風俗男性求人はFENIX JOB

求人広告と違う?!　はじめの会社は、休みさえなかった

この業界に入ったきっかけは、ズバリ「稼ぎたい」でした。普通の一般企業より、収入が多い気がしたんです。

でもはじめに入った会社では、正直裏切られたという思いが強くて……。

そもそも求人広告に出ていた待遇とかお給料が、その通りじゃなかったんですよ。時給制だったんですけど、額面が実際聞いていた額よりずいぶん少なかった。

しかも休日がなかったんですね。スタッフさんが極端に少ないお店だったので、休みようがなかったっていうのもあるんですけど、寝て起きて、またすぐ仕事に行ってという環境だったので、さすがに体もまいっちゃったんですよ。

「この日休めないですか？」っていう融通も、全然きかなかった。「あ、これは続けられないな」と。

とは言え、仕事自体に魅力は感じていたんです。なので他の会社に移ろうと思って、ネットでいろいろ検索してみました。ええ、今度は慎重に（笑）。誇大広告のところもあるんだなと分かったから、5つぐらい面接を受けましたよ。

受けてみて説明を受けて、ここは本当に求人広告の通りだったんですね。大丈夫そうだな、まず安心して働けるなって、そう思って入社を決めました。

みんなで回して、みんなでいろんな仕事。ミスさえもカバー

入社して、もう1年になるんですよ。今は受付業務をしたり、電話応対や、取材を受ける女性キャストに同行したりですね。あとは、新聞なんかに載せる広告を作成したりしています。

ウチは“これはこの人がやる”みたいな決まりがないんですよ。みんなで回して、みんながいろんな仕事をしているんです。

僕なんか先輩方に比べて社歴も業界歴もいちばん浅いんだから、普通だったら掃除とか雑務だけってなりそうなものじゃないですか。ここでは、そういうことは一切ないんです。

先日入った新人さんにも、さまざまなことをやっていただいています。雑務ばかりを押しつけたりはしません。掃除だって、みんなでやる感じです。

チームワークがすごく良いんですよね。みんなで支え合っている。だから僕、ここを辞めたいと思ったことは1度もないんですよ。

小さなことですけど、例えばこの前、キャストさんの出勤時間が急に変更になったことがあったんですね。ところが、スタッフがLINEで「分かりました」と返信したつもりが、送れていなかった。

でも別のスタッフが気づいてカバーしてくれて、何とかなりました。

こんな時「前の会社だったら」って思うんです。あそこだったら、誰も気づかなくて、一方的にミスした人が悪くなっちゃって、責められて終わりだったはずなんですね。でも、ここはみんなでカバーし合う風土が根付いている。

間違った人を責めるんじゃなくて、みんなで協力し合って、ミスを打ち消す努力を、まずするんですよね。そして大事なのは、そのミスがもう起きないように、後でみんなでちゃんと話し合うんです。

だから、お店は良くなっていく。仕事が楽しいって、僕は素直に思えるんです。

キャストさんに身構えていた自分が、懐かしい

実は僕、この業界に入るまで、キャストさんに対してすごく身構えていたんですよ。

というのも、やっぱりキャストさんがお金を運んできてくれるわけだから、何でもかんでもキャストさん優先で、とにかく“言うことを聞かなきゃいけないんだ”ぐらいに思っていたんです。

でも当たり前なんですけど、全然そんなことなくて（笑）。キャストさんにだって、注意する時は注意します。遅刻とか、無断欠勤とか。

キャストさんたちも「ちゃんと言ってよね」って感じなんですよね。ウチではキャストさん達が、待機室で出たゴミなんかは片づけてくれます。何て言うのかな、そんなことは当然ていう感じで、意識が高いです。

たぶん『秘密倶楽部』っていうブランドをキャストさん達も愛してくれているんでしょうね。僕らもキャストさんに気持ち良く働いてもらいたいから、いろんな話をします。良い関係を築けた方が、仕事もはかどりますから。

きっと、僕がはじめはコワがっていたなんて知ったら、キャストさん達はみんな笑うんじゃないですかね（笑）。

会社もキャストさんだけではなくて、僕らスタッフのことも大切にしてくれているなって感じます。ご飯に行かせてくれたり、何かと男性スタッフにも経費を使ってくれたりですね。ウチには何十年も働いているスタッフもいるんですけど、その理由はよく分かりますね。

学歴関係なく高収入。転職の選択肢に、なればいいのに

僕ははじめ「稼げたら」というだけでこの業界に入りましたけど、後から調べてみたら、風俗業は人類最古の職業だなんていう説もあって……。

今後、人工知能だなんだで消えていく職業もあると聞きますけど、風俗業は生き残れる仕事なんじゃないかな、とも思っています。

業界の規模も小さくないですし、外国の方だって、今後はお客様になってくるのかもしれない。こういう背景がある中で、でもこの業界は、働く上で学歴も年齢も関係ないわけですよね。がんばった人は店長になったり、すごい収入を得たりしている。誰に対しても、チャンスが与えられているわけですよね。

もっともっと、この業界が転職や就職の選択肢に入って来ればいいのになと思うんです。自分のこの小さなエピソードも、その助けになれば嬉しいですね。

（インタビュー：新海亨）

取材後記

執筆者

藤野 りさ

プライベートでは投資の勉強もされているという猪瀬さん。前向きに人生を切り開いていこうという姿勢は、インタビューでも感じられますよね。「みんなに助けてもっらた」と語る猪瀬さんだからこそ、他へのサポートも忘れることがないのでしょう。きっとエラくなって、ぜひまたお話を聞かせてください。