人の話、聞けてます? あなたの失敗には、理由がある~ちゃんこFCグループ代表 渡辺高之 #03

2020年09月17日

by松坂 治良松坂 治良編集者・ライター

――2010年の誕生から2年後、渡辺代表がなぜ、ぽっちゃり専門デリヘル『ちゃんこ』をフランチャイズ化したのかと言えば、“きちんと”やれば、誰だって稼げるという実感があったからだ。

「なるほど。じゃあ実際、どのFCオーナー様も、ご成功されたんですね?」

こう問うと、代表はやや困った表情を見せた。

「どのオーナー様も、というわけには行きませんでした。“きちんと”やれた方だけではなくて……」

中には渡辺代表自らレスキューに向かった店舗もある。本部のテコ入れで、1年かけて軌道に乗せたという場合もある。そして諦めてしまったオーナーも、この8年の間にゼロではない。

そして失敗にはもちろん、原因があるのだが……

いい加減で儲かる商売などない。FCは魔法ではない

失敗例の中でも一番ヒドいのは、“いい加減だった”“なんとなくやっていた”という場合です。

例えばホームページのキャストさんの写真がテキトーだったり、写真の点数が少なかったり。

プロフィールのコメントも短くて、特徴を捉えていない。出勤予定の入力も、最初にキャストさんに聞いたままで更新せず、メルマガの配信もサボったり、内容がスカスカだったりする……。

『ちゃんこ』に限らず、これを読んで「ああ」と思うキャストさんもいるでしょう(笑)。そういう店長さんに“当たっちゃった”方、ゼロではないはずです。

よく言われる“クソ客”以前に、これでは“クソスタッフ”“クソ店長”になってしまう。こういう方は、どこの世界に行ったって、成功は望めませんよね。

『ちゃんこFC』は、効率よく収益を上げられる“仕組み”を持っています。でもそれは“魔法”ではない。ラクに稼げる仕事というのは、世の中にないんです。

何より問題なのは、こういう方は“人”を大事にしていないということ。そういうのって、お客様にもキャストさんにも、伝わるものなんです。

ブスだから来ない? その決めつけで、大損している

“人”を大事にしない、相手の気持ちをわかろうとしないというのは、この仕事では致命的なんですね。

例えばここにかわいい子がいるとします。始めから本指名が多い。出勤態度もマジメで、すぐに店の看板になってくれた。こういう子をちやほやするのは良いんです。褒めるのも良いですよ。ただし大切なのは、“他のキャストさんも同じように”ということなんですね。

やっちゃいけないのは、ブスだからお客様が来ない、ババァだから来ないという“決めつけ”。「どうせ」という感じで、写真もまともに撮ってあげず、プロフのコメントも少ない。オフィスにその子がいても、話しかけてさえあげない……。

これって実は、大損しているかもしれないんですよ。だってこの子は、めちゃくちゃ性格が良いかもしれない。優しいかもしれない。というか、僕たちの仕事は、そんな風に個々の良さを見つけてあげることでしょう。

出勤制限はやる気を奪うだけ。共に原因を考える

それもせずに反対に、“客を呼べないから”と、そのキャストさんの出勤制限を設けるのは、言語道断です。「私はいらない人間だ」と思わせたら、ますますその子のやる気が奪われてしまう。

そうじゃないんですね。原因を一緒に考えるんです。

「ありゃりゃ。今日は歯がちょっとな。白くしなくちゃ。ちょっとオレと一緒に磨こうか」
「髪プリンは印象良くないよ~。まだ本指さんもいないしさ。めんどくさいのわかるけど、染め直そうよ」
「うーんと、さっきのお客様、他の子には良客さんで通ってるのね。本当にもしかしたらだけど、何か失敗したのかも。心当たりない?」

けっこう厳しいこと、キャストさんからしたら聞きたくないことも言ってるでしょう? でも僕の経験上、大概聞いてくれます。それはこちらが“相手のため”を考えているからなんですね。相手のためがお店のためになるのが、この事業なんです。

まずはマニュアル通りに。そして人の話を聞くこと

もう1つ例を挙げるとすれば、“他人の言うことを聞かない”方は成功できません。これは先日ウチの横井も言っていたと思うんですが(横井さんのインタビューはこちら)、こういう方は実は、悪気はなかったりするんですよね……。

例えば面接までは来てくれても、キャストさんがなかなか入店を決めてくれない。オーナー様に相談されてマニュアルのページを示すと、「ちゃんとやっています」とおっしゃる。

ところが僕が面接に同席してみると、全然マニュアル通りではなくて、自己流だったりするんですね。

「いきなり禁止事項言ったりなんかしたらマズいですよ。それは最後で良いし、口調もあれじゃ女の子コワいですよ」
「まず仕事の厳しさを伝えないと。それが若いあの子のためにもなるし」
「……そんなことマニュアルのどこにも書いてないし、さっきの子が仕事の厳しさをわかっていないなんて、誰にも言えないでしょう?」

もう笑っちゃいますよね(笑)。このオーナー様に“自分の考え”があるのはわかるんです。仕事に対する立派なご意見があるんだとは思うんです。でも経営するって、そういうことではないんですね。そんなもの人に押しつけたって、1円にもならない。

「じゃあどうしたら?」って、最初はわからなくても良いんですよ。だからこそマニュアルがある。フランチャイズ本部があるし、僕もいます。“フランチャイズ仲間”もいるんです。

まずマニュアル通り、本部のアドバイス通りにやってみてほしいんです。「でも」「だけど」を我慢して。オーナー様は初めてでも、僕らには10年の蓄積がある。そこを1回信じてみてほしいんです。

あなたにだって、成功してほしい。FC事業の意味

失敗の逆の“成功”の秘訣は、自ずと明らかですよね。人を大切にして、まずはマニュアル通りに。マニュアルとノウハウの中身は、初回に一部お話した通りです。お会いするご縁があれば、もっとくわしくお話しますし、フランチャイズにご加盟頂ければ、早速僕も全力でサポートに回ります(笑)。

わからないことや悩みは本部に聞いてくだされば良い。だって本部はFC料金15万円を頂いているんだから(笑)。しっかり相談に乗る義務があるんです。

10年の見本、54店舗の見本があるって、けっこう心強いでしょう? もちろん店の様子を見て頂いて、ご希望があればそちらでまず研修ということだってできます。

ご加盟頂く以上、僕はその方に成功してほしいです。僕にも死にたいほどツラい時期があったけれど、今こうしてハッピーを手にできた。それはたくさんの人の助けで、叶えられたことなんですね。

キレイごとみたいでアレですけど、“だから自分も”という思いが、僕にはあります。それは他の“フランチャイズ仲間”だって、同じはずなんです。

――これまでの『ちゃんこFC』の歩み。その中での“失敗”について伺ったが、拍子抜けした読者もいるだろう。

「それで失敗するのは、当たり前では?」

正しくその通りで、だからこそいちばん初めに渡辺代表も“きちんとやれば”と語った。成功できなかったのは、きちんと“やらなかった”方なのだ。

また「あるある」と思ったキャストさんやスタッフも、少なくないだろう。同じような失敗は、他のお店でも見られるだろう。

その意味で言えば、『ちゃんこ』に限らず、どこの世界にも応用できる“ヒント”がちりばめられているインタビューだった。

「ちょっとそのマニュアル見せてくださいよ」
「ダメ。これ以上はダメです(笑)」

渡辺代表の、試行錯誤と成功のための記録。じっくり読める方は、幸せに違いない。

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“コロナ禍”での新店ラッシュ。なぜ『ちゃんこFC』なのか。“ぽっちゃり”なのか~ちゃんこFCグループ代表 渡辺高之 #01

渡辺 高之(わたなべ たかゆき)

愛知県出身。業界歴は14年。兄の影響で水商売の世界へ。その後21歳で上京。様々な職を転々とし、23歳で業界に。2010年“ぽっちゃり”専門デリヘル『ちゃんこ』の1号店を渋谷に開業。わずか2年でフランチャイズ化に踏み切り、代表に就く。2020年8月現在54店舗を展開中。37歳。

執筆者プロフィール

松坂 治良

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小さな出版社などを経て、”誠実に求人広告をつくろう“という姿勢に惹かれ、現職に就く。数年来クラシック音楽と仏教に傾倒中で、最近打たれた言葉は「芸者商売 仏の位 花と線香で 日をおくる(猷禅玄達)」。……向き合った相手の“人となり”や思いを、きちんと言葉にしたいと願う、今日このごろです。

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