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総務・人事】青山ランさんのインタビュー記事

2011年入社

青山ラン (34歳)

総務・人事

前職:キャスト ⇒ 専業主婦

2020.1.9

結婚も出産も、マイナスにしたくない。元キャストの私だからこそ、わかること

この記事のポイント!

  • 「そっか。そんなことも思うんだ」。日々が学びの数年間
  • システムとオペレーションの分業。遂に求人部のカタチができた
  • 例えば住民票。スタッフとキャストのために、ぜんぶできるのが夢

仕事の経験は、キャストだけ。まともにパソコンも触れなかった

私はもともとキャストだったんですよ。18歳でキャバクラに入って、次にM性感、キャリアの後半はSMクラブでした。23歳、4歳だったかな? 引退したのは。

……書いて構わないか?(笑) どうぞと言うより、ぜひお願いします。キャスト後にこういう道もあるというのは、知ってほしいところなんです。

スタッフとして『スターグループ』に入ったのは2011年。できてまだ2年、私が26歳の時でした。キャスト時代の知人がグループにいて、「求人部をつくるから、手伝ってくれないか?」ということだったんですね。

私も引退後に結婚して子どもができて。専業主婦でしたから、時間があったんです。「じゃあ」ということで始めたんですが、最初はすごく苦労しました。

「簡単なメールのやりとりだけでいいから」

こんなに未経験に優しい言葉もないと思うんですけど(笑)、私はキャスト以外の仕事をしたことがなかったですから、パソコンもまともに触れなかったんです。

それに当時はマニュアルも何もまだないんですよ。実際にメールから教えていただいたんですが、会社にも“求人部はこうあるべき”という根幹が定まっていなかったので、何事も行き当たりばったりになっちゃってたんですね。

唯一あったのは、“スターグループはこれから全国展開していく。だから店舗ごとでキャスト応募に対応していたのを、求人部として集約させよう。効率化を図ろう”ということだけ。ではどういう対応が求職者の方にベストなのかということは、手探りだったんです。

ご応募の女性を、不安にさせてはいけない。ここでつまずけない

「どうしよう。困った」

いきなり求人部よろしくとなっても、私は当時エクセルやワードが何のことなのかもわからなかったぐらいなんです(笑)。

かと言って、私には途方に暮れている暇もなかったんですね。せっかくアクセスしていただいたのに、遅い対応でがっかりさせたら、会社もそうですけど、ご応募の女性たちに申し訳ないと思って。

私だって、18歳からこの世界でキャストをしていた人間なんです。特に業界未経験の方は、メールの文章1つ取っても、応募のボタンをクリックするのにも、心配があるのはわかります。彼女たちに示さなきゃいけないのは、何よりもまず“安心”のはずで、こんなところで私がつまずいていたら、業務効率化どころの話じゃないんです。

なので私、すぐに人の助けを借りたんですよ。正直に窮状を打ち明けて、パソコンにくわしい友だちに入社してもらったんです。上にも「とにかく必要な人材ですから」って、お願いしました。

「そっか。そんなことも思うんだ」。日々が学びの数年間

実は、その子もキャバ嬢だったんですね。元キャバ嬢でパソコンにくわしいなんて、その頃の私と会社にとったら、これ以上に最強の組み合わせってないんですよ(笑)。

まず2人で作ったのは“Q&A”です。この世界で仕事を始めようと思った時、何が不安だったか、どんな対応が嬉しかったか、良いと思えたのはどんなお店で、逆に嫌な思い出が残っているのはどういう場合だったか。

もう手探りですよ。2人でQ&Aを作るそばからご応募はあります。この業界は“キャストさんの数=集客数”みたいなところもありますから、全国に店舗展開を続けるスタッフさんのためにだって、お待たせしちゃいけません。数年間はほんとに必死でした。

発見もたくさんありましたよ。やっぱり時代もあれば業態もあるので、当たり前ですけど、私やその子が昔感じていた不安だけが、キャスト応募の不安ではないんです。

「あ、そっか。そんな心配もあるか」とか、「他でこの方はこんな思いをしたんだ」とか、毎日が学びの連続で……。そうですね、今思うと、あっという間の歳月だった気がします。

システムとオペレーションの分業。遂に求人部のカタチができた

Q&Aができて、何とかご応募の1つひとつにしっかり対応できるようになって……。さらに時代を見据えた展開であったり方針なりを求人部が考えられるようになったのは、上司のクズハラの力が大きいと思います。

3年ぐらい前になるのかな? 求人戦略とシステムを彼が見てくれるようになって、どの時期にどの媒体に、どんな広告を出すのが効果的かとか、個人情報にきちんと配慮しつつ、ご応募の方の情報をどんな風にまとめて、どういうシステムを組むのがいちばん良いのかというのを、考えてくれるようになったんです。

バックヤードとオペレーションが分業化されたって言うと、わかりやすいですかね。私も今は人並みにパソコンを使いこなせるようになりましたけど(笑)、今後入社する方は、もっとずっと働きやすいと思いますよ。より“得意”を活かせる環境になったかなって。

経験から語れることはある。未経験だから寄り添える場面もある

ウチはとにかく“チーム”なので、その意味でも働きやすいと思います。メールから何件応募がないと、みたいなノルマももちろんないです。

メールや電話を受けてって、オペレーションを中心に回す子もいれば、「その後どうですか?」って、こちらからのアプローチが得意な人もいます。困っているスタッフのフォローばっかりっていう人もいますよ(笑)。自分の至らないところって自分では見えないから、これはこれですごく助かる役割なんです。“チーム”“分業”の良いところですよね。

求人文のテキストを考えるのが得意な人がいたり、過去のデータを分析して、戦略を考えるのが楽しいという人がいたり……。これって別々の能力なので、決してぜんぶができる必要はないと思うんです。

キャスト経験も同じですよね。幸い私は、キャストとしての思いや葛藤がわかります。でも経験がない方ならない方なりに、条件が一緒というところで、未経験応募の方に寄り添えるじゃないですか。新入社員の初めての文章を読んで、「なるほどー」って気づかされるようなことも、何度もありましたよ。

例えば住民票。社員とキャストのために、ぜんぶできるのが夢

今後はこの“チーム力”で、もっと色んなことをしていきたいですね。

店舗のスタッフも忙しいですし、気づけないこともあるでしょうから、それこそ面接もこちらで引き受けたいんです。

入店となれば、「じゃ一緒に行きましょうか」ってお店までご同行して、「お願いします」とスタッフにお引き合わせして。初日が終われば「どうでしたか?」って一緒に帰って、書類が揃わなければ代わりに住民票を取りに行ってあげたり……。

こんな風に細かいサポートも、というのが理想なんですけど(笑)、課題は人数ですね。今11人なので、さらなる効率化もそうですが、やっぱりもう少し、人数が欲しいところです。

キャスト、スタッフ。相手の仕事を知ったからこそ、わかること

求人部長という立場だから言うわけじゃないんですけど、色んな事情でキャストという選択をする方がいて、私たちはその方たちに寄り添って……。だからこそ、スタッフの働き方も、色々でいいと思うんです。

今私も2人目の子どもの出産を控えているんですが、例えばもしもキャストをしていたとしたら、急に収入を断たれることになるわけですよね。悩む方もいらっしゃるかもしれない。

だからもちろんご相談があればですけど、ご出産までの間だけこちらでスタッフを、という働き方があってもいいのかなって。

お子さんが生まれたらまたキャストに戻られてもいいでしょうし、次のキャリアとしてスタッフという道を選んでもいいじゃないですか。

もしキャストとして業界に帰ってきたとしても、その時には「スタッフさんはスタッフさんでたいへんなのね」って、相手を労われるキャストさんになれるでしょう。逆にスタッフという道を選んだとしたら、それこそ親身にキャストさんに寄り添える、ステキなスタッフになれると思うんです。自分のこと言ってるわけじゃないですよ(笑)。

結婚も出産も、本来喜ぶべきこと。多様な働き方に応えたい

なんというか、誰だっていつまでも若いわけじゃないですし、私も結婚して2人の子どもを授かって、そのうえでこの業界で、別の働き方を見つけたわけですよね。結婚や出産、育児がマイナスになるなんて、悲しいじゃないですか。でもここは、そうじゃないんです。業務も働き方も“私らしく”を許してくれます。

そしてこれは、元キャストという立場に限らないですよね。人生の色んな場面で、結婚や妊娠という“喜ぶべきこと”がマイナスに作用しそうになった女性は、少なくないと思うんです。

その意味で言えば、『スターグループ』は性別不問で、がんばって結果を出せば、男性も女性も収入として見返りを受けられます。時間だって、求人部は9:00~翌日の5:00までの間から、選んでくださっていいんです。

お子さんの受験を控えていて、長く働いてしっかり稼ぎたいという方もいるでしょうし、逆に学校の登下校時間に合わせて、10:00~16:00までが良いという方だっていると思うんですよ。この職場が、多様な働き方のニーズに、応えられたらいいなって……。

エクセルもワードもオフィス勤務も知らなかった私が、部長になれるんです。これって実は、すごいことですよね(笑)。そんな企業ばかりじゃないでしょう。

正直に、恵まれてるなって思います。育休が明けたらきっと、私はまた帰ってきます。その時求人部のスタッフがたくさん増えていたら、これほど嬉しいことはないですね。

(インタビュー:新海亨)

取材後記

松坂 治良

執筆者

松坂 治良

仕事の経験は、キャストのみ。そこからスタッフとして業界に舞い戻った時、青山さんはわからないことを嘆くより先に、キャストさんのためにも早く業務を覚えたかったと言います。求人部が今やグループの全国展開を支える組織となったのは、何よりも相手のことを第一に考えた、青山さんの力も大きいのでしょう。学びの姿勢にも打たれたインタビューでした。

プロフィール

青山ラン

総務・人事

(前職:キャスト ⇒ 専業主婦)