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広告代理店時代。仕事に身が入らず、サボりがちで……

ここで働く前は、6年ほど広告代理店の営業として働いていました。

そこに入社した動機というのは正直あんまりなくて。「大学を出たんだからとりあえず職に就くか」みたいな感じで、カタい会社に比べれば、広告代理店の方がもうちょっと柔らかいかなという……。

大手スポーツメーカーの経営するテニスクラブの広告を打ったり、会員を募集したりする仕事をしていたんですが、面白いと感じることはなくて。

とりあえず目の前にある業務を消化しているような感じで、あまり大した目標もなかったんです。やりがいもなく、サボってばっかりでした。

新規顧客の獲得なんかは勉強になりましたけど、働いている実感というか、充実というのは、ずっと感じられなかったんですね。

年収も600万円ぐらい頂いていたんですが、これ以上続けられないと思って、退職を決意しました。働く理由って、お金だけではないんですよね。

面接時に言われた「やりたいことをやりなさい」

「おもしろい」で考えた時、頭に浮かんだのは風俗業界でした。飛び込むに当たっては、とにかく色々なお店で面接をして……。

『K・Tプランニング』に決めたポイントですか？　他のお店はどこも、企業体質を古く感じたんですよね。年功序列がはびこっている感じで、「長くやりゃすごいのかよ」と思ったぐらい（笑）。

ここは違ったんですね。面接をしてくれた社長は、社歴というものを気にしない方でした。しかも、僕にこう仰ったんです。

「自分のやりたいことをやりなさい。自分の思ったことをやりなさい。もし間違っているようなことがあったら、注意するだけだから」

すごく心に残りました。僕みたいな、右も左も分からない人間の“感性”を、伸ばしていきたいとも言ってくださって。

「このお店なら、自分の考えに合っているな」と。そう思って入社を決意しました。

問われるのは何か。令和になっても変わらないこと

入社した7年前は、ちょっとお店がうまく行ってなかったんです。

言い方はあれですけど、マナーも言葉遣いも、「なってないな」という先輩も多かったんですね。お客様を見下す発言なんかもあって……。

お客様ファースト、女の子ファースト。それがまず第一のはずなのに、そこから崩れているような状況だったんです。

たぶん社長も、自分がそこのところはできると踏んでくださったんでしょうね。次第に周りも影響されて、誠実なスタッフもどんどん入ってくるようになって、逆に古株の横柄な方たちが、自然と去って行った感じです。

振り返ると、会社の過渡期だったんでしょうね。今は昔とは真逆ですから。

僕も3年で店長を任されて、同時に意識し始めたのは売り上げです。

やっぱり女の子ありきのビジネスなので、彼女たちに対して誠実にということは、強く意識しました。コミュニケーションの密度は、そのまま数字に繋がりますから。

あとは、お店の雰囲気も数字に繋がると思っています。ウチのスタッフは能力が高いのはもちろんですけど、みんな明るくて、目が死んでいない（笑）。こういうところって、受付で実は、お客様も見ていると思うんです。

時代は平成から令和に変わりましたけど、ここでは未だに人と人がコミュニケーションを取って、お金の受け渡しもしてということが行われている。

また、それが求められてもいますよね。自動改札機じゃない。そうすると電話1つにしても、受付でも、人間性が問われてしまうんですよ。ウチではだから、マナー・言葉遣い・笑顔・元気、今でも何よりも、大切にしています。

前向きに取り組んだ結果のミスは、責めない

仕事をしていて楽しいのも、若い人たちとのコミュニケーションです。

女の子はもちろんなんですけど、受付でも若い男の子たちとコミュニケーション取る機会が多いので、刺激になります。ここから僕はただただおじさんの世界に入っていくだけなので（笑）、ありがたいですよね。

業務上で大きな失敗をしたことですか？　これと言って大きな失敗というのは特にないですね。それに、ウチってミスをして怒られるということはないんです。寝坊の遅刻は怒りますけど（笑）。

冗談はさておき、細かい失敗というものはみんなありますよね。だけどミスをした時に「じゃあ次同じミスをしないためにどうしようか」ということを、みんなで話し合うことが大事だと思うんです。ミスはミスでも前向きに取り組んでのミスなら、責めません。大切なのは今、この先ですから。

渋谷の地でNo.1に。今、仕事が楽しい

今後の目標は、とにかく渋谷で1番のお店になることですね。

そのために必要なのは、女の子の数です。広告の打ち方であったり、環境の整備であったり、そこはこれからも大切にしていきたいですね。何よりも1人ひとりとの縁を大切に、繰り返しになりますけど、面接から女の子に誠実に向き合うのが大切なのかなと。

今はサボりたくならないか？　そうですね、考えてみると、全然ならないです、そう言えば（笑）。

学生時代からスキあればサボろうとしてたのに……。やっぱり環境なんですよ、人間て。僕今、仕事が楽しいですから。

（インタビュー：徳山央樹）

取材後記

執筆者

芦澤 光

年功序列ではなく、仕事を評価してほしい。きっと入社前の関口さんと同じ思いを抱えている方は、多いですよね。かつてはサボりがちだったのに、今では渋谷No.1のお店を目指す店長さん……。環境の力って、本当に大きいのだなと、あらためて思いました。今後の発展も、楽しみですね！