風俗店のブランドを築くために必要なこと ~アキバマサトの『風俗業界一年目の教科書』~
2017年02月22日
皆さん、こんにちは、アキバマサトです。突然ですが「アキバマサト」と言えば、何を連想しますか?
もちろん「誰だ、そりゃ?」と言う人が大多数だと思いますが、数少ないアキバマサトを知っているという方からは、「フーチューブ」とか、「ハイパーエロメディアクリエイター」というワードが出てくるのではないでしょうか?
僕がアキバマサトと名乗りメディアに露出するようになったのは、『FuuTube』(フーチューブ)のプロモーションとブランディングで自らが人間広告塔になるためです。
「ただの目立ちたがり屋だろ?」という意見もありますが、そんなことはありません。まぁ、あながち外れではありませんがw。
冗談はさておき、今回のテーマ『店舗のブランドを築くために必要なこと』です。
これはハッキリ言って、とても難しいことです。
当記事の連載にあたり、『Fenixzine編集』の新海さんより、毎回執筆のテーマを頂いているのですが、今回のお題はぶっちゃけ……。コリャ、しんどいわ~と思いました(笑)。
なぜなら、風俗店に限らずですが、店舗やサイトなどのブランディングというのは最難関、かつ最大の課題であり、逆にこれができてしまえば、あらゆるビジネスにおいて半分成功したといっても過言ではないくらい重要なものだからです。
ブランドを確立することのメリット
僕が2015年までプロデュースしていた『FuuTube』を例に話をしたいと思います(現在は、『FuuTube』映像クリエイター)。
数年前まで、業界関係者に「風俗の動画と言えば?」という質問をすると、僕の肌感覚ですが、かなりの割合で『FuuTube』と答える方がいました。
今ではネットのインフラが整ったことで、動画に力を入れている風俗サイトがたくさんあります。なので、残念ながら現在も同じだとは思いません。
しかし、そのころ“風俗動画=FuuTube”と世間で認知されていたのは、「風俗を動画で見るなら『FuuTube』」などと、バナー広告を出していたからではありません。
この手の広告を一切出したことがないかと言えば、そんなことはなく確かにこの方向で広告出稿していたこともありますが、ごく短期間で数も数えられる程度です。
ブランディングというものは、バナー広告などで簡単にできるようなものではないのです。
『FuuTube』がどのようにして“風俗の動画=FuuTube”というブランドイメージを作ったのかは、とても長くなるので一旦さておき、このイメージが定着することにより得られるメリットとして、
・動画でのプロモーションを検討している風俗店様が広告出稿を検討する際の選択肢に入りやすい。
・遊びを検討するお客様が写真だけでなく、より情報の多い動画で女の子を見て決めたいと思ったときの閲覧候補に入りやすい。
などが挙げられます。
これらのアクションはバナーなどの単純なクリックスルーのものと違い、コンバージョン率が非常に高いのです。
すなわち、ブランディングとは広告費がかからず、高い効果を持続することができる広告のようなものなのです。
自分自身をブランディングすることが店舗のブランディングにつながる
僕が『FuuTube』と言えばアキバマサトというブランディングのために人間広告塔になった話につながる部分ですが、デリヘル店での仕事に照らし合わせて考えてみたいと思います。
A君とB君に女の子の紹介文を作らせたら、A君の方が反響のある紹介文を作れるよね、とか。写真撮影だったらB君だよね、とか。電話対応だったらC君の成約率が一番だよね、など。
自分自身の得意分野にしっかりと磨きをかけアピールすることが、個人のブランディングにつながるのだと思います。
大規模に展開する風俗店グループや一般企業などの大きな組織に属する場合は実感することが難しいかもしれませんが、各店舗や部署の中でいえば、これだけは負けないというようなモノを大多数の人がもっています。
まったくないという人は、それこそ明らかに勉強不足とか、努力が足りないのどちらかです。何かひとつでもこれなら負けないというものを探してみると良いと思います。
比較的小~中規模の風俗店スタッフの場合は、かなりマルチに仕事をする場合があります。例えばデザインのエキスパートでもカメラマンでもないけど、その両方をこなす必要があるとか。
組織の規模や方針にもよりますが、大概はいずれもプロ並みにできる必要はなく、ギリギリ商業レベルで十分なことが多いです。
重要なのは、スタッフとしての給料分にプラスαの仕事ができる人材というブランドになれるかどうか、ということです。
個人単位で自分自身のブランディングができれば、その規模を少しずつスケールアップしていくことで、お店自体のブランディングのヒントになると思います。
強大なブランド力に対抗するというシチュエーションを考えてみる
少し見方を変えてみたいと思います。
そもそもこんなシチュエーションは絶対にないと思いますが、もしもを考えるのは良いロールプレイングになりますので、ひとつ試してみましょう。
『セブンイレブン』と『ファミリーマート』に挟まれた土地で、個人店のコンビニをやらなければいけなくなったら、を考えてみます。
この2店舗に挟まれて、『アキバストアー』みたいな店をやらなければならなくなったら、考えただけでもゾッとしますよね。
ちょっとやそっとの品ぞろえや品質ではブランド力に勝てません。それに在庫コストや仕入れコストがかかり、リスクが大きすぎます。
それならば、品数や品質そのものではなく取り扱う品目の種類を変えてみるとか、100円均一のような品物にするとか、逆に『成城石井』のように高級路線にするとか。
または、両ブランドのマーケティング力に乗っかるという手もあります。
一般的な商品構成といっても、かなり地域差があることは素人目にもわかると思います、海の近くのコンビニではビーチサンダルや浮き輪や水着が売っています。これは、「海の近くだからこの商品が売れる」と考えて置いているのです。とてもわかりやすいマーケティングの一種です。
考えるとキリがないのですが、この問題には正解はありません。では、なぜこんなにコンビニの話を続けたかというと、今のデリヘル業界に近いものがあると考えているからです。
コンビニとデリヘル店のマーケティングから見るブランディング方法
デリヘルというのは基本的にラブホテルがある場所に集中するのは当たり前のことですが、商圏内にコンビニのように、競合他社が密集することが往々にしてあります。
そう考えると、マーケティングがいかに重要かわかるのではないでしょうか。
ほんの一例ですが、出店予定エリアの平均年齢を調べて、それに応じたブランディングをしてみる方法がありました。
守秘義務があるのであまり詳しいことは言えませんが、端的に言えば在籍女性の平均年齢と顧客の平均年齢が比例しているということです。
このデータに基づけば、平均年齢の高いエリアでは熟女を前面に押し出したブランディングをするとか、逆にニッチを狙って若い子で攻めるといった戦略が考えられます。
ただ、しつこいようですが、これにも正解はないのです。
厳密に言えば正解はあるのでしょうけれど、トライアンドエラーを繰り返して、やってみなければわからないというのがほとんどなのです。
しかし、消去法なら比較的簡単に答えを出せるかもしれません。無数にある中から正解を引き当てるより、外れを間引いていくほうが簡単ということです。
僕が20年以上風俗業界を見てきて、これは良くないとはっきり言えることがあります。
それは、まさにコンビニのような風俗店だと思っています。
「10代~40代まで幅広い年代の女性が在籍していて、サービスは必ず最低限のヘルスサービスはする。けれど、特に驚くようなことも起きない。その代わり料金は高くもなく安くもない。店名はエンジェル&エレファントinコートダジュール!」
みたいな風俗店は絶対に長続きしません。
かなり極端に書いてますが、ぶっちゃけ、これに近いような風俗店はすごくたくさんあると感じています。
「これがうちのお店のウリです!」というものが、「要するにそれって特徴がないってことでしょ?」になってしまっていることが意外と多くあるのです。まさに「二兎を追う者は一兎をも得ず」です。
ドSな熟女好きのお客様にとって、アイドルグループにいそうなドMちゃんは地雷かもしれません。
制服の似合う黒髪美少女を責め倒したい、と望んでるお客様が、痴女界では有名な人妻と遊んでも1ミリも楽しくないのではないでしょうか。
そんなことを言ったって、「面接に来てくれる女性のタイプを操作することなんてできない」と思う方は多いと思います。
しかし、池袋にある老舗SM店には、比較的若い真性M女が向こうから勝手にやってきます。
老舗のブランディングが出来上がっているお店だからできるのではなく、それをブレずに続けてきたから老舗になったと考えられます。
まとめ
ブランドを築くための方法に正解はありません。しかし、ブランドを築くためには自分が作り上げたいと思うモノ(できればマーケティングにより裏づけされたモノ)を、周りに認知が広がるまでブレずに続けていくことが何よりも必要です。「ローマは一日にして成らず」というアレですね。
現代では、インターネットの普及のおかげで、一昔前とは比べ物にならないほど伝播速度が上がっており、このようなブランディングも早ければ1年程度で出来上がることがあります。
反面、破壊速度もとてつもなく早く、一度食品の冷蔵庫に入ってピースした写真をSNSにアップしただけで、壊滅的ダメージを受ける可能性もあるのです。
人類最大の発明のひとつとも言えるインターネットをうまく利用して、ブランディングに役立ててください。
- 今回のまとめ
- ・ブランディングとは広告費がかからない、良質で効果的な広告のようなもの。
・自分自身をブランディングすることが店舗のブランディングにも繋がる。
・「ブランディングは一日にして成らず」ブレずに続けることが重要。
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