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ジンセイの紆余曲折を経て、なぜ彼らは風俗業界で働く選択をしたのか。
風俗業界への転職を選択した彼らのジンセイ再生の秘訣に迫ります。

CASA BIANCA(カーサ・ビアンカ)【一般職(内勤・スタッフ)】鈴木隆次さんのインタビュー記事

CASA BIANCA(カーサ・ビアンカ)

2019年入社

鈴木隆次 (36歳)

一般職(内勤・スタッフ)

前職:建築業

2019.5.31

一度は離れた風俗の世界。でも“仕事”に、昼も夜も、関係なかった

この記事のポイント!

  • 風俗を利用したことさえなかった。だから偏見もなかった
  • 「ぜひ、この女性のおもてなしを」。自信を持てる喜び
  • できているから上に“なる”。認めてもらうのが、今の目標

建築業界 ⇒ 風俗。キツい労働環境を変えたかった

高校卒業後、建築業界で4年ほど働きました。くわしく言うと、土木とか、家の解体基礎っていう仕事ですね。

幼なじみが一緒の職場だったんですが、実はこの彼が、先に風俗業界で働きはじめたんです。叔父さんが、店長だったんですよ。

「給料良いから、鈴木も来いよ」

でも建築業界だって、給料そんなに悪くなかったんですよ(笑)。

だから転職の決め手となったのは、むしろ労働環境の部分ですね。キツかったですから、仕事。

積載オーバーの木、高さもかなりあるやつを運ぶのが当たり前だったんで、僕、ダンプカーで何度も横転したんですよ。骨折するような人だってたくさんいました。限界だと感じて、幼なじみの誘いに乗ったんです。

風俗を利用したことさえなかった。だから偏見もなかった

風俗については、本当に何も知らなかったです。利用したことがない、サイトも見たことがないから、イメージも湧かない。だから抵抗感もゼロでした。

むしろ“友だちがいる”っていうのが、すごく心強かったです。

仕事も楽しかったですよ。電話応対、僕決して得意ではないと思うんですけど、お店が肌に合ったんでしょうね。振り返ってものびのび働けていた印象です。

でも、4年ぐらい勤めた頃ですかね。そこ、潰れちゃったんですよ。紹介で2店舗目、3店舗目と風俗店を転々としたんですけど、そうこうするうちに、知人から一般企業に誘われて。

「いつまでも風俗業界にいなくても良いだろう?」

テレアポ営業で、給料も悪くはないからと言うんですね。誘われるままに入ったんですけど……。

これが大失敗(笑)。昼だからとか夜だからとか、一般だからとか風俗だからとか、そんなの関係ないんだなって、思い知らされました。むしろ風俗業界の良さに、たくさん気づいたぐらいです。

昼も夜もない。仕事は、仕事。そこはイヤな職場だった

仕事は仕事なんですよ、どこでだって。一生懸命やらなきゃいけないもの。同じなんです、お金をいただいてるんだから。

そしてどこに行っても人間関係がある。

そこはめんどくさい職場でした。ドロドロしているというか……。

腹黒いなんて言ったら、言いすぎでしょうけど、みんな表裏がかなりあって、こっちで良い顔しながら、別の場所では陰口叩いてたりするような職場だったんです。

風俗業界、少なくとも僕のいたところは、そんなのなかったですよ。スタッフ同士、さらっとしていました。

基本的に、“稼ぎたい”で入ってくる方が多いから、逆に共通の目的がはっきりしていて、つまんない陰口なんか叩かないんですよ。不思議と連帯意識もありましたしね。

もうそういうのと比べちゃうしで、全然楽しくなかったです。テレアポで、良いと思っていないものを売るのも、すごくイヤで。毎日葛藤して、契約も全然取れなくて。

結局疲れて風俗業界に戻ったんです。昼職への未練なんて、カケラもありませんでした。

「ぜひ、この女性のおもてなしを」。自信を持てる喜び

戻って今、本当に楽しく仕事できてますね。

電話1つ取ったって、こちらはそもそもがサービスを受けたいと思うお客様からの電話です。

僕らもお話を聞いて、「ぜひこの女性のおもてなしを受けてください」って、自信を持って勧められるわけですよね。ウチなんて高級店ですから、心づくしにこそ誇りを持っているキャストさんばかりですから。

給料もテレアポの時の1.5倍ですし、休みもシフトで週1日きっちりいただけます。職場の雰囲気も良いと思いますよ。僕自身、できているかできてないかは別として、周りへの気遣いはわすれないようにしています。

テレアポ営業の職場で、いっぱいイヤな思いしましたから。逆に自分の発言なんかに対して、相手がどう受け止めるだろうって、意識するようになりました。その意味で言えば、一旦この業界を離れたのは、良かったのかな(笑)。

基本的には、自分がされて嫌なことはしないことですよね。キャストさんてだいたい、仕事が多くあればご機嫌が良い(笑)。僕らは一生懸命やるだけですよね。

何より居心地の良い空間にしたいなって。キャストさんから「このお店働きやすいよね」って言われたら、やっぱり嬉しいですから。

できているから上に“なる”。認めてもらうのが、今の目標

目標としては、もちろん上に上がりたいです。だから今、仕事で抜けていることがまだまだ多いのが悩みですね。そこをちゃんとしないと、絶対上に行けないと思うんで……。

上にいるから仕事ができるんじゃないんですよ。できているから、上に“なる”んですよね。だから僕も、その自分の課題をつぶしていって、認めていただくしかないんです。

上がったら、絶対違う景色が見えてくる気がするんですよ。ぜんぶの経験を、もっと活かせると思うんです。

そこからきっとまた、考え方も変わってくるでしょうね。もちろん給料だって上がる(笑)。

今、夢を持てる毎日です。そのことが嬉しいですね。

(インタビュー:さいとう)

取材後記

藤野 りさ

執筆者

藤野 りさ

紆余曲折を経て、風俗業界に戻ってきた鈴木さん。仕事として捉えた時、風俗も一般も、昼も夜もないのだという言葉は、染みますよね。共通の目的があるから、スタッフ同士むしろ連帯感だってあるというのも、意外なご指摘でした。結局どんな職場も仕事も“人”、そんな風に感じた取材でした。

プロフィール

CASA BIANCA(カーサ・ビアンカ)

鈴木隆次

一般職(内勤・スタッフ)

(前職:建築業)

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