こんにちは、Fenixzine編集部の徳山です。
TVドラマ『フルーツ宅配便』を風俗関係者と観て、感想を言い合う実況上映会も後半戦へ突入!
前編はこちら
こちらの上映会は第5話の放送後に行いました。また、ドラマのネタバレが含まれますので、未視聴の方はお気を付け下さい。
参加者紹介
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まりな店長
スタッフもキャストも女性のみ、副業女子専門のデリヘル『池袋サイドライン』の経営者で元キャスト。最近では、芸人とのエピソードトークバトルに出演するなど、メディア露出は多数。
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スタッフS
『池袋サイドライン』の社員スタッフ兼任キャスト。事務所にいる時間は、まりな店長より長い。「フルーツ宅配便の原作は好き」と事前に語っておりましたが……。
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あきさん
新宿にある『ロボットデリヘル』の経営者。風俗に使った金額は1億近い(?)という、風俗マニアとしての一面も。忌憚なく意見を述べる性格と、幅広い知識があるためお呼びしました。あきさん曰く「俺、めちゃくちゃ性格悪いみたいに言われるけど、1番性格悪いのはまりな店長だと思う」とのこと(インフルエンザによりTV電話での参加)。
風俗業界の盗撮と物件のトラブルはつらいよ
▲あきさんと通話をしながら実況してくれたまりな店長
--第3話ですね。みかん(徳永えり)がホテルに到着したら、2人のチンピラがビデオカメラを持って待機していたと。みかんは脅され、録画データをネットで販売されそうになってしまいます。その後、助けが来るんですけど……。
あきさん:こんなすぐ捕まるような行為、今やらないでしょ! これも風俗で働くことを悲劇と捉えてる感じがして、働いている身からするとちょっと腹立たしかったな。
まりな店長:でも、インコール後、店側はキャストとお客様の間に何が起きているか把握できないのは事実……。自衛手段は持っておかないといけないですね。年末にキャスト復帰した時に盗撮されたんですけど、すぐ気付いて、捕まえましたもん。
--え!? どうやって盗撮犯って見抜いたんですか?
まりな店長:目線です。目の動きで、カメラのアングルを気にしているのが分かりました。あとは、不自然な位置に置かれた小物も。触って熱くなってたら確定。即、店か警察に連絡って感じで。Twitterに盗撮グッズ情報は出回っているので、そういうので予防するしかないですね。
スタッフS:経験上ですけど、盗撮するような方はお堅い職業の人が多かったですね。教師か医者かって感じでした。
▲実際に見つけたという車のキー型の小型カメラ
--他にもみかんが風俗業という理由で、不動産屋に賃貸契約を反故にされるエピソードも出てきます。物件関係のトラブルってなにかありました?
まりな店長:家主によりますね。店舗の事務所を借りるのにも、風俗ってだけで審査が厳しくなるんで、別の業種だってウソついて、借りているところも多いんじゃないかな?
あきさん:でも、実際風俗関係者って、夜逃げも多いから。信頼されづらいのは分かるんですよ。新しい物件借りると、郵便受けに前の借り主の請求書がよく届くし(笑)。
まりな店長:サイドラインを立ち上げて、代表になったばかりなので、自分が住む家が借りづらかったんですよ。会社を作って2年経ってないと、実績として認められにくいんです。2年経っていたら経っていたで、風俗業って判ったら足元を見てきますからね……。風俗OKを公言している管理会社さんにお世話になるのが楽です!
▲「今住んでるとこ、ホストかキャバ嬢しかいないんスよ……」と嘆くまりな店長
ガチ恋のお客様問題とちょっとダサい服の方がウケる説
--第4話。初めて風俗に来た、生真面目な男・丸谷(72歳)。イチゴ(山下リオ)に運命を感じてしまい、毎日のようにロングコースで指名するように。いわゆるガチ恋にとなり、最終的につきまとわれてしまう回ですね。
まりな店長:色恋営業に対しては何も思わないですけど、どハマりしてしまうお客様はいますね。意識的にやるキャストもいれば、天然でやる子もいるよね。
あきさん:お金で時間を買っているだけなんで。お客様もそこを分かった上で、遊んでもらいたいですよね。でも、これはイチゴも悪いと思う(笑)。ある程度、お客様との距離をコントロールする力も大切ですよ。
まりな店長:ということで、イチゴはもっと上手くできるようにならないと、また破滅しちゃうゾ!って、そう思いました!
--イチゴは、帰りの車内ですごいゆるいパーカーを着ていますね、仕事中は清楚って感じのワンピースだったのに……。
まりな店長:店舗のカラーにもよるけど、ウケる服ってありますからね。パーカーはウケ悪いんじゃない? ウケる服でいうと、清楚系? いまの私? みたいな(笑)。
▲「清楚系はウケるんですよ!」とまりな店長
スタッフS:は?(笑)でも、確かに最大公約数的な服を着るっていうのは、キャストあるあるかもしれない。って、意味ではいい演出。
まりな店長:ちょっとダサい格好の方がウケるっていう謎の法則があるよね。
スタッフS:あくまでサイドライン内の話ですけど、ブランドで言うとミッシュマッシュ、マーキュリーデュオ、ダズリン……。
あきさん:俺は全然話に入れないですけど(笑)。『テンプレ女子大生』みたいな格好が、お客さんにはウケやすいのかなと思ってます。
まりな店長:やっぱ、今も昔もCanCamがウケるんですよ。だってCanCamってちょいダサじゃないですか!
スタッフS:こんなこと言って大丈夫? 今後、やりにくくならない(笑)。
風俗業界で働いていること打ち明けてる?
--第5話、ラストですね。本橋えみ(仲里依紗)がデリヘルで働いていることを、咲田に伝えるシーンがありますね。業界の方にインタビューしていると、周りに仕事のこと伝えていないっていう人はまあまあいますよね。お三方は友人に伝えていますか?
まりな店長:いるよ(笑)! 最近、大学時代の女友達に「風俗店経営してます」って打ち明けたんですよ。 そしたら、イベントとか観に来てくれるようになって、応援してくれるようになったな。じゃあ、キャスト時代に言えたかって言うと……言わないかな~。
スタッフS:めんどくさいことになりそうなんで、言わないかな?
あきさん:僕はもともとそういうキャラだったんで……。
▲友達いないイジリで盛り上がったサイドラインのお二人
実際の風俗は面白いことがたくさんあるよ!!
--と、いうことで『フルーツ宅配便』を放送分まで観ていただきましたが……
スタッフS:これをリアルだと思ってほしくないなぁ……。
まりな店長:風俗業界を暗く描きすぎだなって思います! もっとポップですよ。ガハハって笑えるエピソードもたくさんあるし。もちろん暗い話もあるけど、それにしてもドラマで描かれているのは、ちょっと古い風俗のイメージ。
スタッフS:「風俗業界をこう描けばウケる」って意図を感じたのは事実ですね。原作にあった、普通の話を挟んでほしかったな、あくまで第5話までの感想ですけど。でも、ドラマだしなぁ……っていう気持ちも……。
あきさん:原作はもっと中立な感じだったもんね。暗い話が多くて「業界が明るくて面白いって思っているのは、俺らの周りだけ?」って思っちゃった。でも、俺達が勝手に思ってるだけで「傍から見たらこういう業界なのかな?」とも思えてきちゃったもん。不愉快な箇所があったな~。
まりな店長:関係者の方は、あんまり風俗の事好きじゃないのかなって思っちゃいました。もっと、面白いストーリーが実際には起こっていますよ!
--じゃあ、面白い風俗体験をしたいならサイドラインに行けってことですね(笑)。
まりな店長:そうですそうです! だから、TV関係者の方はサイドライン遊びに来てください! 領収書出せますんで(笑)。って、宣伝です!(笑)
編集後記
ということで、風俗店経営者、スタッフにフルーツ宅配便上映会を行ったら「厳し目の意見が多かった」という結果になりました。確かに、第5話までは暗い話ばかりで、風俗業界に悪いイメージを抱いてしまうような内容でしたね……。
しかし、第6話のレモン(北原里英)の回はハッピーな話だったし、今後も注目していきたいドラマなのは間違いありません!
今後もFenixzineでは、この様な風俗業界のニュースに対して、取材やインタビューを続けていきたいと思います!
読んで頂きありがとうございました!
▲なぜか最後はフルーツ“撮影会”となりました。お三方もご協力ありがとうございました!
(おわり)