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10代で上京し、バーテンダーに。やがて自分の店も構えられた

中学校を卒業後、16歳ですぐに働き始めました。当時学校も荒れていたし、進学するよりも「早く仕事をしたい」という気持ちが強かったんですね。

初めは地元のおもちゃ屋さんにお世話になり、やがて上京。バーテンダーをしながら高校にも通いました。25歳の時には、渋谷に自分のお店を構えられるまでになって。

若いのでがむしゃらですよね（笑）。おかげさまで繁盛して、なんだかんだ11、2年はやれたのかな？　もともと接客は好きだし、すごく楽しかったですよ。

ただ30代も後半に入り、なんとなく様子が変わってきました。少しずつですが、客足が遠のいてきている。何か落ち度があったわけじゃありません。単純に世の中の“お酒を飲む人口”が減り始めていたんですね。

今はまだ良くても、長い目で見れば先々は危うい。「潮時だな」と感じ、店を畳むことにしたんです。

最初は送迎ドライバー。“繋ぎのアルバイト”のつもりだった

5年ぐらいは何もしませんでした。今で言うニート？（笑） 貯めたお金があったので、少し長い充電期間ですね。

その後この業界に入ったのは、ほんとにたまたま。僕も42歳でしたか。「そろそろ職探しを」と考えて、「時間も自由みたいだし、送迎ドライバーでもやるか」と。“デリヘルというもの”があるのは知っていて、“繋ぎのバイト”ぐらいの軽い気持ちでした。

振り返って僕がラッキーだったのは、その“たまたま”でご縁を頂いたのが『ユメオトグループ』だったこと。2009年なので、ちょうどウチも誕生から10年というところですよね。なんというか、お店にすごい活気があったんですよ。「どこまでも行ってやるぞ！」みたいな……。

週休2日、社保完備、業績賞与。“制度設計”が大事にされた理由

何より驚いたのは、システムがしっかりしていたんですね。「どうせいい加減だろう。どんぶり勘定なんだろう」とたかをくくっていたんですが（笑）、全然。きっちり“ビジネス”として事業が捉えられていました。

わかりやすいところでは、交通費支給、業績賞与、完全週休2日、有給休暇、社会保険完備……とかですよね。『ユメオト』が着々とこれらの制度を整えてきたのも、“事業継続”を意識していたからこそなんです。

素直に「ここなら腰を据えられる」と思いました。それに当時は人手不足で、先輩スタッフさん達がめちゃくちゃ忙しそうだったんですよね。

僕も曲がりなりにも経営者だったわけで、「何かの役には立つんじゃ？」と。正社員で働くことを決めたんです。

『写メ日記』は仕事じゃない。スタッフがまず“意味”を理解する

そんな僕も今や58歳。16年も続けられているのは、やはり“やりがい”の部分ですよね。

色んな事情のキャストさんが入店し、収入のために努力を続け生活を変え、“卒業”までを完走する。その“お手伝い”ができることに、僕は誇りを感じています。

キャストさんのサポートで一番大切なのは、“意味”をまず“スタッフ自身が”わかっていることです。

例えばここに、営業ツールとして『写メ日記』や『キテネボタン』があるとしましょう。ここでスタッフがキャストさんに、いきなり「写メ日記更新してね」「キテネボタン押してね」と言うのは間違いなんです。

なぜなら彼女達のお仕事は、『写メ日記』を書くことでも『キテネボタン』を押すことでもありません。それはただの“手段“。極端な話、ご指名に困っていないなら、使わなくたっていいんです。

僕たちスタッフの務めは、1人ひとりのキャストさんが「どうすれば稼げるか」を一緒に考えることですよね。

「目標額を達成するために、どうしましょうか」

この“対話”の過程で、自然に「集客のためにはこんなツールもある」という話になるのが正解。スタッフが仕事を理解していれば、“話の順序”を大事にできる。キャストさんも僕らが何かを指示しなくても、自主的に動いてくれるようになるんです。

慣れないのに「やれ」はナシ。段階があるから、未経験でも安心

“頑張ったら頑張っただけ”の社風も、自分の背中を押してくれたと感じています。送迎ドライバーのバイトでスタートした僕が、その後店長⇒エリアマネージャー⇒今や埼玉エリアの社長ですからね。

学歴・年齢・社歴、『ユメオト』ではそんなもの全く関係ありません。40代で途中入社したおじさんでも（笑）、ここまで引き上げてもらえる。他ではなかなかこうは行かないでしょう。

先ほど少し触れたように、ウチはシステムがしっかりしているので、慣れないうちに「やれ」なんてこともありません。スタッフ⇒副主任⇒主任……という形で“段階的に”ステップアップできるし、その度に目標も示してもらえます。未経験の方も安心して飛び込んできてほしいなと……。

何か僕が特別優れていたわけでもないですしね。目の前のことをコツコツ、そしてとにかく常に「キャストさんのため。みんなのため」、こう考えて日々の業務に取り組んでいたら、収入も立場も勝手に付いてきたというのが実感なんです。

むしろお若い方なら、もっともっと出世も早いでしょう。

「オレだって社長に！」

それぐらいの思いで入社してくれたら、僕だって嬉しい。喜んで埼玉エリアをお譲りしますよ（笑）。

（インタビュー：松坂治良）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

「始めるのに遅すぎることはない」を地で行く藤崎さん。勇気づけられた方も多いのではないでしょうか。いつかぜひ、藤崎さんの元で育った“新”社長様に取材を。今からその日を心待ちにしています。