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18歳から貿易で中国と関わり。ところがコロナ禍となり……

高校卒業後、初めはシール工事や外壁補修の仕事をしました。職人さんですね。ニッカポッカを履いて（笑）。

ところが掛け持ちで働いていたバイト先のオーナーから、「新しく会社をやるから、一緒にどう？」と誘われちゃったんですね。ほんとは不動産業に行きたいと思っていたんですが……。

熱心に誘われるうちに、まだ18歳でしたし、「不動産はいつでもできるか」と。中国との電子部品の貿易で、言葉もできないのにいきなりワールドワイド（笑）。最終的には「おもしろそうだからいいか」と、まず深圳に飛びました。

そこは3年ほどお世話になったのかな？　やがてフリーで中国と取り引きするようになったんですが、コロナを機にやめました。コロナは“中国発”でしたからね。パンデミックのあおりをもろに食らってしまったんです。

その後はいったん自動車関係の職に就いたものの、前職が不本意な終わり方だっただけに、燃え尽き症候群みたいになっちゃってました。

いい意味で“普通で、パリッと”。接客未経験なら一番学べる環境

それでなぜこの業界に、というのは、以前から興味はあったんですね。で、「このままズルズルと過ごすのはよくない」と考えていた時期だったので、好奇心のままに幾つか応募してみました。

中でも『梅田ゴールデン倶楽部』だった理由？（笑） 直感です。肌で感じられるものってあるじゃないですか。

事実入ってみてすぐ、「あ、正解だったな。ここで良かった」と思いました。いい意味でめっちゃ普通で、皆さんがパリッとしていて……。

ここならしっかりと、ビジネスマナーやおもてなしの“基本”から身に付けられる。未経験から接客を学びたいなら、一番の環境という気がします。

働く“背中”が大事。“地道にコツコツ”を、先輩は見てくれていた

自分がそんなエラそうなこと語っちゃっていいのか、とも思うんですけどね（笑）。と言うのも、僕は色んなことをはっきり言ってしまう性格で。

まだ入社8か月目でしたか。電話受付やご予約対応ぐらいしかできない頃だったのに、生意気にも上司に嚙みついちゃったり、色んな失敗をしたりして、信頼を失ってしまったんです。

ただウチのいいところは、それで「お前やめろ。いらない」という雰囲気にはならなかったんですね。

僕も反省の意味というわけでもないんですが、「じゃあ」ということで、「誰もやりたがらないことをしよう」と。率先して掃除や雑用なんかを「とことんやる」というのを心掛けていたんです。

それを黙々と続けていたら、ありがたいですよね。先輩がちゃんと気づいてくれていたんです。上に「彼頑張ってるから、もっと他のこともさせてあげましょう」と話を通してくれて。業務の幅が広がっていったんです。

『梅田ゴールデン倶楽部は』は皆さん懐が深いというか、「性格だからしょうがない」みたいに思ってくれる風土があるのかなと（笑）。

何よりマジメにやっていれば、結局“誰かが見てくれている”ということなんでしょう。信頼を得るためには、働く“背中”が大事だなと、あらためて教えられた出来事でした。

「しょげてたな。笑わせよう」 なぜ“楽しく働く”が重要なのか

働くうえで意識しているのは、“楽しむ”ということです。たとえ小さな業務でも、「今日もちゃんとできたな」と、ゲーム感覚で“達成感”を味わうようにしています。

あまり「幹部を目指す」とか「稼ぎたい」という気持ちはないんですよね。そういう目標がなくても、毎日を充実させていれば、“自然に立場と給与は付いてくる”と思っていて。

朝起きたら、「今日はあの子出勤だ。こういうこと聞こう」とか「あの子最近しょげてるなあ。笑わせてみようか」とか、そんな感じで1日をスタートさせてますね。職種柄やっぱり、キャストさんを思い浮かべることが多い。

少なくとも「だる。今日も店行かな」とかはありません（笑）。それじゃ楽しいわけないし、外に出ちゃうでしょう。

幹部になんてなれないし、収入も付いてこないですよね。“仕事の結果⇒出世”のはずで、なんというか、“順序が逆”という気がしちゃいます。上を目指す前にまず“仕事ありき”なはずで、だからこそ楽しむのが大切だと思うんです。

“自分が何か”ではなく、チームが強くなれば、売上は伸びる

実際2年過ぎた今では撮影やキャストさんとの面談も任されるようになって、やりがいもすごくあります。

それにつれて昇給もしているので、先ほども少し触れましたけど、環境に対する“安心”があるんでしょうね。

「誰かが見てくれている」

僕が特別優れているとも全然思わないですし……。あえて言えば、経験やスキル以前の地道なことをコツコツやれば、ここでは“ゼッタイ”周りに認めてもらえます。信頼関係を築ける。

“チーム”と捉えるとわかりやすいかも。自分が何かを成し遂げるというより、『梅田ゴールデン倶楽部』というチーム全体が強くなれば、もともと人気店ですし、更に売上は伸びていくでしょう。

言ったように僕には出世欲とか全然ないんで、新人さんはぜひさっさと追い抜いちゃってください（笑）。チームの一員として、あなたをしっかり支えますから。

（インタビュー：新海亨）

取材後記

執筆者

松坂 治良

お気づきの方もいらっしゃるでしょう。自分の周りを見ても、上に立つ方って、実は前田さんのように“無欲”の方が多いですよね。
記事にあるように、“地道が大事”ということなのでしょう。その地道を「誰かが見てくれている」と思える環境を、羨ましく感じました。