「SWASH、風俗店スタッフ向けの研修やってます!」~在籍数UPのための環境作り編~

2016年09月15日

by要 友紀子要 友紀子SWASH
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前回の『ストーカー対策編』(2014年実施)に引き続き、今回は『在籍数UPのための環境作り編』(2015年実施)をご紹介します。

講師には、『RC-NET(レイプクライシス・ネットワーク)』の岡田実穂さん、宇佐美翔子さんを迎え、風俗店店長や男性スタッフ約30人の方に参加していただきました。

以下、研修を行った岡田さんと宇佐美さんに、研修内容を伺いました。

在籍数をアップさせるための労働環境作りを考える

風俗店研修

風俗店の在籍数をアップさせる方法のひとつとして、労働環境作りがあります。労働環境が良ければ、より多くのセックスワーカーに長く働いてもらえるのではないでしょうか。

では、セックスワーカーたちが働きやすい労働環境とはどんなものなのか? 研修を通じて風俗店スタッフのみなさんに考えてもらいました。

あなたの店でもできる! ワークショップ形式で意見を出し合う

店長研修

在籍数がアップする労働環境作りを考えるため、風俗店スタッフのみなさんにそれぞれの意見を出し合ってもらいます。

まず、店舗に在籍している“セックスワーカーからの要望”を書き出してもらいました。

風俗店研修

セックスワーカーからの要望は具体的なものが多く、「備品の質を上げる」「空調の点検をしてほしい」などといった、主に労働環境の改善を求めるものでした。

次に風俗店スタッフが、在籍数を増やすために行ったほうがいいと思うことを挙げてもらい、“すぐできること”“いずれやりたいこと”に分類しました。

すると……。

風俗店研修

驚くことに、ローションを始めとする備品を変えることは、“すぐできること”のはずなのに、風俗店スタッフの多くが、“いずれやりたいこと”に分類していました。

逆にセックスワーカーからの要望になかった「一緒にごはんを食べに行く」や「悩みを聞く」といったことを“すぐできること”に分類していたのです。

在籍数がアップしない理由が明らかに

研修

風俗店スタッフとセックスワーカーの認識のズレ

今回のワークショップ形式で考えた結果、セックスワーカーが望んでいることと、風俗店スタッフの努力に大きなギャップがあることがわかりました。

セックスワーカーたちは、「備品を変えてほしい」といった具体的な改善を望んでいるのに、風俗店スタッフたちは「相談にのる」などのあいまいな対応を行っていたのです。

恋人感覚「×」→信頼できる上司や仲間「○」

さらにわかったことは、風俗店スタッフが(セックスワーカーに対して)“恋人感覚”で接することを心がけたり、“良き理解者”にならなければならないと認識してしまっていることでした。

けれども実際、セックスワーカーたちの要望を書き出してみると、彼女たちは仕事をサポートしてくれて信頼できる“上司”や、“仲間”として対応してくれるスタッフを強く求めていたのです。

在籍数をアップさせるためには……

ワークショップ形式で意見を出し合った結果、これでは在籍数は減る一方だな、という結論になりました。

働きやすい労働環境を作るためには、セックスワーカーたちの要望を的確にとらえる必要があります。

今回のように要望を書き出し、できることから改善していければ、労働環境は改善され、在籍数はアップするはずです。

労働環境が良くなればセックスワーカーたちの口コミやネットの掲示板などで評判が良くなり、新たに働いてみたいと面接に来る人も増えるのではないでしょうか。

最後に

今回の研修では、別々の店舗の方でグループになってもらい、ディスカッションしてもらいました。店舗をごちゃ混ぜにすることで、「あそこの店舗で効果があったらしい」と知ってもらうためです。

ワークショップに参加したある風俗店の店長は、「仕事をしているうえで、このように整理したことがなかった。これからも同じようなことをやっていきたい」と感想をいただきました。

店舗にとってもセックスワーカーにとっても、より働きやすい環境になるよう風俗店スタッフ向けの研修を続けていきます。

(講師・取材協力:『RC-NET』代表・岡田実穂さん、副代表・宇佐美翔子さん)

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執筆者プロフィール

要 友紀子

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1976年、大阪府出身。セックスワーカーとして働く人たちが安全・健康に働けることを目指して活動するグループSWASH(Sex Work And Sexual Health:スウォッシュ)メンバーとして、活動。

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