「風俗をメジャーにしたいから! 365日24時間“アキバマサト”を生きる」~『FuuTube』代表・アキバマサトの想い#3~

2016年06月13日

by吉岡 優一郎吉岡 優一郎作家

抵抗があった風俗―でもすごくかわいい子のフェラでどっぷりハマる

‐アキバさんと風俗の関わりは、そもそもどんな感じだったのですか?

初めて風俗へ遊びに行ったのは、19歳の時でした。きっかけは、当時勤めていた会社の上司に連れられてなんですが、当時の私は、意外と真面目で、「風俗に行くなんて、あまり良くないんじゃない?」と思ってました。

‐「当時モテてたから行く必要がなかった」というわけじゃなくて?

いや……、そんなことはなくて、実はそのころの私は、ちょっとしたミュージシャンをやってまして、モテてはいたんですよ。でも、むやみに手を出すことはできないじゃないですか。

‐それで、それまでは倫理観的に抵抗があった風俗へ、上司に連れられて行くことになったと

風俗業界についてなにも知らなかったので、財布とか抜かれるんじゃないかという猜疑心や恐怖心がありましたね。

でも、すごくかわいい子が出てきて、「えっ!? 今会ったばかりなのにフェラしてくれるの!? ナント!!」って (笑) 。そんな感じで、一発で風俗にハマってしまったんです。

「風俗嬢ってなんだよ!!」それが、業界で働こうと思ったキッカケ

でも、小心者だったので、違う店には行けなかった。一度行った店なら行けると思って、2回目からはその店にひとりで行って、そこでアヤちゃんという子に出会ってどっぷりハマって、最終的にフラれて……。「風俗嬢ってなんだよ!!」って思って、それがきっかけで風俗業界で働こうって思ったんです。

‐風俗嬢に振られたことがきっかけで風俗業界に入った!?

そうなんですよ。その子は、すごい清純派で、マジメな女子大生みたいなタイプ。“学費を稼ぐために裏のバイトをしてる”って雰囲気の子だったのに……。知れば知るほど、実はどっぷりで、最終的には“いけないクスリまでやってる”ってことを知ってしまい……。

見た目と正体がぜんぜん違ったんですよ!宮崎あおいさんとか、吉高由里子さんとか、そんなタイプの子だったのに!それが、ホストに金を使うわ、クスリをやるわ、なんだこれはって!フラれたけれど、私自身も愛想を尽かした部分もあったわけです。

当時の個人的な背景も話すと、そのころは、バンドブームでミュージシャンをやってたけど、ロクに金になるわけじゃないし、食っていくのは厳しいなと思ったんです。それに父親が癌で余命宣告を受けてしまって……。

だから、ミュージシャンを引退して、割のいい仕事を探そうと。それでホスト的なことをやったり、水商売をやったりしたんですけど、「忌まわしい思い出の風俗に俺の活路があるんじゃないか」「近寄りたくない風俗に何かがあるんじゃないか」と思って。

風俗×アダルトビデオ―『FuuTube』の原点は業界に入った時から

それで入った風俗運営会社というのが、大手の箱ヘルグループです。

そこでは、フェチ系のアダルトビデオも作ってて、風俗とアダルトビデオの両方の業界について学んだんです。その会社には、たまたま友人が先に働いていたので、私も入社しただけですけど。10年ほどその会社で働いて、とあるデリヘルのグループに移ったわけです。

‐デリヘル店勤務のあとは?

アダルトビデオのメーカーを立ち上げたのですが、あまりうまくいかず、ライブチャットが儲かると聞いて、大金をかけてシステムを買ったのですが、それも全然うまくいかない。

それで立ち上げたのがFuuTubeです。ずっと風俗の世界で頑張ってきたのに、急に畑違いのAVの世界へ移って、うまくいかなかったわけだから、今やってる映像と風俗を両方かけあわせれば、イケると思ったわけです。

‐これからFuuTubeで力を入れていきたいことはなんですか?

実は今、FuuTubeは分岐点なんです (苦笑)。どの分岐にいるかってのは、今は言えないですが。

風俗をメジャーにしたいから!365日24時間“アキバマサト”を生きる

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‐アキバさん的には、今後やりたいことや目標は?

FuuTubeもそうなんですけど、風俗に限らずアダルトな文化が、明るいところに行ってほしいなという願いがあるんです。

当然偏見はあるでしょうし、偏見をなくすことはありえない。でも、ちゃんとやればいいんです!ちゃんと運営して税金払って、社会の一員として普通にやっていけばいいだけの話で、業界全体がそうなればなぁって願いはあります。

でも、拳を振り上げて「風俗に光を!!」とか、「風俗嬢に人権を!」とか、そんなシュプレヒコールを挙げるのは、私の役目ではない。

自分のできることは、水泳大会をやったり、講習ビデオを作ったりしながら、風俗を認知させていくことだと思ってて、根底は、水嶋かおりんがやってることと同じなんです(笑)。ただ、やり方と役目が違うだけでね。自分のやりかたで、風俗をメジャーにしていきたいと思っています。

‐アキバさんの活動をFacebookなどで見ていると、いつも忙しそうにしてますよね。プライベートでは、どんなことをして息抜きをされているのですか?

自称ですけど、私には、プライベートがない、“365日24時間アキバマサト”なんです。

海外旅行に行っても全時間を会社経営のことや映像のこと、“アキバマサト”という自分の表現の仕方に活かせないかと考えてる。だから、海外旅行へ行ったとしても、それは休みではないです。と私は言い張っています。言い訳ですけど(苦笑)。

個人でやりたいことがあるとすれば、もう一度ミュージシャンかな。でも私は、音楽で世界を救うことはできないから、エロで救いたいと思います!

‐将来の夢はありますか?

今の私は、毎日違う日を過ごしたいんです。毎日違うことをして過ごせるように努力している。でも老後は毎日同じことをして過ごしたい。

南の島を買いたいんです。そこで畑を耕し、海に釣りに出て……。毎日そういう生活をしたいんですよ。そして、誰にも知られず死んでいくという……(笑)。その時に、ひとりじゃないとすれば結婚していたいな。その奥さんが、ミランダ・カーだったら最高ですね(爆笑)!

前々回の記事「裏側に行ってしまった風俗を再び表側にするのが俺の使命!」~『FuuTube』代表・アキバマサトの想い#1~

前回の記事「風俗店向け講習ビデオで日本の風俗のレベルを世界水準に!」~『FuuTube』代表・アキバマサトの想い#2~

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アキバマサト

1973年、横浜市出身。高校卒業後、ミュージシャンを経て風俗業界入りし、20年以上のキャリアを持つ。体験男優としての顔は一部に過ぎず、実は大手グループの代表経験もある敏腕ビジネスパーソン。仕事観、人間観、人生観の有無を大事にする。尊敬する人は、やはり実業家だった父とX JAPANのYOSHIKI。非常に繊細なO型。 Fuutube:公式サイト

執筆者プロフィール

吉岡 優一郎

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1964年2月23日、大阪府布施市(現東大阪市)生まれ。現在は、岡山県井原市在住。ノンフィクション作家・ライターのほか、ウェブコーディネーターの顔をもつ。著書に『風俗嬢のホンネ』『もっと風俗嬢のホンネ』『風俗嬢たちのリアル』『ベテラン風俗ライターが明かすフーゾク情報のぶっちゃけ話』『ワケありな風俗嬢たち』(いずれも彩図社)がある。また、風俗関係者のインタビューを精力的に行い、その模様をインターネットラジオ番組『フーゾクリンクラジオ』で配信している。

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