【総合職(店長・幹部候補)】森川アキさんのインタビュー記事
2018年入社
森川アキ (31歳)
総合職(店長・幹部候補)
前職:キャスト ⇒ 店舗スタッフ
2019.1.31
“あなたにできることが、きっとある”。元キャストの店長だから、わかること
この記事のポイント!
- よし。ぽっちゃり女子のデリヘル、つくろう
- 売上はなんと予想の3倍。眠い目をこすった
- 私はキャストを“尊敬”している。心からそう言える
キャスト ⇒ スタッフ。そして経営者に
どこから話せば良いですかね。むずかしいな(笑)。
今、私は『梅田ムチぽよ女学院』というお店の店長をしているんです。自分でお店を立ち上げて、オープンから1か月とちょっとが過ぎたというところ。
もともとキャストだったんですよね。5、6年はやったのかな? その後年齢のことも合わせて「やりきったかなあ」と思っていたところに、「スタッフやってみない?」とお誘いを受けて……。
「裏方さんもやってみたいな」っていう思いはずっとあったんで、「喜んで!」という感じでした。キャストをやっていたわりには私、自分が前に出るというのが、実は得意ではなかったんですよ。
それよりも人のサポートをしたり、何かをつくる方が、楽しそうだなって思っていて。
それで、店舗のスタッフをしたり、求人の仕事をしたりしていました。
ただ、まさか自分でお店を持つなんていうことは、夢にも思わなかったんですけど。でも振り返ってみると、ずっと用意されていた道のようにも感じますね。不思議です(笑)。
よし。ぽっちゃり女子のデリヘル、つくろう
お店を開いたきっかけはまた、「やってみない?」って誘われたからってことになっちゃうんですけど(笑)。私の仕事振りを見て話を聞いて、出資しようと思ってくれた方がいたんですね。ありがたいことです。
どこかの系列とかじゃない。まったく好きにやれる自分のお店。そりゃ魅力感じるし、そうなるとかなえたい思いもあって……。
キャストをしていた時も、求人を担当していた時も、ずっと疑問だったんです。
「どうして少し太っているぐらいで、不採用にしちゃうんだろう?」
大手の求人部なんて、特にそうなんですよね。もう体型だけで弾かれちゃうんです。
確かに細身できれいな子がウケるのは一般的だと思うんですけど、多少ぽっちゃりなら全然あり、というか、そっちが好みの男性だっているでしょう?(笑)
それにこういう仕事ってやっぱり心づくし、接客だというのはキャスト時代から感じてましたから、性格が良くてしっかり礼儀があって、それに顔立ちだってかわいいのに落とされちゃう子を見ていると、違和感というか、悔しい思いが拭えなかったんです。
「私がぽっちゃりの子のお店、つくろう」
私ね、その分激安店にしようとか、そういうことも一切考えませんでした。だって良い子なんだもん。そんなことする必要ない。他のお店と同じで良い。
少しふっくらした子が、そんなことに引け目なんて感じないで、堂々と接客ができるお店をつくりたかったんです。
行き場を失っていたぽっちゃり女子が結集。でも……
「オープン前たいへんだったでしょう?」ってよく聞かれるんですけど、全然。楽しいことの方が多くて。
まず求人がうまくいったんですよ。オープン時にかわいい子が10人いました。やっぱりみんな“ぽっちゃり系”ってだけで行き場を失ってたんですね。
「こんなかわいいのにな……。性格もゼッタイ良い子なのになあ」って、面接の度に思ってました。
ただ、やっぱりオープンから1週間はたいへんで。そこでかなりの女の子が辞めてしまったんです。暮れでしたしね。ちょっとしょげました(笑)。
売上はなんと予想の3倍。眠い目をこすった
でも不思議とそこを越えたらぐんぐん売り上げが伸びて。たぶん、口コミが良かったんだと思うんですよね。“思うところは同じ”という方が、多くいたんじゃないかな。
体型よりも、というところ。「でもかわいいじゃないか。何より優しいし礼儀もあるじゃないか」という部分ですよね。
1か月目の売り上げは目標の3倍。リピーターさんもたくさんで、もう嬉しい悲鳴なんですけど、私も全然想定していなかったものだから、自分が出ずっぱりで睡眠時間削って対応してたんです。
冗談抜きに眠い目こすって運転してっていう感じ。女の子のためにっていう思いはあったんですけど、さすがにパフォーマンスが落ちてきちゃったんで、今はきちんとシフトを組んでいます。
業種を問わず、“スタッフは休ませて自分は”っていう店長さんも多いと思うんですけど、やっぱりそれじゃ続かないなって実感しています。
“休んで、稼いで”ですよね。女の子たちだって、寝不足の笑顔ばっかり向けられたら、恐縮しちゃうでしょ(笑)。ウチの子たちなんて、ほんとに優しいから。
私はキャストを“尊敬”している。心からそう言える
キャストとスタッフと、どちらがたいへんか?
うーん……それはむずかしい質問ですね。一概には言えないんじゃないかな。
でもたぶん、キャストを“経験できた”経営者というのは、少ないはずですよね。だからそこは、私の強みかなとは思います。私はキャストを「尊敬してる」ってはっきり言えますから。
たいへんな接客業だし、苦しいこともあるし、でもそれを乗り越えた時強くなれるしって、私は体験しているつもりです。
やりがいとなるとこれは、まったく別ものですね。自分がお金を稼いできて楽しいっていうのと、今経営者として、女の子がニコニコして帰ってくるのを見るのって、やっぱり違う。嬉しさの種類が違うんですよ。
「また指名してくださるって。店長にもお礼言っといてって」
帰ってきていちばんにこんなこと言われて、嬉しくないはずがない(笑)。「ありがとう」って、こっちが言いたいぐらいですよね。
あなたはかわいい。とにかく、自信を持って
今の願いは、とにかく女の子に自信を持ってもらいたいなって。
「ね? ほら、私の言った通りでしょう? 〇〇ちゃんかわいいんだってば」
実際今お店は結果も出て、女の子たちも「そっか。店長の言うことほんとなんだな」って、感じてくれていると思うんです。その自信がまた、良い接客として表れている。
今ここには女の子しかいないですけど、女同士だからってぶつかりあうようなこともないですよ。むしろ友だちみたいにやれていると思うし……。
逆に男性スタッフばかりのお店にいて、「前は何だか媚を売らないといけなくて、しんどかった」って、そんな風に言う子もいるんです。
色恋があったりね。ウチはそういうの、起こりようがないですから(笑)。
あなたにできることが、ここにはきっとあるから
ほんとに目立つのが好きじゃないから、営業だって全然得意じゃないんです、私。逆に言うと、それでも充分やれています。もし営業得意な子が来たら、助かっちゃうな(笑)。
業界経験は気にしなくて良いです、ほんとに。むしろこの業界の良さって、“自分の持っている力”を、何かの形で活かせるっていうところだと思うんです。
例えばお裁縫が得意だったら、女の子の衣装をつくれます。カメラが好きなら撮影をお願いしたいし、運転が好きならドライバーさんができる。美容師さんなら、ぜひ女の子をかわいく飾ってあげてほしい。
プロじゃなくて良いんですよ。ただ“趣味でこんなのやってました”で、構わないと思う。私だってそうでした。接客は未だに苦手だし(笑)……。
でもこんなに良いお店がつくれた。もっともっと良くできる。キャストさんだけじゃないですね。スタッフ募集だって同じです。ちょっと色んなことに自信を失っている女の子がいたら、ぜひ話を聞きにきてほしいなって思うんです。
ここなら、あなたにできること、きっとあるから。
(インタビュー:新海亨)
取材後記
「ぽっちゃりって、そんなに悪い? かわいくない?」というのは、実は藤野も常々感じていたとこころ。男性でもそういう方はたくさんいて、だから成功につながっているんでしょうね。スタッフさんキャストさん問わず、特に女の子に働きやすい職場だと感じました。
プロフィール
森川アキ
総合職(店長・幹部候補)
(前職:キャスト ⇒ 店舗スタッフ)