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総合職(店長・幹部候補)】安斎光義さんのインタビュー記事

2002年入社

安斎光義 (47歳)

総合職(店長・幹部候補)

前職:自営業

2019.12.24

“あと少し、もう少し“。難しいことがないからこそ、大切なのは、やっぱり気持ち

この記事のポイント!

  • コツコツと毎日の業務。“当たり前”はなぜ大切か
  • 「失敗を活かそう」と思える人は強い。力を発揮できる
  • 言い合えるのは、信頼関係。わかりやすいから、働きやすい

自分がされてイヤだったことはしない。店長としての意識

入社してからですか? 2002年だから……、もう17年になりますね(笑)。早いものです。

今でこそいっぱしの顔して店長なんてやらせていただいてますけど、それこそここに来るまでには紆余曲折がありました。事業に失敗して、文字通り無一文でこの会社に飛び込んだんです。

まだ30歳だったので、プライドが何かを邪魔するということはなかったですよ。それこそゼロから何でも学ぶ気持ちでした。

もちろん僕も人間ですから、当時は歳下の先輩にエラそうな態度なんてとられると、ムカッと来ることもありました(笑)。だけどグッと堪えて。「ここで腹を立ててどうする」というのは、常に思っていた気がします。

今はもうそんなことないですよ(笑)。特に日本橋店は、僕と、10年前からもう1人相棒と2人で、二人三脚でやっているお店ですから、これから入社する方にとっては、すごく働きやすいと思います。

「スタッフの時、自分がされてイヤだったことはやめよう」

時代に合わせてということではなくて、昔からここはすごく意識しています。気持ちよく働ける場をつくるのも、店長の仕事ですよね。

コツコツと毎日の業務。“当たり前”はなぜ大切か

店長になれた理由?(笑) 理由も何もないですよ。コツコツ毎日の業務をこなしていただけ。当たり前のことを大切にというか。

例えばお店でまず大事なのって、キャストさん1人ひとりの名前を覚えることなんですけど、どうすればいちばん効率よく覚えられるかって、わかります?

「おはようございます。今度入社した〇〇です。よろしくお願いします」

まず挨拶することなんですよ。自分から名乗ればキャストさんも返してくれますし、お互いの印象にも残ります。挨拶なんて“基本中の基本”なんですけど、だからこそこれを自分からできる人は、覚えが早いです。

実は僕、「キャストさんに挨拶しろ」なんて言わないんですよ。挨拶できなくても業務って回せますから。ただ普通のこととして、お仕事を担ってくれるキャストさんに「おはようございます」「おつかれさまです」と挨拶できる……。

これってその人の“人間性”だし、人間性こそ強みになるのが、この仕事という気がするんです。

「失敗を活かそう」と思える人は強い。力を発揮できる

逆に言うと、今までの自分というか、これまでどんな経歴だったかなんてことは、まったく気にしなくて良いと思います。

僕だってぜんぶ失って入ってきて、でもここは履歴書なんかなくたって良い。丸裸で始められる場所ですよね。人生は長いんだから、人それぞれに失敗することだってある。「もう行くところがなくて」という方だって、大歓迎ですよ。

ただ、そこからですよね。例えば性格に問題があったなら、「直そう」と思えるか、「今度は人間関係を大事にしよう」という風に考えられるかなんです。

他の悩みだって同じです。もしも借金で失敗したなら、ここで日払の給与をぜんぶ使ってしまうんじゃなくて、半分でも10分の1でも良いから「貯金に回そう」と思えるか……。これはちょっと余計なお世話ですけどね(笑)。

でもそんな感じで「失敗を活かそう」と思える人は、必ずここで力を発揮できます。

さっき言った人間性って、苦労から生まれると思うんですよ。苦しんだ人って、他人にも優しくできるじゃないですか。キャストさんに「ありがとうございます」って言えるし、成長していく中で、スタッフを育てられるようにもなるんです。

言い合えるのは、信頼関係。わかりやすいから、働きやすい

僕は一度だけここを辞めて、大きなグループ店に勤務したことがあるんですけど、そこは“システム”がガチガチで、言われたことをただやるという感じでした。覚えれば確かに仕事はラクなのかもしれないですけど、僕には合わなかったですね。返って息苦しいと思ってしまって。

で、戻ってきたんですよ。やがて店長にもなって、さっきも言いましたけど、10年前にもう1人、相棒とも言えるスタッフが入ってくれて……。

彼ともぜんぶが合うわけじゃないですよ。ときには喧嘩もありますし、「このヤロー」って思うこともあります(笑)。ただ大事なのは、僕らはそれを“言い合える”ということなんです。

「違うと思うな」

なぜ言い合えるのかと言ったら、やはり信頼関係ですよね。風通しが良いも悪いもないんです。2人しかいませんでしたから(笑)、面と向かって何でもぶつけ合って、それでこのお店をつくってきました。

これは日本橋店の良いところだと思います。“上司が何を考えているのかわからない”だと、下のスタッフもコワくて働けないでしょう。僕らはわかりやすいですから(笑)。

最初はみんな、けっこう本気。もう少しだけ、がんばってみて

この仕事って、難しくはないんですよ。電話を取って、フロントでお客様をご案内して、キャストさんには「ありがとうございます。いってらっしゃい」……。

もちろん売上が落ちたらみんなで話し合って、ホームページを工夫しよう、広告にお金を掛けよう、イベントをやってみようってなりますけど、基本は日々“当たり前のこと”の繰り返しなんですね。

難しくないのに続けられなかったり、すぐに投げ出したりっていうのがあるとすれば、こういう言い方はあれですけど、やっぱりそれは、その人が“マジメじゃない”というのが大きいと思います。

「ここでやり直そう。コツコツがんばろう」

あんがいみんな、最初はそう思って業界に入るんです。けっこう本気です。でも忘れちゃうんですね。元に戻っちゃう。

僕は「残念だな」って思うんです。だって、この人はまたどこかヨソへ行っても、同じですよ。自分に負けちゃいます。

もうちょっと、なんですよね。くじけそうな時に、「もう少しだけがんばってみよう」と思うだけで良い。思っていたら、僕は17年。もう1人の彼だって10年ですよ。続けられるし、続けた先には安定や、何より“自信”が待っているんです。

僕らが証明というのはおこがましいですけど、僕だってがんばれた。もしも同じようにここで「がんばろう」と思う方がいたら、僕らは全力で支えますよ。何でも相談してほしいし、お店はまだまだ良くなるって、僕は信じているんです。

(インタビュー:新海亨)

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

「ここしかなかった」と、正直な思いを語ってくださった安斎さん。ちょうど30歳。人生の分岐点で入った風俗の世界だからこそ、過ごした17年に「自分は救われた」という思いが強いのでしょう。「最初はみんな、けっこう本気でがんばろうと思っている」。この言葉に、安斎さんの悔しさと、何より優しさが込められている気がしました。

 

プロフィール

安斎光義

総合職(店長・幹部候補)

(前職:自営業)