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曖昧じゃないから目標も立てやすい。自分にはピッタリだった

どうもお久しぶりです。前回のインタビューは……2019年の8月？（笑） 早い。もう2年半経つんですね。

あの時確か、最後に「早く上に行きたい」と言っていたと思うんですが、その通りというか、おかげさまで順調にキャリアアップしています。

次の年の6月に主任、12月には副店長、晴れて店長になったのが、2021年の5月です。頑張り⇒成果⇒昇格という形で認められるので、やりがいがありますよね。ウチはほんとに“やったらやっただけ”ですから。

昇給査定も半年に1回きちんとあります。曖昧じゃないから個人的な目標も立てやすい。あらためて、自分にはピッタリの環境だなと感じています。

「コロナ禍だから仕方がない」ではなく、今こそが“チャンス”

特に自分の場合、出世の時期とコロナ禍が重なっていたので燃えました（笑）。昔から僕、逆境だと火が点くタイプなんです。

それに「考え方じゃないかな？」という気持ちもあったんですね。確かに最初の緊急事態宣言の時は、集客減も売上の落ちも、ある意味で当然だったのかなとは思います。誰にとっても未知の出来事でしたから。

ただ、それをいつまでも言い続けるのは違うんじゃないかって。

「コロナ禍だから仕方がない」

会議の度にそんなことを言っていたって、お店はなくなっちゃうだけです。僕はこの“仕方がない”だけは、ゼッタイに使いませんでした。むしろ「コロナ禍だから攻めよう」と。

さっき言った考え方というのは、要はヨソだって月末に売上を見て「仕方がない」と言っているだろうと。それどころか体力のないところは、お店を畳んでいるかもしれません。なら“チャンス”とも言える気がしたんです。

「ウチが一番になっちゃえばいい。他のお店のお客様も取り込んでしまえばいい」

だからあの時期、強気に割引セールなんかもやりました。お客様は必ずリピーターとして帰って来てくださるからと……。

「ネームバリューに甘えていないか」。業務の見直しの理由

もう1つ、これは店長になってから強く意識したことですが、業務を見直そうと。というのも、スタッフを見ていてしばしば「業務が流れ作業になっちゃってるな」と感じていたんですね。

コンパニオンさんのご応募がたくさんあるのも、在籍数が多いのも当たり前。お客様の電話が鳴るのもいつものこと……。

いい加減だったとか手を抜いていたということではないんです。ただ『モアグループ』『人妻花壇』、この“ネームバリュー”に、みんな少し甘えていたんじゃないかなと。例えばコンパニオンさんとのコミュニケーション1つとっても、「もっともっと密に取らなきゃ」と思っていました。

目の前の結果はどちらでも良い。一生懸命は先々にこそ活きる

実際コロナ禍で出勤数が減ったという時に、スタッフは手をこまねいているようでした。なので、僕自らが“基本に返る”姿を見せようと。「しばらく休む」と仰るコンパニオンさんに、率先して電話を掛けてみたりしたんです。

「もしもし山中です」
「あ、店長？」
「大丈夫ですか？　出勤」
「えっと、しばらく休むって……」
「はい。だから今月急に収入ゼロでしょう？　差し出がましいようですが、心配で」

この時重要なのは、僕は“本気”なんですよね。自分だって家庭があって父親で、食べさせなきゃいけない。ウチは奥様店ですから、同じように親だという方が少なくありません。僕の気持ちが伝わるから、向こうも“本音”を話してくれるんです。

で、伺ってみると「生活もあるし、本当は出たい」という方もいるんですね。でも一方で感染も心配ということなので、「お店も対策を徹底していますよ」と。そうして30分でも1時間でもご相談に乗ることで、お互いの信頼関係が作れました。

それに女性はよく聞いていますからね（笑）。ウチは待機室とオフィスが近いので、電話口の会話は他のコンパニオンさん達にも聞こえます。「あ、ちゃんと考えてくれているんだ」というのが、周りにも伝わるんです。

またこの場合、結果はどちらでも構いません。お話した方が出てくれなくてもいい。ただしこうすることで少なくとも「コロナが落ち着いたら戻ろう」とは思ってくれます。それこそが大事なんですね。

コンパニオンさん、お客様に限らず、目の前の相手に一生懸命は“基本”です。そしてこの基本は先々の結果に繋がる。これは店長という立場だからではなく、入社以来の僕の実感なんです。

コロナ前さえ超えた売上。“全スタッフ”の給与を上げられた

現にこの後『千葉人妻花壇』は、コロナ禍の昨年と一昨年どころか、その前の売上さえ超えて、過去最高益を叩き出しました。

これは嬉しかったですね。「自分は間違ってなかった」と思えたし、何より千葉花壇全スタッフの給与を上げることができたんです。店長としての責任を果せたかなと……。

売上を伸ばさなきゃ給与は上がらない。それは当たり前のことだし、だからこそ僕は、みんなに厳しい時もあるはずなんですね。誰も口には出さないですけど、きっと「うるさいな」と感じているスタッフもいるかもしれません（笑）。

なのでみんなの頑張りが認められて良かったなと。今ここは上昇機運で、結束も強くなっていますけど、「結果が出た」「報われた」と全員が感じているからだと思うんです。

もちろんまだまだこれからですよ。半年後の売上はもっと伸ばしたい。そうすれば更にコンパニオンさんにも稼いでいただけるし、みんなの昇給だってまた叶いますから。

当然僕の収入だって増えますよね（笑）。ここだけの話、今の自分の給与は入社時の倍です。最初に戻りますけど、ウチは頑張ったら頑張っただけ。ここで満足せず、天井知らずで上を目指していきたいですね。

取材後記

執筆者

松坂 治良

「フツーに頑張れる人はフツーに出世できますよ」と山中さん。「自分がそうだった」と、下のスタッフの方達に“道筋”としてキャリアアップを語れるのが嬉しいそうです。コロナが明ければ売上は更にどこまで伸びるのか。次のインタビューも楽しみにしています。