕がトントン拍子で店長になった姿を見ているじゃないですか。刺激になって、「オレも」となってくれたら嬉しいなと。

稼ぎだって変わるし、きっかけ1つですからね。僕も20代は海の家で夏だけ働いたりしていた。それが一念発起して頑張った途端、見える世界が変わったんです。

特にウチは、他にはないコンセプトのお店だからこそ、努力の先に“新たな出会いやチャンス”が待っているものです。

アルバイトからだって構いません。『レッドドラゴン』がお若い方が羽ばたく“きっかけ”になれば嬉しい。店長として、そんなお店づくりを目指しています。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

松坂とのお話を伺って、自分が20代の後半、収入も含めて将来に迷っていた頃のことを思い出しました。
社会人としての行き詰まりを感じた時に、刺激があって“努力が報われる環境”に出会えたら、自然と頑張れそうですよね。スタッフは女性もOKとのこと。私ももう少しだけ若かったら……。